食品ラベルを読んでも、わからない時代が来た。改正種苗法と食の安全の話
「食品ラベルを読めば、何が入っているかわかる」
そう思っていました。
乳化剤・香料・カラメル色素・人工甘味料——
これまでの記事で、ラベルを読む習慣の
大切さを伝えてきました。
でも今回は、ラベルを読んでも
判断できない問題について書きます。
それが、「改正種苗法」と「ゲノム編集食品」の
話です。
⸻
きっかけは、シャインマスカットの
海外流出でした
2020年、日本が長年かけて開発した
シャインマスカットや
イチゴの品種が、無断で海外に持ち出されて栽培されていたことが
大きく報道されました。
「日本の大切な種を守ろう」という思いから、
2021年4月に改正種苗法が施行されました。
これ自体は、多くの人が賛成できる話です。
でも——
この法律をめぐって、賛否が真っ二つに
分かれる問題が起きています。
⸻
改正種苗法の「2つのポイント」
改正の主な内容はこうです。
① 輸出先・栽培地域の指定が可能になった
品種登録の際に、輸出できる国や栽培できる
地域を指定できます。
違反した場合、個人で最大1,000万円・法人で最大3億円の罰金が科せられます。
② 登録品種の「自家採種」が許諾制になった
農家が自分で種を採って翌年も使う「自家採種」が、
登録品種については育種権利者の許可が
必要になりました。
問題はここです。
許諾が得られなければ、農家は毎年種を買い続けるしかありません。
コメで公共の種子から民間の登録品種に移行した場合、
従来の8〜10倍の価格になりかねないという指摘があります。
「種を守るための法律」が、
「種を買わざるを得ない状況」を作るのではないか
という懸念が、反対派から上がっています。
⸻
一番知ってほしいこと——ゲノム編集食品が「表示なし」で流通している
ここが、今回の記事で最も伝えたいポイントです。
ゲノム編集食品には、現在「表示義務がありません」。
消費者庁は、ゲノム編集食品について
「科学的に見分けられない」「従来の品種改良と同程度のリスク」として、
表示を義務化しない方針を決定しました。
つまり——
あなたが今日スーパーで買った野菜や魚が、
ゲノム編集されたものかどうか、ラベルを見ても判断できません。
乳化剤や添加物は、少なくともラベルに書かれています。
でもゲノム編集食品は、書かれていない。
「知らされていない」どころか、「知る手段がない」状況です。
⸻
遺伝子組み換えとゲノム編集は、何が違うのか
ここで、混同しやすい2つの違いを整理します。
【遺伝子組み換え(GMO)】
他の生物の遺伝子を組み込む技術。
日本では表示義務があります(一部例外あり)。
【ゲノム編集】
生物が本来持っている遺伝子の一部を
「切り貼り」する技術。
外から遺伝子を入れるわけではないため、
「従来の育種と同じ」とみなされ、
表示義務がありません。
コーンスターチや果糖ブドウ糖液糖の
記事でも触れましたが、
「表示の抜け穴」はここでも繰り返されています。
⸻
アメリカで起きたこと——10年後の
日本の姿かもしれない
アメリカでは先行して同様の法整備が
進んだ結果、
こんな事態が起きました。
多国籍企業が開発した種を使った農家が、
在来種と交配した場合でも「既存の品種に似ている」という理由で訴えられ、
多額の賠償金を支払うことになった
農家が続出しました。
種を「買うもの」にした結果——
農家のコストが上がり、消費者の食品価格にも
影響が出ています。
「食の安全保障の問題が起こる」という警鐘が、
現実になったケースです。
⸻
では、消費者として今できることは何か
ここで「怖い話で終わり」にしたくありません。
知った上で選べる方法が、今の段階でもあります。
① OKシードマークを探す
遺伝子操作されていない種から育てられた食品に貼られるマークです。
このマークがついた食品を選ぶのが、
現状で最も確実な方法です。
② 有機JAS認証を選ぶ
有機JAS認証ではゲノム編集・遺伝子組み換えの原料使用が禁止されています。
「オーガニック」表示よりも基準が明確で、
信頼性が高いです。
③ 国産・在来種・固定種を意識する
コシヒカリ・ひとめぼれ・リンゴのふじ・トマトの桃太郎など、
馴染みのある品種の多くは「一般品種」であり、
改正種苗法の影響を受けません。
こうした品種を意識して選ぶことが、
今すぐできる現実的な自衛策です。
⸻
「選べない」から「選ぶ」へ
私は医師でも専門家でもありません。
ただ、4毒抜きを続けてきた中で、
食べるものを「知った上で選ぶ」ことの
大切さを
日々実感しています。
添加物・農薬・遺伝子組み換え・
そしてゲノム編集——
「ラベルを読めば安心」だった時代から、
「何を基準に選ぶか」を自分で
決める時代になってきています。
難しく感じるかもしれません。
でも、一つ知るたびに、
選択肢が増えていきます。
40代・50代は、まだまだこれからです。
知ることで、守れるものがあります。
自分の体と、家族の食卓を、
今日から少しずつ整えていきましょう。
