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hananosu
ぬ・い・ぐ・る・み
「では、今日はぬいぐるみについての講義をします」
それまでざわついていたクラスは、その一言に、一気に静まりかえり、異様なまでの緊張感が、場を支配する。
「ぬいぐるみの絶対的な条件として、フカフカとした柔らかさがあること。そして、モフモフとした毛がある事です」
スライドを使い、ぬいぐるみに使われている、取れたばかりの綿とそれを覆うファー付きの布を画面いっぱいに、写し出す。
「このモフモフとした布と綿を使って、様々な動物のぬいぐるみを作っていくわけです。綿は詰め過ぎても少なすぎてもいけません。重要なのは、それを手にした人が、思わず頬ずりしたくなる様な、絶妙な柔らかさです」
説明する言葉は、徐々に熱を帯び始めた。
「そうやって絶妙に調節された綿を覆うファーも、とても重要です。その毛並み、色合い。作る動物に近ければ近いほど良いです。ただし!いいですか、ここが最も大切な部分なのですが、決してリアル過ぎてはいけません。あくまでもぬいぐるみは、愛玩具としての愛くるしさが必要なのです」
最後には、まるで獣の遠吠えの様な勢いで、まくし立てられた。
「あっ、これはどうもすみません。思わず興奮してしまって……」
彼は、バツが悪そうに「ゴホン」と咳払いを一つした。
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