AIが取り除いてくれるもの
AIがもたらす恩恵としてよく、単純作業の効率化や情報整理の支援、社会全体の生産性の向上などが挙げられる。AIは膨大なデータを瞬時に処理し、ヒューマンエラーを劇的に減らしたりすることで、私たちの日常をすでにより快適で便利にしているし、もはやAIのおかげだと意識しないと気づかないくものも多い。きっとこれからもっとAIに頼る社会になるだろうし、AIの貢献が当たり前になるにつれ、AIの存在を感じることもさらに少なくなるだろう。
しかし、僕が興味を抱くのは、AIが私たち個人の人生においてどのような負担や障害を取り除いてくれるのか、という部分だ。もっとAIを能動的かつ積極的に個人の人生に関わらせ、劇的に人生の舵を取りやすくする方法を、僕は心の底から望んでいる。
以下は、実際に僕の人生を明らかに豊かにしたA Iの恩恵だ。
① 意思決定の疲労を軽減する
僕は本来、選び、迷い、決断することはこの上ない人生の楽しみだと思っている。それがケーキであっても、映画を見るか小説を見るか漫画を見るか、大切な余暇を何に使うのかということであっても、僕にとって大切なことなら、いくらでも楽しみながら苦悶できる。
しかしそれも、好きなことに限ってだ。
人生には全く興味のない選択が多すぎる。
これら小さな決断が積み重なると、大切な場面で必要となる意思決定のエネルギーが奪われてしまう。まだ完璧には使いこなせてはいないけど、AIが僕の好みに合わせたある程度的確な提案をしてくれるようになってから(カロリーを抑えた食事のレシピとか)、些細な決定に悩まず、より意味のあることに意識とエネルギーを集中できるようになったように思う。
② 情報過多による混乱を整理する
僕たちは日々、インターネットやSNSなどを通じて情報の洪水にさらされている。特にSNSの時間は膨大で、振り返ってみても、SNSが僕の人生に影響を及ぼしていることは明らかだ。しかも、きっと良くない影響の方が多いし、もしかしたら甚大な被害かもしれない。
AIに質問するようになってから、AIが必要な情報をある程度選別してくれているおかげで、混乱や不安をもたらす余計なノイズを排除してもらっていると実感している。ふとSNSをサーフィンすることも激減した。このままAIの精度が上がれば、きっと心はずっと軽くなり、少年時代のような穏やかな日々を取り戻せるかもしれない。自分自身や大切な人との関係を深める時間をもっと多く持つことだってできるはずだ。
③行政手続きや文書作成の負担を軽減する
確定申告にAIを利用する、という話はよく聞くが、実際に僕が使ったのは職務経歴書と履歴書だ。雇用形態が変わるから今週中に持ってきてくれと言われ、ひどくうんざりした気持ちになったが、どちらも丸々AIに書かせた。大したことのない職歴をそれっぽく、必要のなさそうな資格をさも有益そうに書かなければことに強い抵抗があった僕は、その作業を誰かにやってもらうことが、本当に有り難かった。
これら以外にも、煩雑でただただエネルギーだけ食うような事柄を、AIにやってもらっている。(職場での挨拶とか、話したこのない遠くの部署で退職すり人への労いの言葉とか)
たったこれだけ、と思うだろうか? ざっと知り合いたちの顔を思い浮かべても、そんな風に思いそうな人が多い気がする。気のいい人でも、「まあ、便利だけど……大袈裟じゃない?」と苦笑しそうだ。
でもこれは僕にとって、とんでもない恩恵なのだ。
こういったことが、何の恩恵になるのか? 楽をして、ストレスフリーで能天気な人生を送るためか?
それもいい。それだって、素晴らしい人生だ。
でも、少なくとも僕にとっては、絶対に違う。この恩恵への理解を、この恩恵への感謝を、ちゃんと鮮明にして、言葉にしておかなければいけない。この先の人生で、絶対に忘れてはいけない。
AIに「何を取り除いてもらうか」を考えることは、実は僕自身が「何を本当に大切にしたいのか」を真剣に問い直し、再確認する作業なのだ。
AIのサポートを受け入れるその瞬間、僕たちは自分の人生にとって本当に重要なものに気づき、より深く人生を味わい、豊かな未来へ向けて新たな一歩を踏み出す。
AIじゃない。踏み出すのは、あなただ。
この一歩は、決して享受できない。ありとあらゆる恩恵に支えられようが、導かれようが、その一歩は、自分の意思で踏み出さなければいけない。
