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意味づけするヒトという生き物 ~人生と原爆への問い~

(所要5分の記事です)

意味づけするヒトの習性

◇先日放送されたNHK・BSの歴史番組は、作家・永井隆と原爆がテーマだった。永井隆は自身の死に繋がった長崎の原爆投下に意味を持たせ、あの惨事について考えた。それに対して、番組MCの磯田道史先生は「人間は対処しきれない事態に直面した時に、何らかの意味づけをして整理しようとする」というような解説をしていた。

◇全く同感である。ヒトは人生や周囲の出来事について意味づけしたがる習性の生き物と言える。「人間は考える葦」だ。

Stay Foolish

◇生き悩んだ友も話していた。「生きている意味が見い出せない」と。まだ若かった当時の私は、その気持ちの吐露に対して何か有効なことを言ってやれなかった。それが心残りだ。彼は仕事でのミスが最後の引き金となって人生を終えてしまった。

◇今ならこう言うかもしれない。「生き物なんて、自分から選んで生まれてくるヤツなんていない。最初から受動的な存在なんだ。人生で起きる様々な出来事に意味づけするのは結構だ。でも、悩んで生そのものに意味づけしたくなったら、考えることを止めるべきだ。何かに夢中になって、生きていることすら忘れちまうのがいい」。暴論かもしれないが、他の動物たちと同じように、何も考えずひたむきに日々を過ごすしかないと思う。

◇昔日、私も父に言われたことがある。「バカになれ」と。苦しい時は、クソ真面目は止めて力を抜けと言いたかったのだろう。スティーブ・ジョブズも「Stay Hungry、Stay Foolish」と言い残している。話したニュアンスは違うが、意味づけも程よいところで留めておくことも大切かもしれない。

目的と意味づけは異なる

◇広島の原爆投下から今日で81年経つ。アメリカにとって原爆の使用の究極の目的は、戦争を終わらせることだった。戦後を見据えて、ソ連に対して優位に立つことも目指した。マンハッタン計画の「成果」を知りたいとも考えた。

◇結果、投下の瞬間から世界の軍拡競争が始まる。原水爆の技術は時間をかけて研究者から研究者へウィルスのように広がり、核保有国が乱立する現代に到る。人類に火をもたらしたプロメテウスは神の怒りを買って、拷問されて塗炭の苦しみを味わい続けることになったそうだ。今や人類そのものがプロメテウスのような世界となっている。悪化した中東情勢による原油高と関連物資の不足で、日本人はじわりじわりとなぶられ続けている。

◇一方で、「唯一の被爆国・日本」に暮らす我々が何か意味づけをするとしたら、2度の被害は「世界のあらゆる紛争は即刻止めなければならない」「No More War」というメッセージだと受け取りたい。15000個と言われる世界中の核兵器は、人類を何度も破滅させるほどのエネルギーを持つと言われる。だから、核戦力を背景に保有国が非保有国を「弱い者イジメ」して攻撃する現状にあっては、世界中が結束して核を廃絶しなければならないという答えになる。この意味づけにおいては、愚か者にはなれない。

☆写真は我が家で1年過ごした盲導犬パピーのエレナ。確かにヒト以外ではワンコも意味を問うことができる生き物だ。ある時、音を立てながらウガイをしていると視線を感じた。見ると、まだ1歳にならない彼女がとても不思議そうな顔でこちらを見ていた。これはウガイというんだよ、面白いだろと教えてやる。その後、巣立ったエレナは盲導犬の子犬を生む繁殖犬となって活躍して、3年前に亡くなった。でも、このひとときの思い出は今も生き続けている。