カードが使えない店が増える?全東信破産で起きる「本当の影響」を解説
お疲れさまです、ふっくんです☕
「全東信が破産」
このニュースを見て、
「飲食店でカードが使えなくなるの?」
と思った方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、
一部の店舗では、実際に使えなくなっています。
そして、本当に深刻なのは、カードが使える・使えないという話よりも、「飲食店への入金が止まるリスク」です。
今日は、このニュースが私たちや飲食店にどんな影響を与えるのかを、できるだけわかりやすく整理してみます。
📌この記事でわかること
「全東信」とはどんな会社で、なぜ破産したのか
カード決済が使えなくなる可能性はあるのか
飲食店への売上入金はどうなるのか
飲食店が今すぐできる3つの対応
投資家として学べる「キャッシュフロー」の重要性
そもそも「全東信」ってどんな会社?なぜ破産したの?
全東信(株式会社全東信)は、大阪に本社を置くクレジットカード決済代行会社です。
主に飲食店(スナックなどの夜間業種も含む)をターゲットにしており、最大の強みは業界初の「週2回・月6回」という早期決済サービスでした。
一般的なカード決済は、お店にお金が入るまで時間がかかります。しかし全東信は、自社の資金で売上を「立て替え払い」することで、飲食店にいち早く現金を入金していました。これが評価され、加盟店は一時20万店を超える規模にまで拡大していました。
では、なぜ負債総額約1,259億円(今年最大の倒産)という規模で破産に至ったのか?
主な理由は2つあります。
① コロナ禍による売上激減
緊急事態宣言などによる飲食店の時短営業や休業の直撃を受け、カードの利用額が急減。これにより大幅な赤字に陥りました。
② 不正事件による信用失墜と資金繰りの悪化
2024年初頭に、審査に通らない飲食店と他人名義で不正に契約を結んでいたとして、社員らが逮捕される事件が発生しました。これにより金融機関などからの信用が失墜し、事業に欠かせない「立替資金」の調達が行き詰まり、事業継続を断念することになったのです。
「カードが使えない店」は出てくる?
答えは、
「すでに出てきています。」
破産管財人からは、全東信のクレジット端末は今後使用できないと案内されています。つまり「一時的に止まる」のではなく、お店が代替の決済サービスを導入するまで、クレジットカードや一部QRコード決済が使えない状態が続くことになります。
⚠️ 現場のリアルな混乱
実際、私が知っているお店でも「カードが使えなくなった」という話を聞きました。また、直近でカード決済をしたお客様の取引をいったん取り消して、改めて現金で回収し直すなど、現場が大変な混乱に見舞われているところもあるようです。
ただし、現在は多くのお店が複数の決済会社を並行して利用しています。そのため、全国すべての飲食店でいきなりカードが使えなくなるわけではありません。影響を強く受けるのは、全東信の端末やサービスに依存していたお店です。
本当に怖いのは「入金が止まること」
お店にとって、さらに深刻な問題はこちらです。
先ほど説明した通り、全東信は自社で立て替えて先にお店へ現金を支払っていました。しかし、会社が破産(7月6日に破産手続開始決定)したことで、この立替機能が完全にストップし、過去の未払い分は「破産債権」として扱われることになります。
その結果、
「今週入るはずだった売上」が、予定どおりお店に入金されない可能性が高いのです。
飲食店にはどんな影響がある?
飲食店は、毎日の売上で
食材を仕入れ
家賃を払い
従業員(正社員・アルバイト)の給与を支払っている
つまり、「現金が回ること自体が経営の生命線」です。
もし入金が遅れたり、回収できなくなったりすれば、
仕入れができない
給与支払いが苦しくなる
黒字なのに資金繰りが悪化して倒産する
という事態が起こります。とくに、体力のない小規模店舗や個人経営のお店ほど、そのダメージは計り知れません。
飲食店が今すぐできる3つの対応
業界団体の食団連(日本飲食団体連合会)は、今回の破産を受けて緊急声明を発表し、加盟店に対して次の3点を呼びかけています。
全東信の決済端末の使用を直ちに停止する
未入金となっている売上金を集計する(破産債権として届け出るため)
代替となる決済サービスを早急に導入する
未入金分については、裁判所が定める期間内に破産管財人へ債権の届出を行う必要があります。心当たりのあるお店の方は、まず「未入金額の把握」から始めることをおすすめします。
投資家が学ぶべきこと
私は24年間投資を続けていますが、今回のニュースで改めて感じたのは、
「利益よりキャッシュフローが大切」
ということです。
会社は、黒字でも手元の現金が尽きれば倒産します(黒字倒産)。
反対に、利益が少なくても、現金が十分にあれば危機を生き残れます。
投資における企業分析でも、売上や目先の利益だけでなく、
営業キャッシュフローは回っているか
財務体質は健全か
を見る習慣を持つことが重要です。
今回の全東信も、加盟店数や売上規模だけを見れば巨大なビジネスに見えました。しかし、その裏側では巨額の立替資金を常に自転車操業のように回し続けなければならない、リスクの高いビジネスモデルだったわけです。
数字の裏側を見ることの大切さを教えてくれる事例だったと思います。
💡 まとめ
今回の破産は、単なる一企業の倒産にとどまりません。
「決済」という便利な社会インフラにも、裏側には信用リスクが潜んでいるということを、多くの人に知らせる出来事でした。
飲食店を利用する私たちも、企業へ投資する私たちも、「利益」だけではなく「お金がどう流れているか」を見る視点を持つことが、これからますます重要になりそうです。
投資の世界では昔から、こんな言葉があります。
「利益は意見、キャッシュは事実(Cash is Fact)」
「『Cash is King』という言葉は有名ですが、私が24年間相場を見てきてより本質的だと感じるのは、『Profit is an opinion. Cash is a fact.(利益は意見、キャッシュは事実)』という言葉です。」
今回のニュースは、その言葉を改めて思い出させる出来事だったように感じています。
未来は、準備した者だけのものです🦁
🦁 プロフィール:ふっくん
投資歴24年・外資系企業マネージャー
毎朝の米国株・日本株の相場解説に加え、経済ニュースやビジネスの出来事を「投資家目線」でわかりやすく発信しています。
「ニュースを知る」だけで終わらず、「なぜ起きたのか」「投資や仕事にどう生かせるか」を一緒に考えていきましょう。

