幻のチャーハン
学生の頃によく通っていた中華料理店があった。もうずいぶん前に閉店してしまっているけどオモウマイ店という番組をみると思い出す。もちろん番組で紹介されたわけではないけれど雰囲気が似ているお店が紹介されることがあるから。
その中華料理店はおじさんとおばさんと学生バイト数人で切り盛りしていて、量が多く金額が安い。近くの大学の学生の胃袋の支えとなっていた。
定番のメニューはラーギョーチャーセットというものでラーメンと餃子とチャーハンがセットになっていた。中華料理店で食べたいものTOP3が一度に食べられる夢のようなメニューだった。
その日わたしは、ひどい二日酔いでいつものラーギョーチャーセットが食べられなかった。何を食べようかと悩んでいたときにいつもはないメニューが目に入った。茶色くなっている壁に真新しい紙が貼り付けてある。あきらかに定番メニューではない。
スープチャーハン
いつものチャーハンのまわりにスープがあり湖に浮かぶ島のようになっている。チャーハンの島を崩しながらスープにつけて口に運ぶ。
美味い
いつものチャーハンも美味しいのだけどさらに美味い。雑炊みたいで二日酔いでも食べられる。こういうチャーハンもあるんだと感激した。
その後しばらくしてあのスープチャーハンの味が恋しくなり再び注文しようと思ったのだけどメニューにない。あの辺りに貼ってあったのにと何度も壁を見てもない。
おじさんに「スープチャーハンある?」と聞いても「そんなのはない」という。
どういうこと?
酔いが残っていて自分でスープをチャーハンにぶっかけて食べたのか?そんなわけない。
同じくよく通っていた友人に話をしても「知らない」という。そのうち自分でも本当に食べたのかわからなくなってきた。
湖に浮かぶ島のようなチャーハンを思い出しながら不思議な気分になった記憶。
あのスープチャーハンはなんだったのか
いまだに謎である。
それではまた!
