【#59】映画memo『モディリアーニ!』
スキマからこんにちは。
2作続けて暗い映画を観てしまい、ものすごく気分がどんよりしていたので、適度にユーモアがあって見ごたえのある1本を探しておりました。
ドンピシャの作品でした! ジョニー・デップよ、ありがとう!!
ジョニー・デップ監督最新作
『モディリアーニ!』
※少しでも展開がわかることが嫌な方は、鑑賞後にお読みいただけるとうれしいです。
※トップ画像はイメージです。
あらすじ
ジョニー・デップが1997年の映画「ブレイブ」以来約30年ぶりに監督を務め、芸術家モディリアーニの人生を変えた激動の72時間を描いたドラマ。
1916年、戦火のパリ。イタリア人の画家アメデオ・モディリアーニは才能に溢れながらも批評家に認められることなく、作品も売れず酒と混乱の日々を送っていた。キャリアを終わらせて街を去ろうとする彼を、画家仲間のモーリス・ユトリロやシャイム・スーティン、モディリアーニのミューズであるベアトリス・ヘイスティングスが引き止める。友人で画商のレオポルド・ズボロフスキに助言を求めるモディリアーニだったが、彼の心は混乱するばかりだった。やがてモディリアーニは、自身の人生を変えることになるアメリカのコレクター、モーリス・ガニャと出会う。
「ジョン・ウィック チャプター2」のリッカルド・スカマルチョがモディリアーニを演じ、名優アル・パチーノ、ドラマ「シャンタラム」のアントニア・デスプラ、「ボイリング・ポイント 沸騰」のスティーブン・グレアムが共演。
画家の苦悩がスプーン1杯分ぐらいわかる
画家って、大変なのね……の一言に尽きます。
好きなことをやっているようで、その好きなことで食べていけるかって、また別の話ですもんね。私は絵を描いているわけでもないし、アーティストでも何でもないので、この作品に出てくるモディリアーニやユトリロ、スーティンらの苦しみは推し量ることしかできません。
次元が全く異なる話とはいえ、私も8歳ぐらいから文章を書くことが好きで、もう少し大きくなってからはドラマや映画が好きになりました。結局そのどちらでもご飯を食べていないので(一時期はそうしていたけれど)、気持ちはわからないでもない(『爆弾』、既に懐かしいなw また観たいな)。
才能を信じるって、こんなにも難しい
モディリアーニみたいに才能があっても、批評家や世間に評価されないと、やっぱり自身の才能に確信は持てないものなんだなと実感。
いや、違うのかな。客観的に見て己の作品の価値がわかるからこそ、他人に認められないというジレンマに悩まされるのかな。
ゴッホにテオやヨーがいたように、モディリアーニにもベアトリスやジャンヌといった理解者がいたらしい。本作がどこまで史実に基づいているのかわからないけど、ユトリロやスーティンという優しい友人にも恵まれていた様子。キャリアを捨ててモンパルナスを出ようとするとき、止めてくれる人たちがいてもこんなに苦しいものなんだなと同情してしまいました。
デップの映画愛もビシバシ伝わる
というか、デップよ、あんたお芝居だけじゃなくて監督の才能もあったのか、って驚き桃の木。『ブレイブ』は観ていないので、彼の撮る作品を初めて観ましたが、チャップリンを彷彿とさせるサイレント映像が入っていたりと映画愛が溢れ出ているのを感じました。
私のように映画が好きな人間にとって、「この人映画が大好きなんだな」と感じる瞬間は、とってもうれしくなる。そして、これはデップ自身が優秀な表現者であるからこそできることなんだと思ったけど、自由な表現を追い求める画家の“情熱と苦悩”がリアルに感じられるシーンがたくさんありました。
デップは、美術監督のデイヴ・ウォーレンや撮影監督のダリウス・ウォルスキーが天才だから、自分が指示することなどできないと語っているようです。私は「この人といい作品を作り上げたい(=いい仕事をしたい)」という気持ちにさせるのは、その人自身の魅力であり、それもまた才能だと思います。改めて、ジョニー・デップという人間に興味が湧きました。
楽しさと地獄の間の芸術家を演じること
モディリアーニを演じるリッカルド・スカマルチョのお芝居がそれはもう素晴らしかった。
どことなくモディリアーニの面影が感じられて、周りの女性たちを魅了してしまうキュートさと茶目っ気を持っています。同時に、挫折を味わい、苦境にあえぐ画家の苦しさを存分に伝えてくる。ワイルドさと繊細さを併せ持つ、魅力的な主人公が誕生したなと思いました。
スカマルチョは右利きなのに、左利きのモディリアーニに倣うべく、絵筆を左手で取る練習をして臨んだらしい。役者ってすごいよね。
絵を描く楽し気な様子ももちろん描かれますが、ドラッグやお酒に溺れる負のシーンもあるから、人によっては気持ちが沈んで戻ってくるのがしんどい役でもあっただろうと察するので、それだけでリスペクト!
もう一点。スーティンを演じるライアン・マクパーランドのお芝居も最高でした。キャラクターがすごく面白かったのもあるんですが、「この人、とてつもないぞ」と思ったので書いておきます。忘れないようにw
スカマルチョとアル・パチーノの演技合戦も見逃せません!
観る人を選ぶかもしれないとは思いつつ、楽しかったから、つい長文になってしまいました。美術や人間ドラマ、芸術家のお話が好きな方は必ず楽しめると思うので、よかったら皆さんもぜひ劇場へ!
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