【IR分析 #132】 北越コーポレーション(3865) ーいまの株価は割安か? 「いい銘柄を、安いときに買う」ためのIR情報分析 【2025.3期】
2025/7/19 最新決算をもとに更新しました。前期分の記事は有料部分に残していますので、ご購入いただいた方、メンバーシップの方はご覧いただけます。
「いい銘柄を、安いときに買う」ために、増益傾向で市場評価も安定している「いい銘柄」を選んで、いまの株価が「安いとき」かどうかを分析します。
企業が投資家向けに開示しているIR情報※から、「どんな会社で何がいいのか」を整理したうえで、例年の市場評価を基に割安水準を検証します。
IR情報は事実情報として有益ですが、難解で量も多いので、個人投資家がまず知っておくべき情報をストーリーでわかりやすく簡潔にまとめました。
個人的な予想や見解、銘柄推奨ではありません。
Q1 どんな会社?
紙パルプ事業やパッケージング・紙加工事業を中核とする総合製紙企業である。具体的には、洋紙・板紙、パルプ製品の製造販売に加え、紙器や液体容器の製造加工を手がけるほか、木材事業や物流事業も展開している。1907年に創業し、1949年に東京証券取引所に上場、本社は東京都中央区に所在。
2025年3月期の売上高は3,057億円で、国内印刷・情報用紙が41%、板紙17%、パルプ17%などで構成される。競争力の源泉は、環境問題に先駆けて対応を進めたこと、高付加価値製品の研究開発力、そして大王製紙との戦略的業務提携による物流効率化など多面的な強みにある。
Q2 どんな状況?
国内紙需要の減退と原材料・物流費の高騰が厳しい業界環境を形成している。今後は輸出強化策や海外パルプ市況の回復を活用しつつ、国内販売数量の減少やコスト増加への対応が課題となる。
こうした課題に対し、物流効率化やOEM製品拡充といった戦略的業務提携を推進し、設備投資や成長投資にも積極的に取り組んでいる。今後の経営計画では、環境対応型製品の開発や生産効率向上を重視し、海外市場の拡大も図っていく方針である。
Q3 業績は?

2025年3月期実績:増収増益
売上高は輸出販売の数量・価格上昇や海外パルプ販売価格の上昇が寄与し増収となった。利益面では、原燃料・物流費高騰が営業利益を圧迫したものの、パルプ事業の改善や有価証券売却益などで親会社株主に帰属する当期純利益は大幅に増加した。加えて中国白板紙事業の連結除外も影響した。特別損失の解消も利益改善に寄与している。
2026年3月期予想:減収減益
売上高は国内紙需要の減退と輸出価格低下の影響で減収見込みである。利益面では円高・原油安によるコスト低減効果はあるが、アルパックのメンテナンスコスト負担により営業利益は減益予想。経常利益は持分法投資損益の回復で増益となるが、純利益は減益見込み。米国関税問題はアルパック製品の除外で影響限定的である。
Q4 予想の信ぴょう性は?
株価は「利益(EPS)×市場評価(PER)」で決まるため、まずは利益の要素に注目します。今期予想が例年より積極的か、予想は達成されているか、上ブレしやすいかを見れば、「買うならどのくらいか」を考える手がかりになります。

売上予想の前年実績比▲1%は、過去5期の異例値を除く予想範囲(▲6%~+15%)の下限近くにあり、やや保守的な予想といえる。過去5期の達成度は平均99%で、実績に大きなブレはなく安定している。
純利益予想の前年実績比▲3%は、同じく予想範囲(▲53%~+67%)の中間からやや下寄りに位置し、現実的からやや保守的な予想といえる。達成度は平均120%程度で、実績は上振れ傾向がある。
同社は、売上について慎重な見通しを持つ一方で、利益面では過去の上振れ傾向を踏まえやや楽観的に捉えていると推定される。
Q5 株式市場の評価は?
次に市場評価の要素について、利益との相関性、過小評価の有無、成長期待の高まりを確認することで、「買うならどのくらいか」の判断材料になります。

利益成長と市場評価の相関性を見ると、EPSの上昇時にPERが低下し、EPSの低下時にPERが上昇する逆相関の傾向が見られる。これは、市場が利益の一時的な変動として慎重に評価している可能性を示す。
5期前の2021.3期と直近期の2025.3期を比較すると、EPSは増加しているもののPERは低下しており、市場が利益成長を過小評価している可能性が高い。
直近期末のPERは13.23倍で、20倍を基準とすると割安感が強い水準にある。また、過去5期の安値PER(10.9倍)から高値PER(23.6倍)の範囲内で推移しており、市場の成長期待が特に高まっている兆しは見られない。
最後に、ここまでの分析から、この企業固有の「割安水準の目安」を算出し、最も気になる「買うならどのくらいか?」を整理します。
これにより、現在の株価が割安かどうかの判断がしやすくなります。
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Q6 買うならどのくらいか?
まず、例年の市場評価(PER)のレンジを算出し、その中間水準以下を「概ね安い水準」と見なします。異例値を除外することがポイントとなります。
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