見栄を手放して取り戻した日常
ヤギです。今日は私が些細なきっかけで約300万円のカードローン地獄に陥り、2年半で返済したお話をさせて下さい。
10年ほど前の話なのでうろ覚えな部分もありますがご容赦願います。
些細なきっかけ
社会人になった初めての夏に友人から旅行の誘いがあった時の事です。
当時、私は「社会人になったし、クレジットカードも持ってるから贅沢ができる」という変な思い込みがあり、また断るのも気まずいという思いも手伝って誘いに乗りました。
旅費は友人が幹事として一時的に立て替えたのですが、私はなぜかそれを「すぐに払わなくていい」という解釈をしていました。
当然そんなことはなく、後日に友人から旅費の精算を求められることになりますが、浪費癖のある私に手持ちなどあるはずもなく、カードローンで返済しました。
カードローンや借金の怖さは認識していましたが、他に方法が無く、借り入れる時は「ボーナスで一括返済する」と強く誓っていました。
ATMが『自分の財布』に変わった日
しかし、あまりに簡単にATMから現金が出てくることから、ボーナス支給を待たずに私はあたかも自分の預金口座の様に引き出しを繰り返し、毎月最低額を返済するという道を突き進みます。
よく言われる「利用枠を預金残高だと思い込む」の典型です。
利用状況に応じて引き出し可能枠は引き上がるも、日々の浪費によりどんどん枠は足りなくなっていき、何とかしなければならないと頭の片隅で思いながらも何もしないという日々が続きます。
その間、ローンはあっという間にボーナスで一括返済など出来ない金額まで膨らんでいました。
日常を侵食する恐怖
後から考えても恐ろしかったのは、利用開始から3〜4年目あたりには
①給料日にコンビニのATMで返済する。
②枠が復活するのでそのまま同じATMにカードを差し込みお金を引き出す。
という異様な行動を毎月行うことに全く抵抗を感じなくなっていました。
気づいた頃には日常に溶け込んでしまい、そのまま8年目あたりまで、生活の一環として続けていました。
カードローンは最大で300万円程度まで膨らんでいたと記憶しています。
毎月の5万円返済の大半が利息に充当され、元本は一向に減りません。
返済額を増額したいが、生活レベルは下げたくないという支離滅裂な思考状態でした。
街中の無人契約機の建物から同年代くらいの方が出てくると「俺だけじゃない」と変な安心感を抱くこともありました。
ここまでくると、財布だと思っていたATMに完全に支配されている状態です。
減りゆく自己肯定感と選択肢
家電量販店等で買い物した時のクレジットカードの勧誘も恐怖でした。
申し込んでも審査で落とされることが分かっていたからです。
建前では「カードを増やしたくない」と断るものの、本当は「カードを増やせない」だけです。
店員さんがその建前に深く突っ込んで来ないのが、全てを見透かされているようでした。
この頃の人生の可動域がどんどん狭まっていく感覚は今でも忘れられません。
最後のチャンスと心境の変化
その後、カードローンの事は隠しながらも、交際相手との同棲が始まりました。
家賃を折半したため固定費が圧縮できた反面、絶対にバレない様に返済し続けなければならない生活でした。
同棲初日から隠し事がある事に罪悪感で心が苦しかったです。
早く完済しなければならないという気持ちが一層強まりました。
生活面では外食を減らす、あらゆるサブスクリプションの見直し、買い物は何を買うか明確にしてから出かける習慣をつけ、ボーナスも大半を返済に充てました。
原資確保のため、それまでは借金してまで欲しかったガジェットやブランド品も手放しましたが、不思議なことにしばらくすると未練も何も感じなくなっていました。
自分が何故そんなに執着していたのか、自分の言葉で説明出来ない感覚です。
無駄なことに時間をかけていた事に気づき虚しくもなりましたが、その気持ちがより月々の返済額を引き上げるモチベーションになったと思います。
交際相手が倹約家だったこともとても助けになりましたし、返済時に充当される利息が少しずつ小さくなり元本の減る量が増えていることが心の支えになっていました。
おかげで2年半で完済できました。
地獄の入り口を塞ぐ
完済翌日に端数の返金についてカード会社から電話があり、返金先の口座をお伝えした上でカードの解約をお願いしました。
先方からは「借入れしなければ解約しなくても問題は無い」と提案されましたが、きっかけそのものを断つため、強く解約を申し入れ電話を終えました。
カードはその日にハサミを入れ、テープでぐるぐる巻きにしてからコンビニのごみ箱に捨てました。
コンビニから数歩離れた時、やっと隠し事が無くなったこと、借りる時も返す時もATMの鏡に映る死んだ魚のような目をした自分を見なくて済む、という他の方の当たり前をやっと取り戻せた安心感がこみ上げて来たことを鮮明に覚えています。
なお、交際相手には今も秘密のままですが、平穏な日々を大切にしています。
もしかしたら言わないだけで、薄々気づいていたのかも分かりません。
得られた学び:貧すれば鈍する
自分が下した判断なのでカード会社に一切恨みはありません。
しかしカードローンやリボ払いは私の様に安易に手を出すと、驚くほどの時間と人生の選択肢を奪っていきます。
長い間うしろめたさを感じながら生きていかなければならない可能性もあります。
実際に金融機関が参照する信用情報機関であるCICには、完済しても5年間記録が残り続けます。
家を買うためにローンを組む際に記録が残っていると、たとえ完済していたとしても審査では懸念材料になる可能性もあります。
今は複数クレジットカードを保有していますが、全て一括払い設定にし、現金の代わりとしてしか使用していません。
ネットでもリボ払い等で苦労されている方のお話を目にします。
基本的にはキャッシュアウトを抑えることに変わりは無いと思いますが、
「節約をして生活レベルを下げる」ではなく、
「自分の執着を見直す」と考えた方が心理的なハードルは低くなり、前に進みやすくなるかもしれません。
ダラダラとした長文になってしまいましたが、
最後まで読んでいただきありがとうございました。
