ビアズリーの生涯を130年後に噛みしめる
2025年2月某日
三菱一号館美術館
異端の奇才―ビアズリー
三菱一号館美術館のリニューアル後のスケジュールを見て、行くと決めていたビアズリーの大回顧展。
オスカー・ワイルドの「サロメ」の挿絵とか、いっぺん観たら忘れられない、ただならぬ雰囲気。
なぜか心に残るというかひっかかるというか。
以前、国立近代美術館の「あやしい絵」展でも出展されていて、
紫の「おまえの口にくちづけしたよ、ヨカナーン」Tシャツをゲットしたくらい。
家庭を助けるため昼は事務員として働きながら、夜に蝋燭の灯で作品を描いていたとか。
でも誰かしら支援する人がいたり、チャンスをがっちりつかんでいったとか。
そして25歳で亡くなるまで活動期間は5年くらいだったけど、いっぱい描いたとか。
短いながらも人生いろいろだったビアズリー。
直筆の作品も結構来ていて、ありがとう!ヴィクトリア&アルバート。
第1章 はじまり
出版業者や美術評論家に可愛がられたビアズリー
・オーブリー・ビアズリーの肖像
知り合いのカメラ好きが撮っててよかったね

ものすごく細かい。最初から完成度が高かったんだなあ
物語より物語るわ
・ちっちゃい肖像画もいい味出してる
第2章 初期ビアズリー

アーサー王と怪獣との睨み合い表情の凄みがスゴい
ヒリヒリとした緊張感
・ヤコブス・デ・ウォラギネ著 『黄金伝説』
ウィリアム・モリスのケルムスコット・プレス製
つる草ぐるぐるなデザインとゴージャスな装丁にうっとり
・小間絵的なのもいい
・さりげなく色っぽい人たち
・怪しい仮面のモチーフ登場
・いちじくと孔雀の壁紙、いいよねー当時の摺り?
・ユダの接吻 1893年 血吸うたろか~
・黒がめちゃくちゃ黒い
・ドガの踊り子に見立てたヴィクトリア女王 風刺をきかせつつ
第3章 成功―「ビアズリーの時代」の到来

先進的な芸術雑誌 表情デザイン

滴る血さえ美しい
サロメの恍惚とした表情、実は最初に観たときは男っぽいって思ったけど

頃孔雀の羽をシックな色合いで
なんか羽根の先っちょのハート?のとこがエロく見えてくるような

怪しい雰囲気なのは両性具有的ぽいから? シャヴァンヌリスペクトや日本の影響

孔雀の羽根かと思いきや、性的な暗示が込められている。やっぱりね~

構図といいデザインといい素敵すぎる。


おしゃれ~だけど話の筋とは関係ない


諸悪の根源登場~右下のワイルドとか、蝋燭とか、いろいろとあやしすぎる

前夫の娘へのよこしまな気持ちがだだ洩れ

ついに踊り始めるサロメ なにげにすごいギタリスト

初版でボツになった 諸事情というかうがった見方をして勝手にアウトにしてる気が

そしてスッキリおしゃれヴァージョンに変更された

ヨカナーンの首を手に入れたサロメ 黒が印象的

天にも昇る気持ち、ということなのかしら
ステューディオヴァージョンよりもスッキリこの
左上の丸の重なり具合がぞわぞわする

クライマックスのすぐ後に、死がやってくるとは 王って残酷















第4章 ワイルドの「サロメ」
ワイルドはビアズリーの挿絵を「たちの悪い落書き」って言ったとか。
ワイルドが同性愛で逮捕されて、そのとばっちりでビアズリーがイエローブックから外されちゃったのにねえ。
まワイルドも人生いろいろで、ブイブイいわせてたけど捕まった後は再起できなかったらしい。
ビアズリーの復活は次の章から。
ここではサロメのいろいろ。
ユイマンスが著作の「さかしま」にて、モローのサロメを絶賛する。
ワイルドは愛読者で、モローのサロメがいいなあなんて思っていたかも。

モローのサロメ、なんか好き。独特雰囲気がある
私生活では母親と恋人と穏やかな日々を送っていたのに、絵ではサロメっていうファムファタルなジャンルを築いたってギャップがおもしろい
第5章 制作の裏側

自画像かもしれない
18禁ゾーン リューシストラテー
陰部や男根が露骨だったりするけど、
春画を許容した国・日本の我々にとっては、そんなでもないかも。
もうちょいエログロを期待しちゃってた私。
放屁でアクロポリスを守る女たちはおもしろかった~
でも生活費を稼ぐための「卑猥な絵」として、本人は処分を望んでいたのだそう。残っちゃったけど。
第6章 成熟に向けて
『髪盗み』(1896)や『ヴォルポーネ』(1898)は、チョー細密だったり、洗練された雰囲気だったりして、アクが抜けていい感じになっていった。

直線と曲線のコントラスト

ものすごく細かい。そして品の良いエロスに
いろいろあったけど仲間や支援者はいて、成熟に向かっていたところだったのにねえ。
長生きしていたら、どんな感じになっていたんだろ?
てなことを妄想しながら、ビアズリーの世界にどっぷり浸ったのだった。
●最後にひとこと
こんなにあやしくてエロい画風に、結構な人が押し寄せていた。
みんな意外と好きなんだ!?ってビックリ。
デザイン的にオシャレな感じなので、グッズ狙いの人も多そうだけど。
ということで、グッズのお会計に並ぶこと約2~30分。
なぜかトイレの前の細い廊下をぐるっと回って、階段の上へ列が伸びていた。
長くて寒くてブチ切れそうになったのは私だけ?
ベテランぽいスタッフの人に、レジ増やしたりできないの?とかいちおうツッコミを入れてみたけど「わかりませ~ん」みたいな感じでホスピタリティの精神ゼロだった。
建物はリニューアルしたけど、スタッフのマインドは緩いままなんだな、と痛感した。
せっかくおもしろいもんがいっぱい観られてテンション上がってたのに、
寒さと並ばされた時間が長くて、テンション下がり気味に。残念。
