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狼の友達


お互いを良さをうまく引き出していますね


狼には親友がいます。
誰かと言うとワタリガラスくん。
動物行動学の世界で「オオカミ鳥」と呼ばれるほど、
彼らは実にユーモラスで親密な関係を結んでいます。

ワタリガラスは上空から動物の死骸を見つけると、
大声で鳴いてオオカミを呼び寄せます。
彼らの嘴では大型動物の分厚い皮を裂けないため、
オオカミの強靭な牙に助けてもらうのです。
オオカミが皮を引き裂き食事を始めるとカラスも一緒になって、
獲物の最大3分の1(1日に約900g)もの「おすそ分け」をもらいます。
生態学上の定義では「種間労働寄生」と呼ばれる行動ですが、
お互いの特徴を補い合う、連携プレーと言えるでしょう。

そして、両者の関係は単なる食事のパートナーにとどまりません。
ワタリガラスは若いオオカミに「遊び」を仕掛けるのです。
木の枝を咥えてオオカミの子どもと引っ張り合い(綱引き)をしたり、
背後から近づいて尻尾を引っぱって無邪気にちょっかいを出したりします。頂点捕食者であるオオカミが、
カラスの行動に優しく付き合う姿はなんとも微笑ましいものです。

厳しい自然界の中で、相手の能力を借りて助け合いながら、
時には種を超えて遊び合う。この絶妙なバランスこそ、
進化の過程で生み出された素敵な「友情」のカタチなのだろうと思います。


【出典・一次情報源】

  • ワタリガラスとオオカミの採餌行動における共生および労働寄生

    • Stahler, D., Heinrich, B., & Smith, D. (2002). "Common ravens, Corvus corax, preferentially associate with grey wolves, Canis lupus, as a foraging strategy in winter". Animal Behaviour, 64(2), 283-290.

  • ワタリガラスの知能および異種間(オオカミ)の遊び行動

    • Heinrich, B. (1999). Mind of the Raven: Investigations and Adventures with Wolf-Birds. HarperCollins.

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