ChatGPTの会話が途中だけ消えた、その後|データの中から原稿を救出しました
先日、
「ChatGPTの会話が途中だけ消えた? 同じ経験をした方を探しています」
という記事を書きました。
「ここで話したはずなのに、会話がない」
しかもChatそのものが消えたわけではなく、前後は残っているのに、途中のまとまったやりとりだけが見当たらない。
そんな経験をした方はいませんか、と呼びかけた記事です。
ありがたいことに、たくさんのコメントをいただきました。
似たような経験をした方。
心配してくださった方。
「こういう可能性では?」と情報を寄せてくださった方。
本当にありがとうございました。
あの記事を書いた時点では、私自身も原因は分からず、消えたものを取り戻せるのかも分かっていませんでした。
なので今回は、その後の報告です。
先に結論だけ書きます。
元のChatは戻っていません。
でも、
消えたと思っていた原稿と会話の一部は、ChatGPTのデータの中から救出できました。
「完全解決しました!」とは、まだ言えません。
なぜ見えなくなったのかは分からない。
元のChat画面が元どおりになったわけでもない。
でも、「あったはずなのに、ない」と思っていた会話が、データの中には残っていました。
今回は、そこにたどり着くまでに私が確認したことを、記録として残します。
同じようなことが起きた方の手がかりになるかもしれないし、何より、もし私自身にまた同じことが起きたら、
「あのとき、何やったんだっけ?」
とこの記事を見返せるように。
まず、本当に消えたのかを確認しました
異変に気づいたのは、有料記事を書くために使っていたChatでした。
私はひとつのプロジェクトの中で、アイデアを出したり相談したりするChatと、実際に本文を書くChatを分けています。
前者を「企画室」、後者を「執筆室」と呼んでいます。
その「執筆室」を見返したところ、以前交わしていたはずの会話が、かなり広い範囲にわたって見当たらなくなっていました。
消えていたのは、ChatGPTの回答だけではありません。
私が送った依頼文と、それに対するChatGPTの回答。
しかも一往復だけではなく、まとまった範囲です。
最初は、自分を疑いました。
「別のChatだったんじゃない?」
「どこかへ分岐した?」
「間違えてアーカイブした?」
「私が見つけられていないだけ?」
まずはそこからです。
Windows版のChatGPTアプリだけの表示がおかしい可能性も考えて、Web版でも同じChatを確認しました。
でも、どちらにもありませんでした。
アーカイブも確認しました。
今回はChat全体が消えたわけではなく、ひとつのChatの途中だけが抜けている状態なので、単純にChatそのものがアーカイブへ移動した状態ではなさそうでしたが、一応確認しました。
分岐した可能性も考えました。
それでも見つからない。
そして今回、「たぶん私の記憶違い」で終われなかった理由がひとつありました。
たまたま、別のChatにコピーが残っていた
私は、消えたやりとりの一部を、別の「企画室」にコピーしていました。
執筆室で書いた原稿と、その原稿に対するChatGPT自身のセルフレビューです。
その評価が、私自身の感覚とはかなり違っていたので、
「そんなにいいの? 私はしっくりきてないんだけど」
という感じで、企画側のChatにも見てもらおうと思って貼っていたんです。
結果的に、それがミラーのような役割をしました。
元の執筆室にはない。
でも、別のChatには確かにそのやりとりが残っている。
「私がどこか別の場所で書いたんだっけ」では済ませにくくなりました。
前回の記事を書いたのも、この状態だったからです。
なくなったものを「あった」と証明するのは難しい。
今回はたまたま、別のChatに痕跡が残っていました。
でも普通なら、
「あれ? ここで話したはずなんだけどな」
「別のChatだったかな」
「私の勘違いかな」
で終わってしまってもおかしくありません。
だから、同じ経験をした方がいないか聞いてみようと思いました。
体験者募集の記事を書きました
そこで書いたのが、
「ChatGPTの会話が途中だけ消えた? 同じ経験をした方を探しています」
という記事です。
あのときは、原因を「不具合」と決めつけることもしませんでした。
本当に何が起きているのか、私にも分からなかったからです。
ただ、
「同じ経験をした人はいませんか?」
と聞きました。
すると、想像していた以上にコメントをいただきました。
似たような違和感を覚えたことがある方。
心配して情報を寄せてくださった方。
かなり原因に近いところまで推測してくださった方。
もちろん、コメントが集まったからといって、今回の現象の原因が分かったわけではありません。
同じように見える現象でも、原因が全部同じとは限りません。
でも、「同じ人いませんか?」と呼びかけたまま終わるのも違うなと思いました。
その後、私は何をして、どこまで分かったのか。
今回は、それを返す記事でもあります。
問い合わせのために、状況を整理しました
次にやったのは、状況の整理です。
何が消えたのか。
どこで確認したのか。
比較できるものはあるのか。
いつ気づいたのか。
どの端末で使っていたのか。
対象のChatはどれなのか。
問い合わせをするにしても、
「なんか会話が消えたんですけど」
だけでは、調べる側も困るだろうと思いました。
そこで、
アプリ版とWeb版の両方で見つからないこと
別Chatに同じ内容が残っていること
私の依頼文とChatGPTの回答が、まとまって抜けていること
対象ChatのURL
Conversation ID
利用していた環境
気づいた日時
比較できるスクリーンショット
などを整理しました。
このあたりは、もし同じことが起きたときにも残しておいた方がよさそうです。
原因については、この時点でも分かっていません。
使っていたときの挙動から「これが関係しているのでは?」と疑ったことはいくつかありましたが、それはあくまで私の仮説です。
そして、ChatGPTのデータを書き出してみました
ここから少し、私には未知の世界でした。
画面には出ていなくても、アカウントのデータの中には残っている可能性があるのではないか。
そう考えて、ChatGPTのデータエクスポートを取得しました。
届いたZIPファイルを展開します。
当然ですが、私のChatGPTには大量の会話があります。
全部を一個ずつ目で探すなんて、やっていられません。
そこで使ったのが、対象ChatのURLに含まれているConversation IDでした。
「執筆室①」に該当する会話を、まずIDで特定します。
そして、その会話データを調べました。
……と、こう書くと、ものすごく詳しい人みたいですが。
私はほぼ、何をやっているのか分かっていませんでした。
分からない画面が出てきたらスクリーンショットを撮ってAIに見せ、
「これ、次どうしたらいい?」
と聞く。
言われたとおりに進む。
また分からなくなったら、スクリーンショットを見せて聞く。
ほぼ、その繰り返しです。
結果として、詳しくない私でも救出まではたどり着けました。
ただし、データエクスポートには自分のChatGPTの会話など、個人的な情報が含まれます。
同じ方法を試す場合は、何をAIや外部サービスに渡しているのかを確認しながら、自己責任で行ってください。
今回できた方法を、
「誰でも安全に、必ず復旧できる手順」
として紹介しているわけではありません。
あくまで、私のケースで実際にやったことの記録です。
一本の道だと思っていたら、脇道が残っていた
会話データを見ていく中で、私は初めて知りました。
ChatGPTの会話って、私が画面で見ているように、
私
↓
ChatGPT
↓
私
↓
ChatGPT
と、上から下へ一本の一本道で並んでいるだけではなかったんです。
データの中では、メッセージ同士のつながりが枝分かれする形で保持されていました。
そして、「執筆室①」のデータを調べていくと、
今のChat画面からはたどれない会話のつながり
がありました。
その中を見ていくと。
……あった。
消えたと思っていた会話がありました。
私が書いた指示も。
ChatGPTの返答も。
途中まで書いていた原稿も。
「ピコーン」となった、あのドタバタも。
確かに、そこにありました。
「私、やっぱり話してたじゃん」
という気持ちと、
「あるんかーい」
という気持ちと。
かなりホッとしました。
ただし、ここで大事なのは、
なぜそこにあったのかは分かっていない
ということです。
なぜ別の会話のつながりが生まれたのか。
なぜ通常のChat画面から見えなくなったのか。
いつそうなったのか。
何かの操作が原因だったのか。
システム上の問題だったのか。
そこまでは分かっていません。
なので、ここでは便宜的に「別の枝」と呼びます。
技術的に「こういう仕様です」と断定する意味ではありません。
私が確認できたのは、
画面から見えなくなっていた会話が、エクスポートしたデータの中の別のつながりに残っていた
というところまでです。
消えた原稿を、救出する
存在することが分かったので、次は中身を取り出しました。
そこには、
書き始めていた新しい初稿
私が追加した指示
ChatGPTと相談した内容
記事の冒頭になる会話
その後の執筆に必要だったやりとり
が残っていました。
ただし、そのままでは会話データの断片です。
そこで、内容を勝手に書き換えず、読める順番に整理して、
「執筆室①_救出稿」
を作りました。
救出稿を読み直してみると、これが単なる作業メモではありませんでした。
むしろ、
「ここ、使えるじゃん」
となりました。
結局、救出した部分は、現在書いている記事の正式な序章として使うことにしました。
消えた原稿を探していたら、原稿が戻ってきた。
そこは、素直にうれしかったです。
でも、元のChatが戻ったわけではありません
ここは分けておきたいところです。
今回、救出できたものはあります。
消えたと思っていた会話の一部
執筆途中の原稿
私が実際に出した指示
ChatGPTとの相談
記事作りの経緯
序章として使える文章
一方で、戻っていないものもあります。
元の「執筆室①」の通常画面
以前と同じ会話の並び
そのChatで、そのまま続きを書ける状態
つまり、
元のChatを復元したわけではありません。
今回は、
元のChat画面は戻らなかったけれど、データの中から内容を救出できた
という状態です。
だから、「復旧しました」というより、
「救出しました」
の方が、今のところは正しいと思っています。
同じことが起きたら、私ならここを確認します
もしまた同じようなことが起きたら、私はまず次を確認します。
最初に見ること
アプリ版だけでなくWeb版でも同じか
別のChatと勘違いしていないか
アーカイブに入っていないか
別の分岐や表示がないか
コピーやスクリーンショット、過去の投稿など、照合できるものがないか
記録しておくこと
気づいた日時
最後に正常に見えていた時期
使っていた端末とOS
アプリやブラウザのバージョン
使用していたモデル
対象ChatのURL
Conversation ID
どのあたりが抜けているのか
比較できる別Chatやスクリーンショット
私が救出までにやったこと
ChatGPTのデータエクスポートを取得
ZIPを展開
Conversation IDで対象Chatを特定
通常画面から見えていない会話のつながりを確認
見つかった文章を別文書として保存
今回、私の場合はこれで見つかりました。
でも、何度でも書きます。
データエクスポートを取れば、必ず消えた会話が見つかる、という話ではありません。
今回は、私のケースでは見つかった。
それだけです。
それでも、
「画面にない=完全に何も残っていない」とは限らない場合がある
ということは、今回実際に確認できました。
これは、私自身が次にまた同じ目に遭ったときにも、忘れずにいたいところです。
事故現場は、そのまま残すことにしました
元の「執筆室①」は、もう執筆場所として使わないことにしました。
削除もしません。
事故が起きた場所として、そのまま残します。
今後、表示状態が変わることがあるかもしれない。
あとから照合したくなるかもしれない。
救出した文章がどこにあったのか確認したくなるかもしれない。
なので、
元の表示状態を確認する場所
救出稿の出どころを確認する資料庫
として、凍結です。
そして、原稿と新しい企画設計図を持って、
「執筆室②」
へ引っ越しました。
ついでに、AIとの書き方も少し変えました
今回のログ消失とは直接別の話ですが、引っ越しをきっかけに、執筆方法も少し見直しました。
私は、最初から何もないところに文章を作るより、ある程度できたものを見ながら、
「ここ違う」
「これは好き」
「こっちに行きたい」
と、AIと話しながら育てていく方が得意です。
ところが前の執筆室では、企画設計図をきっちり渡した結果、ChatGPTがその設計図を守ろうとしすぎる場面がありました。
私が途中で違う方向へ書き足す。
設計図とズレる。
するとChatGPTが、その両方を成立させようとして、無理に辻褄を合わせようとする。
これが、なかなか大変でした。
そこで執筆室②では、企画設計図を、
「絶対に守る命令書」ではなく、「最初に持っていく地図」
くらいにしました。
私が本文へ書き加えたものを優先する。
途中で矛盾や重複が出ても、すぐに直さない。
事実の空白を想像で埋めない。
「いらない」と判断して勝手に削らない。
全部が揃ってから、最後に整理する。
そんな、ゆるい縛りに変えました。
今のところ、前よりずっと楽に動いています。
Chatを、唯一の原稿置き場にしない
今回、原稿は救出できました。
かなり幸運だったと思っています。
別のChatにコピーが残っていた。
Conversation IDをたどれた。
エクスポートしたデータの中にも内容が残っていた。
いくつかの条件が重なりました。
でも、もし消えていたのが、まだ文章にもなっていないアイデアだったら。
何気なく話した一言から、
「ピコーン」
と何かを思いついた、その途中だったら。
それをあとから「あった」と証明するのは、もっと難しかったと思います。
ChatGPTとの会話は、原稿ができるまでの使い捨ての足場ではありませんでした。
少なくとも私にとっては、
何を考えたか。
何に迷ったか。
どこで違うと思ったか。
どこで「それだ」となったか。
そこまで含めて、制作記録だったんですよね。
だからこれからは、完成稿だけではなく、そこへたどり着くまでの会話も、
「残しておきたいもの」
として扱おうと思います。
今回の報告分は、言われるままにサルベージをしたので、いつもの手ごね記事ではなく、かなりAIに書いてもらいました。
サルベージ作業も、ほぼAIに頼りきりでした。
頼れる相棒でございます。
レスキュー完了です。
よかったよーー。
そして最後に。
前回の記事で、私の困りごとにいち早くレスポンスをくださったみなみなさま、本当にありがとうございました。
体験談も、情報も、心配してくださったことも、全部ありがたかったです。
「同じ経験をした人、いませんか?」
と投げたままにせず、こうしてその後を返すことができました。
完全解決ではありません。
原因も、まだ分かっていません。
でも少なくとも、
画面から消えていた原稿を、私はデータの中から救出することができました。
もし同じような状態になって、この記事へたどり着いた方がいたら。
今回の私のケースが、何かひとつでも手がかりになればうれしいです。
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