コース特性を語る2026
<コース特性とは>
この言葉は私の作った造語。定義は「コースを様々な観点から紐解いていき、そこから浮かび上がる特徴を拾い上げたもの」です。何となくのイメージや先入観ではなく、確かなデータの裏付けのもと予想を考える客観的ファクターです。
かれこれ十年近く前になりますが、「競馬予想をシンプルに考えよう」と思った時に、最初に浮かんだこと、それは「1番人気の信頼度」でした。当たり前ですが、馬券は1番人気から買えば、当たりやすいもの。過去5年間の1番人気の馬券率はご存知でしょうか。芝は64.1%、ダートは64.6%、約6割の確率で馬券に絡んでいます。そこで「1番人気の信頼度はコースによってどう違うのか、それが分かれば、答えに近づけるのではないか」と考えました。次に、注目したのは「逃げ馬の馬券率」です。「ひたすら逃げ馬を買っていればプラスになる」、この言葉は聞いたことがあると思いますが、「それなら、逃げ馬の馬券率はコースによってどう違うのか」、これも素朴な疑問になりました。そして、三つ目は「上がり最速馬の馬券率」です。ここを探ることで、決め手のある馬に向くコース、向かないコースが見えてきます。この3点からコースを見ると、どんなことが起こるのか。これが「コース特性」の出発点でした。
あとは、ひたすらデータを調べてノートにまとめる作業。と同時にコースに注目した際によく言われる「枠による優劣」「脚質の割合」「コースによる種牡馬成績」「コース巧者の騎手」など、一般的に使われる項目も調べました。こうすることで、はっきりとしたものを示すことができると考えたからです。「新潟直千の大外枠の成績は突出したものなのか」「東京芝2400mの最内枠は本当に有利なのか」など、こういったことは実際に調べて分かること。こんな感じで資料を作っていたのですが、作成中に「ある気付き」がありました。それは「クラスによる違い」です。同じコースでも、新馬、未勝利とオープン、重賞では傾向が違うのではないかと。本屋にある「コース本」は大雑把な分け方で、下級戦(新馬、未勝利、1勝クラス)と上級戦(2勝クラス、3勝クラス、オープン、重賞)のようになっていますが、私はより細かく見るために、新馬、未勝利、1勝、2勝、3勝、オープン、重賞の7分野を調べ、そこでコースによって共通点が多い場合はまとめ、そうでない場合は単独で示すことにしました。これを先ほどの項目とクロスさせました。それが「ひたむきコース特性資料」です。そして、2017年からは新項目「生産牧場」「前走項目」の二つを加えました。この発想は、「1番人気」「逃げ馬」と根本的な考え方は一緒で、馬券で勝つために「社台系は外せない」との思いがあったからです。
<生産牧場リーディング2025>

こちらは昨年の生産者リーディング。15年連続トップとなったノーザンFは2位社台Fにダブルスコア、そして、2位社台Fは3位社台Cにダブルスコア、社台系とされる、社台C、追分F、傘下のレイクヴィラFまでまとめると勝ち星は1170勝となり、獲得賞金は驚異の約300億円(ノーザンF176億、社台F83億、社台C23億、追分F11億、レイクヴィラF6億)。上記5牧場を除いたトップ20(残りの15牧場)の賞金が150億円。これを知ってしまうと、馬券を買う上で「社台系は外せない」というのは言わずもがなでしょう。ではどのコースで社台系が強く、どのコースでは苦手なのか。これが2017年版の新項目でした。ちなみに最新版で明らかになったノーザンFのベストコースは東京2000mでも、東京2400mでもなく、ローカルのあのコース。そこからコース特性資料には「前走項目」を追加したり、2018年には「コース同士の縦と横のつながり」なども記載しました。そして4年前(2020年)の「厩舎力」に繋がっていく訳です。
<2025年の改革(昨年版)>
こうした変遷を辿り、膨大なデータ資料となった「コース特性資料」ですが、一昨年はこれまでの拡大路線から一転、縮小路線へ舵を切ることにしました。理由は「重賞予想に特化するため」。「もっと重賞に寄った情報が欲しい」という思いが湧いてきたからです。余分な項目は減らして「コースの大筋を知りながら重賞予想に生かしたい」と思うようになりました。
<中山2000mコース特性2019>

<中山2000mコース特性2026>

百聞は一見に如かずということで、7年前の2019年版と、最新版(2026年版)を見比べてみましょう。中山2000mは年間約50レース施行され、新馬からG1まで幅広く使われる中山のメジャーコース。2018年版から取り入れたクラス分けの項目は先の理由によりほぼカット、前走項目も簡素化しました。また種牡馬の項目も削除。一方で、騎手は残しました。数字だけでなく有力騎手の得意コースや苦手コースを示すようにしました。ルメール騎手の苦手コース、そう聞かれて答えられる方は皆無でしょう。ちなみにルメール騎手なら中京のあのコースです。
中山2000mの1番人気は表記通り、2019年版は馬券率71%、そして、2026年版は65.7%という感じ。芝レースの平均が64.1%なので、今の中山2000mはほぼ平均レベルということが分かります。逃げ馬の馬券率32.9%は6年前よりも6%アップも、全体で見れば渋め。馬券率30%で厳しいというのは意外に思うかもしれませんが、それだけ競馬において逃げ馬の馬券率は高いという意味でもあります。
話を戻すとして中山2000mの上がり最速馬の馬券率は64.2%、芝全体の値が65.2%なので、こちらは平均を少し上回っています。ラスト3ハロンを最も速く走った馬は6割以上馬券に絡んでいる訳ですから、当然、速い上がりを使える馬というのは大きな武器と言えます。そこに社台系の要素を加味。中山2000mは中山屈指のノーザンFコースとなっています。中山金杯でノーザンFがワンツースリーを決めたのは記憶に新しいところでしょう。
とはいえ、以上のデータは誰でも時間をかけて調べようと思えば出せるもの。ゆえに、ここから先が当資料の売りとなります。そう「厩舎力」&「近パ指数」との関係です。中山2000mに関しては全体で見れば、S~C厩舎が同じように走っていますが、重賞になると一変。一気にS&A厩舎の舞台となります。特に弥生賞、皐月賞、ホープフルSはその色が強く、三年年の弥生賞&皐月賞2着タスティエーラ、皐月賞馬ソールオリエンスは共にA厩舎馬。ホープフルSのレガレイラ、シンエンペラーは共にS厩舎。一昨年の皐月賞馬ジャスティンミラノ、3着ジャンタルマンタル、弥生賞2着のシンエンペラー、ホープフルSのジョバンニはすべてS厩舎。昨年のホープフルS勝ち馬ロブチェンはS厩舎でした。
そして最後の見せ場は「私の主観的見解」。データを基にコースの特徴を掴んだ上で重賞にアプローチしていく。何年間も全重賞回顧をブログにアップしてきた私だから出来る部分。もしかしたら、この部分が最もオリジナリティ溢れるところかもしれません。2025年版からはより充実を図り、全重賞対応資料となりました。今年は2025版の良い部分は残し、新たな見解を加える、まさに秘伝のたれを継ぎ足して、という感じです。
<まとめ>
競馬は色々なファクターからアプローチできるのが魅力の一つ。ただ主観的ファクターはブレやすく、連敗の影響を受けたり、体調面での影響を受けたりしやすいもの。そんな時、予想の羅針盤としてコース資料があれば心強いと思っています。競馬予想は自分で考えて馬券を買うからこそ楽しく長続きする。これが持論です。
以上、コース資料については熱く書かせてもらいました。重賞展望や予想の際にはブログの方で無料公開していきますので、是非、見てもらえたらと思います!
