音楽がはこぶもの
人生で初めて観たオペラは「椿姫」でした。
つまんなくて寝ちゃったらどうしよう。
そんな考えはヴァイオリンの音が響いた瞬間ふっとびました。
なんて美しい旋律なんだろう、舞台はあんなに遠いのにまるで耳のそばで鳴ってるみたい!
序曲で心を鷲掴みにされ、舞台で次々と歌われるアリアや重唱の美しさに魅了されました。台詞にメロディーがついているなんて違和感しかないんじゃないかと心配していたけれど、そんなことはありませんでした。
テレビドラマの見せ場に主題歌がばーん挿入されるといやがおうにも盛り上がりますよね。そこでぐっとくる台詞があったりして。
オペラはその台詞とBGMを合体させちゃったんだなとストンと腑に落ちました。
椿姫の中でも大好きのなのがヴィオレッタ(高級娼婦)が青年貴族アルフレードに告白されてうたうアリア。
いつの日にかとても優しい男性が現れて欲しい、それがアルフレードなのでは?彼となら愛の苦しみと喜び(croce e delizia「クローチェ エ デリツィア」)、愛し愛される喜びを得られるんじゃないかしらと歌うのですが、
そんなことありえない!馬鹿げてる!私は快楽のまま生きるのよ!と頭にもたげた思いを振り切るように歌います。
そこに遠くから聞こえてくるアルフレードの「croce e delizia」と歌う声。46秒あたりからです。
これ絶対思い出しちゃいますよね。アルフレードが愛を告げた言葉も、自分が覚えた胸のときめきも、なんなら彼の力強いまなざしや吐息や体温まで蘇ってきちゃいますよね(私だけ?)
声やことば、そして音楽というのは、そのときの場面や色んな思い、そして感覚を呼び起こさせるものなんだなとこのアリアを聴いて感じたのを覚えています。
これを聴くたびに、ヴェルディは名演出家だわと感動しちゃう。
そんなことを山羊メイルさんのこの小説を読んで思い出していました。
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ここからはネタバレを含みますので、未読の方はぜひ!お読みになってからどうぞ。
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冒頭のパラオが最後そうつながるのか!という驚きと、特にぐっときたのが、パラオに向かう飛行機のなかでフランク・シナトラの「fly me to the moon」が流れてくる場面。
私を月へ連れてって。そして、キスをして
この曲をバックに、パラオに向かう飛行機の中の松村くんの横顔の映像、そこに重なるように 月に吹く風 を見に行った日の出来事、告白したこと、満月の下のキス、手をつないだ帰り道…とか色々がばーんと映像で浮かび上がってきました。“あれから僕たちは同じ月を見ていたのであればいいのだが”という松村くんの気持ちも切ないくらい伝わってきます。胸中想像しちゃう。
ここで「fly me to the moon」を入れてきた山羊さんすごい。
私の中で完全に椿姫案件です。
この曲が流れた瞬間、全てが脳裏に蘇ってきて、涙も流れました。
最初っからこの曲いれるって決めてたんですかね?
ひとりで興奮しております。
乱筆乱文感想文で申し訳ありません。
山羊メイルさん、素敵な小説をありがとうございました。
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最後までお読みいただきありがとうございます。娘のおやつ代にさせていただきます…!
