コンサート備忘録3@2025年夏
今年は三か月に一度のペースで行ったコンサートについて書いていて、予定では今回は七月から九月までのコンサートについて書くつもりなのですが、この三か月のコンサートが全て七月に集中しており、無事に全てのコンサートが終わりましたので、記憶が鮮明なうちに書いておこうと思います。
務川慧悟ピアノ・リサイタル【オール・ラヴェル・プログラム】
長野の八ヶ岳音楽堂で行われたオールラヴェルプログラムのコンサートでした。
以前から行ってみたいと思っていた八ヶ岳音楽堂。務川さんはこちらで何度かコンサートを行っていて、そのたびに行こうかどうしようか迷っていたのですが、今回は大好きなラヴェルなので、思い切って二日間とも行ってきました。
感じたことをうまく文章に出来ないのがもどかしいのですが、ホールそのものも素晴らしく、ホール内の音の響きやホール外の音が聞こえること、ステージの奥がガラス張り(窓?)で外の様子が見えて楽器と演者がまるで景色の一部のように感じられて、時に鳥のさえずりや雨の音が聞こえたりもしてオフィシャルな場なのにプライベートな場のような親近感もあり、一言では言い表せられない魅力に溢れたホールでした。
そのホールで奏でられたラヴェルは、何度もCDで聴いた曲なのに「ああ、この曲ってこういう曲だったんだ」と新たな気づきや感動があり、同じ曲でもその日によってちょっとニュアンスが違ったり、より「務川さんのラヴェル」を感じさせられる演奏でした。
座席は当日抽選で一日目は後ろのほう、二日目は前のほうだったのですが、二日目は足(ペダル)もよく見えて勉強になりました。
リサイタルに行って、お宿でも音源を聴いて、また翌日はリサイタル。わたしにとっては音楽漬けの贅沢な二日間を過ごすことができて大満足。
関東から行くには時間もお金もかかりましたが、行って良かったリサイタルでした。

務川慧悟 × 鈴木織衛 ×神奈川フィル 名曲コンサート
ガーシュインのラプソディー・イン・ブルーとラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲を聴いてきました。
務川君(あえてここでは「君」で)がガーシュインを弾く! ということで、とても楽しみにしていたコンサートでした。
印象的だったのが、とても楽しそうに演奏していたということ。ここはもうお母さん的感覚で「弾く機会を得ることが出来て良かったねえ~」となってしまいました(笑)。
あの超がつくほど有名な印象的なメロディに入る前の超絶技巧のカデンツァが素晴らしかったです。
あと、途中でおもむろに足を組んで弾き始めて、あれはきっと何か彼なりの理由があるんだろうなあ、と。
ラフマニノフのパガ狂は務川さんの演奏で聴くのは二回目で、前回聴いた時より今回のほうが自分としてはしっくりくる演奏でした。
出だしの一音がとても豊かな音で、うっとりしちゃいました。実にエレガント。

務川慧悟 ピアノリサイタル ラヴェル生誕150年記念 ラヴェル ピアノ作品全曲演奏会
全曲演奏会です。全曲ですよ! わたしなんて一曲の暗譜すら大変なのに、全曲です(しつこいです)。
八ヶ岳でもラヴェルは聴きましたが、全曲演奏会となればこれはもう行くしかない、となりまして、仕事を早退して浜離宮朝日ホールに向かいました。
八ヶ岳音楽堂も素晴らしかったですが、こちらのホールは音の響きが本当によくて、一曲目に演奏されたソナチネを聴いて、八ヶ岳でも聴いているはずなのに初めて聴いたような感動を覚えました。
プログラムもよく考えられていて、ご本人にそういう意図があったかはどうかはわかりませんが、聴いている側としては緩急のバランスが良かったように感じます。
ただ。ただ…さすがに長かった。金曜日で一週間の疲れもあり、後半は集中力が切れてしまいぼうっと聴いてしまった曲がいくつか。実にもったいない…。
でもそれもまた「生の演奏を聴く」ということ。集中していても少しうとうとしていてもずっと聴こえている務川さんのラヴェル。ラヴェルにどっぷり浸る3時間はとても幸せでした。
この日のお席はステージに近く、指の動きから体の使い方、ペダルを踏む足先まで、よく見ることができました。この日もいい勉強が出来ました。
それとこのコンサート、プログラムも素晴らしかった。とてもシンプルな作りのプログロムだったのですが、務川さんがラヴェルについて書いた文章があったのです。
目が悪いため家に帰ってゆっくり読もうと思い会場では読まなかったのですが、これはリサイタルが始まる前に読むべきでした。
このリサイタルでひとまずラヴェルは一区切りかと思いきや、10月にはピアノ協奏曲を演奏するコンサートがあります。まだまだ楽しみは続きます。


