応募作品「20世紀エポテック少女 」🗓DAY4
🗓DAY4:
「無添加」と「透明性」の橋
——応募作品(JP+EN+QR)公開
株式会社ミナミ食品と株式会社foriio
の主催運営のコンペ
「CREATIVE BRIDGE AWARD」
ここまでの3日間で、「無添加」「NY進出」「ゆばスープ」をめぐる
情報レイヤーの揺れを見てきました。
4日目は、応募作品そのものを公開します。
このビジュアルは
– 日本語テキスト(Mutenkaの物語)
– QR先のノート(Additive-free / Transparency の翻訳)
(各thread収納)
が不可分の一体として設計された「概念アセット」です。
無添加はゴールではなく入口。
透明性へ続く橋として、どこまで情報を開くことができるのか?
「彼らは『10年後の未来(『海外売上国内比同等)』を語り、
私は『明日の法規制(FDA)』を語る。
その問いを、KVとして描いた
景表法は「一般消費者の合理的選択を阻害するおそれのある不当表示」を禁じる法律で、誤認を招く表示を問題にする枠組み。
https://www.japaneselawtranslation.go.jp/ja/laws/view/5012
そして「無添加」周りは、消費者庁側でも誤認が起きやすい表示として整理が進んでいる(単独「無添加」は特に誤認リスクが高い等)。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/assets/food_labeling_cms201_220330_25.pdf
ただ、「無添加」をテーマ語に置く設計は、説明の欠落があると誤認リスクが上がりやすい。
私はその“揺れ”を観測し、作品として「透明性へ接続するUI」を提案した。
作品タイトルはー
「20世紀エポテック少女 — “安心”の演出」
Ethical × Poetic Observation on “Additive-free”
これは抗議ではなく、観測ログです。
#AdditiveFree
#informationdesign #20thCenturyEpotechGirl

Ethical × Poetic Observation on “Additive-free”
作品コンセプト
岩手・三陸は、海の仕事と食の記憶が折り重なる土地。
店頭のパッケージはしばしば、緑や湯気の“自然らしさ”と「無添加」という一語に安心を集約します。現状は法的表示の“最低限”には適合していても、“望ましい水準”の情報提示には届ききっていない——その境界を観測するのが本作です。
「無添加」が述べるのは添加物という一要素であり、「自然由来」とは同義ではありません。そこで、産地・栽培方針・検査など“上流情報”を、同じ面に並置できるキービジュアルとして提案します。技術の良否を断定するのではなく、情報がどこまで可視化され、どこで途切れるかを見つめ直し、おいしさの絵に“見えない安心”の気配を重ねます。
告発ではなく招待。
無添加=入口、透明性=ゴール。
その関係を一枚で描きます。
※一般論の例:白砂糖は“天然素材由来”でも精製工程を経る。したがって“無添加”でも“自然のまま”とは限らない——ここに日本の無添加慣用表現のほころびが生じやすい。
制作過程の情報整理において、製品パッケージの表示に時期差が見られ、現行では「無添加」の語が前面に用いられていないことを把握しました。かつて前面に置かれた語が静かに退いた、その“変化”を、現実と物語のあいだに生じるわずかなズレとして可視化します。
制作の意図・背景
観測時に「とんでもなくいい素材」という言葉が、産地・つくり手・設計思想といった価値軸を指しているということです。
それはラベルの一語「無添加」と同義ではありません。では、畑(栽培/有機)・遺伝子(BE)・検査(残留/放射性/微生物など)は、どの層で語られるべきか。実務では、これらがラベル外に退避しがちです。
本作は品質断定ではなく、情報設計(UI)の提案です。
「見える/見えない」の二層をつなぎ、“信頼”を情報の羅列ではなく体験として感じられる構造を描きます。
“Additive-free” works as a marketing word in Japanese, but in English it immediately turns into a list.
日本語では一語で安心をつくれても、英語圏では「どの添加物を?どの基準で?」という説明面がすぐに要求される——このギャップを埋めるための器としてUIを置きました。
「創造コンペ」という枠の内側で、表現と商業の境界そのものを主題化し、安心の演出を倫理・表現・商業のあいだに立つポエティックな虚構として観測します。
良心的な企業姿勢がラベルの言葉に先行することはあり得る。
だからこそ、言葉が消えた後の安心をどう継承し、どう伝え直すか——そこにデザインの余地がある、と考えます。
構成要素(UIスキーム)
• 上段:可視層(原材料/量目/アレルゲン)
• 下段:上流層(産地・栽培方針/BEの有無/残留検査/漁場注意)
“主張ラベル”はメーカー基準に依存し得るため、どの定義にも接続できる欄(カラム)をデザインの核に据えます。沈黙していた欄を欄として可視化し、「安心は一語では作れない」ことをUIで示します。“無添加”は日本独自の文化的言語だが、国際基準(ヴィーガン認証・FSSC22000などの透明性)へ橋渡しする。
パッケージ側コピー案
• 「見える原材料。見えない栽培と検査。どちらも、食べもの。」
• 「Additive-free ≠ Evidence.(一般論)」
• 「味だけ?——ラベルの下に、安心の続き。」
• 「無添加は、はじまり。“何が無添加か”まで、好きになりたい。」
引用
「未来を見せるんやったら、隠したもんまでちゃんと見せんと、ほんまの“生活”にはならへんやろ」
—— 日外涼香 『20世紀エコテック少女~名づけられなかった未来~Vol.1』(派生元:zine series)
免責・参考
本作は批判ではなく、概念の更新を目的とする一般的考察であり、特定の企業・商品を指しません。
参考:消費者庁『食品添加物の不使用表示に関するガイドライン』— 不使用表示は対象の明示が望ましいとされ、単独の「無添加」は誤認のおそれが高いと整理されています。
また、現行の実パッケージでは「無添加」の前面強調が後退する事例も見られます。
“無添加”が照らしていた安心は、いま別の灯り(ヴィーガン、由来開示、検査の透明性、衛生・品質マネジメント)へ受け継がれつつある。
ラベルは言葉の化石ではなく、更新される約束である——その更新の瞬間を、可視層/上流層の二段でスケッチする試みで、“次の安心”を設計するビジュアル提案です。
結語(詩的余韻)
——“安心”という言葉が消えたあと、どんな香りが残るのか。
香りの余韻そのものを、観測しつづけたい。
____________
ここまで不可分一体
用語補記/参照
※ “20世紀エポテック少女”:
「エシカル(倫理)」×「ポエティック(詩性)」を、20世紀の技術史・社会史の文脈で再構成した造語。無垢でも無力でもない、問いを抱えた“少女=時代の媒介者”。
※ “無添加”は募集テーマ語として一般論の文脈で扱っています。
実製品表示には踏み込まず、「安心の設計=情報UIの提案」として制作しました。
※「良いものだから説明を要しない」という語り方は、日本国内では成立しても、輸出やオンライン販売では十分でない場合があります。
※ 本作はビジュアルとテキストを不可分一体として成立する作品です。いずれか一方のみを抜き出した再配布・改変・再編集(「安心」「無添加」等の語のみを強調した販促コピー化を含む)について、作者は同意しません。
Day:4 『20世紀エポテック少女』
一次資料リンク倉庫(US / FDA)
[IMPORT / 輸入・輸出の最低限]
🇺🇸 FDA – Importing Food Products into the United States
https://www.fda.gov/food/food-imports-exports/importing-food-products-united-states
🇺🇸 FDA – Prior Notice of Imported Foods(事前通知)
https://www.fda.gov/food/importing-food-products-united-states/prior-notice-imported-foods
🇺🇸 FDA – FSVP At a Glance
https://www.fda.gov/food/food-safety-modernization-act-fsma/final-rule-foreign-supplier-verification-programs-fsvp-glance
🇺🇸 eCFR – 21 CFR Part 1 Subpart L(FSVP本文)
https://www.ecfr.gov/current/title-21/chapter-I/subchapter-A/part-1/subpart-L
[LABELING / 表示ルール]
🇺🇸 eCFR – 21 CFR Part 101(Food Labeling)
https://www.ecfr.gov/current/title-21/chapter-I/subchapter-B/part-101
[MISBRANDING / 誤認表示]
🇺🇸 Misbranding rule (labeling must not be false or misleading)
https://uscode.house.gov/view.xhtml?req=(title:21%20section:343%20edition:prelim)
(“Additive-free / mutenka” claims can be evaluated under this standard.)
※いずれも一般論の参照で、特定商品の品質を示すものではありません。
