3年間続けたフリーランスから再就職したお話 | イラストレーターのリアルな働き方
2022年、私は開業してフリーランスイラストレーターとして活動を始めました。
フリーランスのお仕事は、とても楽しかったです!
でも、フリーランス一本で続けていくのが難しくなり、再就職の道を選びました。
今は、会社員のお仕事を本業として、無理のない範囲でフリーランスのお仕事も続けています。
なぜ、私がフリーランス一本を辞めて再就職したのか
その理由と経緯、再就職してからの心境、展望などをお話ししたいと思います。
この記事は、
フリーランスになるか検討中の方
フリーランスになったばかりの方
フリーランスを辞めようか迷っている方
が、
フリーランスイラストレーターの働き方や良い面、厳しい面を知り、これからご自身がどう動いていくか考える時の判断材料や安心材料になるような内容です!
もしかしたら、フリーランスに希望を持っている方には不安にさせてしまうかもしれませんが、私の経験を糧に役立てていただけたら幸いです…!
フリーランスになったきっかけ
私はゲーム会社に数年勤めた後、フリーランスとして独立しました。
色んなイラストのお仕事がしてみたい
そんな想いがきっかけでした。
フリーランスになるなら、もう後戻りはできない。
自分の年齢を考えると、独立した後の再就職は無理だと思っていたので、腹をくくっていました。
楽しかったフリーランスの活動

会社員ではできなかった経験をたくさんしました。
例えば、営業です。
無名のイラストレーターがお仕事をいただくには、自分を知ってもらうための活動をしなければなりません。
人見知りで自信がない自分が売り込むなんて怖くて無理だと思っていました。
独立前、クラウドソーシングでお仕事をいただけると知っていたので、駆け出しは、それで何とかしようと思っていましたが、それを頼りにするのは厳しいとすぐに気づきました。
それから、急いでイラストのお仕事の受注方法についてネットで調べて、イラスト制作会社のクリエイター登録をしたり、クラウドソーシング以外の業務委託案件が載っているサイトを見つけて、応募してみたり。
それだけでは足りないので、フリーランスの先輩の話を聞いて、クリエイターEXPOの存在を知り、ちょっと悩んだ末、申し込みました。
▼詳しいクリエポのお話はコチラ
クリエポ参加前にいただいた案件もあったのですが、それだけで生活するのは厳しく、会社員に戻ろうかと思い、求人を探していた時期もありました。
でもクリエポに参加したことで、企業案件獲得に繋がり、フリーランスを続けられる希望が見えて、緊張してなかなかできなかった営業にも少しずつ積極的になれました。
営業したことで獲得できた案件やメールでご依頼が来た時の喜びは、会社員時代にはなかった感動でした…!
自分の行動で得られた成功体験がとても嬉しかったです。
さらにステキなご縁のおかげで、絵本「手をつないで歩こう」の出版という大きな夢も叶いました。
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再就職をしようと思った理由

大きく分けて二つ理由がありました。
・お金の不安があったから
・アイデアを活かせるお仕事がしたかったから
まずは金銭面のお話をしますね。
お金の不安があったから
順風満帆は長く続かず、どんどん生活が苦しい状況になっていきました。
半年過ぎくらいまでに何とかしないと…
タイムリミットを計算し、最悪の事態を想像しました。
私が想像する最悪の事態とは、借金をすることと、一人暮らしができなくなることです。
借金は、さらに生活が苦しくなって、やりたいこともできなくなると思いました。
できる限り自分の力で何とかしたいし、もし家賃が払えなくなって、実家暮らしになったら、一人の時間がなくなってメンタルが落ち込んでしまうので避けたかったです。
一人で没頭できる時間が私にはとても大切なんですよね。
※実家暮らしを否定する意図はございません。
私の性格や事情によるものですので、ご理解いただけますと幸いです。
営業のための遠征費や、描く時間を確保するためにご飯を作る時間を削って出来合いのものを買うこと、それ以外になるべくお金を使わないようにしていました。
それをずっと続けると、どうなるのか?
好きなことができなくなってきます。
旅行に行ったり、ゲームを買ったり、本を買ったり、映画を観に行ったり、服を買ったりなど、当たり前に楽しんでいたことを全て我慢しなければならなくなりました。
傘が少し壊れているけど、まだ使えるからと使い続けていましたし、もっと酷いと病院に行くのも渋ったりします。
ここまでお金について悩むことがなかったので、想像以上にメンタルが追い詰められました。
さらに追い打ちをかけるように「自分は売れてないから、もっと頑張ってたくさん描かなきゃ。上手くならなきゃ」と自分が自分を奮い立たせようとしてきます。
どこにも遊びに行けず、家とスーパーの往復だけをして、SNSで活躍されているクリエイターと自分を比べて落ち込む日々。
「それでも描かなきゃダメだ」「営業がんばらなきゃ」と思うけど、今焦って行動しても、すぐに仕事が来る保証がない。
もし依頼が来たとしても付け焼刃で、崖っぷちな状況は変わらない気がする。
そう思うと、コツコツ続ける気にならなくなるという負のループにはまってしまいました。
数ヶ月後にはこの家を出ていかなければいけないかもしれないという不安が襲い、真夜中に目が覚めるくらい眠りが浅い状態が続いて、昼間はまぶたの痙攣が止まらない。
そんな状況でもイラストを描ける人が生き残れる世界だと思うのですが、私は余裕があったり、楽しい気持ちがないと描けない人間でした。
バイトをしてみようとも考えたんですが、過去に飲食の仕事をしていた経験があり、その時に「身体を動かす仕事は向いていない!」と痛感したので、続けられる自信がありませんでした。
デスクワークのバイトもありましたが、まずは大きいプロジェクトの業務委託案件に応募することを優先しました。
こちらに参画できれば、問題ないと考えたのですが、なかなかご縁が繋がらず、タイムリミットが迫って転職活動を始めました。
アイデアを活かせるお仕事がしたかったから
お金の面以外にお仕事内容についても悩んでいました。
その悩みは、アイデア出しもできるお仕事に携わりたいという想いによるものでした。
私は企業案件メインでお仕事させていただいていたのですが、完成イメージが明確に決まっていて、そのイメージを形にするお仕事を多く経験しました。
またクライアントとのやり取りは、制作進行のためのやり取りが中心でした。
(※念の為の補足ですが、全てのお仕事がそうとは限りません)
お仕事は楽しくやらせていただいたのですが、その上でアイデア出しの段階から関われるお仕事をやりたいという気持ちが強くなっていきました。
そう思ってしまうのは、自分が前のゲーム会社でチーム制作をしてきたからだと思います。
「こうすれば、もっとお客さんに喜んでもらえるかも」と考えることが好きなのに、その想いを活かせる機会が限られていました。
崖っぷちだった当時の私の考えですが、アイデアを活かせる案件に出会うためには、トップクリエイターになって依頼をいただくか、大きなプロジェクトの案件に応募するのが現実的かなと考えました。
トップクリエイターには一夜にしてなれるものではないし、大きいプロジェクトの参画についてはご縁がなかったので、残る可能性が高い方法は、企業に所属することでした。
企画に関わりがあるイラスト制作は、上記の二択しかないと思っていましたが、当時は生活面の不安も大きく、視野が狭くなっていたと思います。あとすぐにお仕事が欲しい状態だったので、時間はかけられませんでした。
何故フリーランスを続けられなくなったのか

ここからは、私の反省です。
続けられなかったのは、私に原因があり、改善していれば続けられたかもしれません。
もし今この記事を読んでいるフリーランスに挑戦しようと思っている方の糧になれたら、とても嬉しいです…!
主な原因としては、2つあります。
・先を見越して営業を続けてこなかったから
・単価を上げられなかったから
以下、詳しくお話しますね。
先を見越して営業を続けてこなかったから
私は、前年からもっと必死になって営業していれば良かったと反省しました。
気づいた時には、お金の余裕がなく、都心で行われる商談会や交流会などへ行く遠征費を捻出できなくなっていました。
対面の営業以外には、メールやクリエイター登録などの営業方法があります。
私の場合ですが、それらの営業をして、すぐお仕事がくることは稀でした。
数か月後、半年後にご連絡が来るケースが多かったです。
それが分かっていたのにも関わらず、怠っていたことが一番良くなかったと思います。お金がかからず家でできる営業なのに…。
当時の心境としては、それまで60社以上メールしてお返事をいただけたのが4社、お仕事に繋がったのは1社だったので、消極的になっていたと思います。
メール営業では、ごくごく当たり前のことなんですけどね。
単価をあげられなかったから
ずっと前から、単価について悩んでいました。
単価について悩むのは、描いても描いても暮らしが楽にならなかったからです。
休まずにたくさん描いても最終目標の収入を超えられませんでした。
このままではマズイと思い、単価を上げるにはどんなお仕事を受注すればいいのか考えました。
そこで私は、仮説をたてました。
大きな絵やプロジェクトの中核を担うお仕事の方が、単価の高い案件が多いのではないか。
そのようなお仕事をいただけるようになるには、それらを描けることを示せるポートフォリオと、イラストレーターとしての価値を高めることが必要なのかなと。
ここで言う「大きい絵や中核のお仕事」というのは、メインビジュアル、キャラクターデザインなどのお仕事を指しています。
「イラストレーターとしての価値」というのは、
・オリジナリティがあること
・ファンが大勢いること
・知名度があること
・実績が多くて信頼があること
・イラスト以外の能力(アニメーション、デザインなど)を持っていること
などを指します。
「イラストレーターは人気商売」という言葉はよく聞きますが、まさに私はその壁にぶち当たったのだと痛感しました。
例えば、イラスト発注者が動物イラストが欲しいとなった時、動物イラストが得意なイラストレーターを2人候補に挙げて、どちらも素敵すぎて選べない状況になったら、フォロワー数やいいね数で判断するケースもあると聞いたことがあります。
ファンがいるということは、それだけで広告塔になるから、クライアントにとって魅力的に映るんだと思います。
つまり、イラストの魅力だけでなく、「この人に依頼したい!」と思ってもらえる知名度やファン層を築くことも、仕事を獲得する上で一つの強みになるのではないかと思います。
でも、そのためには1年、2年、3年…
もっと時間がかかると、肌感で分かっていました。
何故そんなに時間がかかるか分かったのかというと、私は以前、半年間、SNSで毎日投稿を続けていたことがあったからです。
その時のSNS投稿の記録を残していたので、伸び具合を大体予測できました。
毎日投稿は無理でも、危機的状況になる前にSNSはコツコツ育てていくべきだったと、今なら思います。
現在は、SNSはのんびり育てていけばいいかなと思っています。フォロワー数やいいね数は大事だけど、それに固執すると疲れてしまうし、イラストの方に心を注ぎたいので。
フォロワーさんや、いいね、RP、コメントしてくださる方の優しさに救われています。とても嬉しいですし、励みになっています…!いつもありがとうございます!
あと私はアニメーションを作れたり、PhotoshopとIllustrator両方で絵が描けることがイラストレーターとしての価値があると思いますが、そこを押し出してアピールするのは少し弱いかなと、当時思っていました。
今は、アピール次第では上手くいったかもしれないと、反省しています。
特に問題だったのは、完成度の高い一枚絵が描けるかをクライアントに示せるポートフォリオではなかったことだと思います。
一度、メインビジュアルのコンペ参加のご相談をいただいていましたが、参加には至りませんでした。
多分メインビジュアルのお仕事は、当時の実力では厳しかったです。
キャラクターデザインの作品は、ポートフォリオいくつか入れていたので、ご依頼のご相談はいただいていました。
ただ、条件が合わず、お仕事になることはありませんでした。
手をかすめるくらいのチャンスはあったのに、しっかり掴めない。
そのチャンスの数も少ない。
ポートフォリオや実力、自分を知ってもらう機会など全てが嚙み合わないままだったから、上手くいかなかったのではないかと、振り返ります。
イラストレーターと一口にいっても、色んな種類のイラストのお仕事があります。そのお仕事に相応しい絵柄があり、競争相手が少ないジャンルのイラストを狙って描くのも一つの手段だと思います。でも、私はマンガやアニメ、ゲーム、Vtuberというジャンルが大好きなので、そのジャンルからは離れられませんでした。その中でも競争相手が少ないところを見つけることもできたのかもと今更ですが、そう思います。
再就職してからの気持ちの変化

現在、再就職して数カ月が経ちました。
希望のお仕事内容と環境で、とても満足しています…!
年齢的に転職は無理だと思っていたので、入社させていただけて本当にありがたいです。
ちなみに再就職のお仕事は、クリエイティブ職です。
ずっと前の会社員時代には、仕事に全力を注いでいたため、休日は休息に充てることが多かったです。
だから、また会社に所属したら、以前と同じような生活になるのかな、長く続けていけるかなと、少し不安もありました。
でも働き方や環境は、会社によって本当に違うのだと、今回転職してみて実感しました。
今は、平日の朝や退社後、休日にBlenderで自主制作ができるくらい余裕のある生活ができています。
(もしかしたらフリーランスの時、休みなく働いていたのが習慣として染み付いているのかも?)
あと、お給料が振り込まれた時は、とても感動しました…!
フリーランスを経験したからこそ、お金の大切さ、働いて稼ぐことの大変さを実感できて、安定した収入が得られる会社員のありがたさを噛みしめています。
来月も再来月も会社で働けば収入があるという安心感は、以前の会社員時代には当たり前すぎて感じられませんでした。
今、とっても大きな喜びと感謝でいっぱいになっています!
金銭面の不安も解消してからは、Azusa TojoさんのBlender Classを受講したり、旅行の計画を立てたり、数年使っていた敷き布団やスマホを買い替えたり、いくつかゲームを買って遊べる余裕ができました。
健康面においても普通に眠れるようになって、まぶたの痙攣もなくなりました。
今後の活動について

再就職した今もフリーランスのお仕事は無理のない範囲で続けていきます。
さらに今までできていなかった個人の創作活動にちゃんと力を入れたいと考えています。
Blenderの講座を受けたのもその一つです。
お仕事とは別にずっと前から「私が描きたいものってなんだろう?」と考えてました。
昔から背景のあるイラストが好きで、心地よい空間に憧れていたので、きっとそれが私の描きたい世界なんだろうと仮説を立てました。
そんな時に3D作品を見て、創作の世界に入り込める感覚がすごくワクワクして、私の求めているものはこれかも!と確信めいた衝撃がありました。
自分が作りたい世界を描いて自分以外の人が好きになってくれるかは分からないですが、ただやってみたいという衝動が今、胸の中でざわめいています。
3Dだけじゃなくて、グッズや本を作ってコミティアやデザフェスにまた出たいなあとぼんやり夢を抱いたり…。
あとは、フリーランスのお仕事もまだやりたいので、3Dを使ったアニメーションでMVを作れるようになりたい夢もあります。
まだまだBlender初心者なので、いつになるかは分からないですが、どの夢も楽しみながら挑戦してみたいですね!
これらの夢を再就職した後も叶えられると思ったから、転職活動にあまり迷いがなかったなあと思います。
まとめ
一番の反省点は、早めにたくさん営業をしなかったから、お仕事が来なくなってしまったことだと思います。
営業を怠ってしまうと、お仕事が来ない。
お仕事がないと、収入がなくなる。
収入がなくなると、余裕のある生活ができなくなる。
余裕のある生活が出来なくなると、メンタルが不安定になり、行動できる選択肢が減る。
という負のループにはまっていきます。
傍から見れば、フリーランスを続けられなかった経験談だと思います。
でも、私は失敗したという感覚はあまりなくて、これからもつづく人生の一部くらいにしか思ってないです。
勇気を出してフリーランスに挑戦して本当に良かったですし、挑戦しなかった方が後悔していたでしょう。
会社での仕事を大切にしながら、無理のない範囲でフリーランスのお仕事や羽倉ぽことしての活動を続けていきます!
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▼note公式Xにてご紹介いただきました!ありがとうございます!
"今は、会社員のお仕事を本業として、無理のない範囲でフリーランスのお仕事も続けています。
— note (@note_PR) August 14, 2026
なぜ、私がフリーランス一本を辞めて再就職したのか"
3年間続けたフリーランスから再就職したお話 | イラストレーターのリアルな働き方|羽倉ぽこ @hanekura_pocohttps://t.co/AhebaxSztJ
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