スピリチュアルが止まらない
スピリチュアル……あれはほどほどにしておいたほうがいいよ。人間が知覚できない高次の世界は存在する。そんなのは当たり前のことじゃないか。
人間は5感のわずかなレンジ内で世界を認識している。アリはレンジの使い方が人間とは違うから、世界を別の認識でとらえている。コウモリもそう。
だから、人間が知覚できないだけで、高次の存在はいる。それで終了でいいのだ。その先のわかりようがないものを追ってどうする?
まあ、現実逃避だ。世の中が間違っていて、自分だけが真実を知っている。そう思わないと生きていけない状態の人がいる。わたしの母がそうだった。
スピリチュアル・ガチな人の占いはこんな感じ(↓)
その状態になったひとは、他人にまでその世界観を強要する。「高次の存在はいる」の先の、わかりようがない部分だ。
わたしの母のような人をターゲットにしたニッチマーケットがあって、商材があふれ返っている。知覚できない世界なんて誰もわかりようがないのに。
それを信じる人は「世の中が間違っていて、自分だけが真実を知っている」のロジックそのものに魅了されているので、自然と他人に布教する流れになる。日常会話が成り立たない。
会話の中に「天使」が出てくる。普通は日常会話に天使は出てこない。それ以前に一方的にしゃべり続けるだけで他人の話を聞かないから、それは会話とは呼べない。
いわゆるエコーチェンバー現象もバリバリ機能した。似たような現象にフィルターバブルがあって、そちらから説明すると、SNSで特定の思想を持った人をフォローすると、その思想に関連した情報ばかりが流れてくる(わたしの場合、歌手のASKAさんをフォローしたら、陰謀論ばかり流れるようになった)。
自分に都合のいい情報ばかりにくるまれて、都合の悪い情報(別の意見)から遮断されるので、いっそう思考が偏る。これがフィルターバブル。危険な現象に見えるが、実はフィルターバブルはそこまで危険ではない。カルト集団に監禁でもされない限り、反対意見に触れないことは不可能だからだ。
本当にやっかいなのはエコーチェンバー現象のほう。たとえば母に「天使なんて実際にいるかどうかわからない。普段の会話でそういう話をしないでくれ」と言ったとする。
そうすると、「ああ、やっぱりわかっていない。わたしが正してあげなきゃだめだ」と、いっそう自分の意見を強固にする。反対意見が自分の思考を強化するネタになってしまう。
当然、家族の会話は少なくなった。話はそこで終わらない。わたしの母は無駄に行動力がある。車の移動中に、自己啓発のカセットテープを流すようになった。
家族の誰かが止めてほしいと言うと、「いいから、聞けーー!!」と切れた。地獄としかいいようがない。人々を幸せにすることを謳った教材が、人々を絶望に陥れる。
本当にスピリチュアルはほどほどにしておいたほうがいい。けっきょくはわかりようのない話なのだから、他人を「説得」するための論理の領分ではなく、他人に「お勧め」する小説の領分なのだ。
だいたいが論点がずれている。高次の存在があるかどうかが問題ではなく、「世の中が間違っていて、自分だけが真実を知っている」と思いこまざるを得ない心理状態が問題なのだ。
母は次第にスピリチュアルなことを言わなくなった。精神状態が良くなったのだろう。今はなぜか70歳を過ぎてプロミュージシャン活動が全盛期だ。
あんなに人に迷惑をかけておいて、わたしより先に「ロックスターになりてえなぁ」を達成してしまっている……。
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わたくし、こういう者です。お名刺を置いておきますね。会社員です。絶賛遅刻中です⚡️
— ロックスター (@rockstar_narite) August 1, 2024
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