いくつもの夏が過ぎてーー
少し大人びた いつかの午後
窓の隙間に 夏風は潜り込んで
棚の奥にずっと しまっていた写真を
意識の外から 目の前に運んでいた
懐かしい夏を 指でなぞってみた
鮮やかなまま 愛し合っていた二人
けれど 少女は姿を消した
残された少年は 何を考えているのだろう
一人分の穴を胸に 少女は秋に攫われていた
いつかの夏の 儚い花火だった
「ただいま ……うん?
写真を見ていたの?」
今年の夏に 花火は咲きそうだ
「なんでもないよー」
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