変革に「正しいやり方」はなかった。自分のスタイルを知るだけでいい。
運命レボリューション Season 14「変革の技術」EP03
「変革する人」というイメージを思い浮かべると、どんな人が出てくるか。
颯爽と行動に移す人。周囲を巻き込みながら一氣に変えていく人。そういうイメージが出てくる人が多いかもしれない。
だが、そのイメージに自分が重ならないとき、「自分には変革は向いていないのかもしれない」と感じてしまうことがある。
それは、変革のイメージが偏っていることから来ている場合が多い。
変革スタイルには4つの象限がある
政治学者のジェームズ・マクレガー・バーンズは、変革型リーダーシップの研究の中で、人が変化を起こすときのスタイルには幅があることを示した。
その軸を二つに整理してみると、見通しが立ちやすくなる。
一つ目の軸は「速度」だ。急進的に変えるか、漸進的に変えるか。
二つ目の軸は「動機」だ。内発的に変えるか(自分の内側から動く)、外発的に変えるか(状況や他者の影響を受けて動く)。
この二軸を組み合わせると、変革スタイルには大きく四つの象限ができる。
急進的かつ内発的。急進的かつ外発的。漸進的かつ内発的。漸進的かつ外発的。
どれが優れているわけではない。どれも変革の形だ。

「大きく変える」だけが変革ではない
変革というと「一氣に変える」「大きな変化を起こす」というイメージが先行しやすい。
だが漸進的な変革、つまり少しずつ変えていくスタイルも、変革の立派な一形態だ。
毎日の会話の中に、小さな問いをひとつ置く。それを積み重ねることで、場の文脈が少しずつ変わっていく。半年後に振り返ると、明らかに違う景色になっている。
急進的な変革が目立ちやすいのは、変化が一点に集中して起きるからだ。漸進的な変革は、その都度目立たないが、後から見ると深く根付いている場合がある。
どちらのスタイルが自分に合っているかを知ることが、無理のない変革の入り口になる。
動機の性質を見てみる
もう一つの軸、「内発的か外発的か」も、自分を知る手がかりになる。
内発的に動く人は、自分の中に問いや違和感が生まれたとき、動き始める傾向がある。誰かに言われなくても、自分の感覚が先に動く。
外発的に動く人は、状況の変化や他者の動きに反応して、変革が始まる場合が多い。これは受動的ということではない。外の刺激を受け取る感度が高く、それを変化の起点にできるということだ。
どちらも、変革の設計には使える性質だ。自分がどちらに近いかを知っていると、変革のきっかけをどこに置くかが変わってくる。
自分のスタイルを使いこなす
スタイルを知ることは、自分の型を固めることではない。
たとえば、漸進的・内発的なスタイルに近い人が、急進的な変革が求められる場面に立つこともある。そのときに「自分はそういうタイプではない」と思い込むのではなく、「今回はどのアプローチで入るか」を選べるようになることが、スタイルを知る目的だ。
Season 13で積み上げた根付きのスタイルと、変革スタイルを重ね合わせてみると、自分の動き方が少し具体的に見えてくるかもしれない。
今日の一手
今、自分が変えたいと思っているものを一つ思い浮かべてみると、そのアプローチの形が見えてくることがある。
急進的に変えるやり方と、漸進的に変えるやり方、どちらが今の自分に合っているかを一言書いてみると、スタイルが少し明確になる場合がある。
どちらか一方が正解なのではなく、「今の自分にとってどちらが動きやすいか」という問いだ。
あなたに聞いてみたい
あなたは変化を起こすとき、急進的に動くことが多いですか。それとも、少しずつ変えていくスタイルの方が合っていますか。
次話へ
自分のスタイルを知った。では、変革の「入り口」はどう見つけるのか。
大きな計画より、システムの中で最も小さな変更で最大の変化を生む「支点」を探す方法がある。Part 1の締めくくりとなる次話では、「てこの支点」の見つけ方を、ドネラ・メドウズの研究から読み解いていく。
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