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てこの支点を見つける。変革は「入り口の選択」が9割だという話。

運命レボリューション Season 14「変革の技術」EP04


変革を始めようとするとき、多くの人は計画から入る。

何を変えるか、どう変えるか、いつまでに変えるか。それを詳しく描こうとすることが多い。

だが実際には、計画を精緻にすることより、「どこから入るか」の選択のほうが、変革の成否に大きく影響する場合がある。入り口を誤ると、どれだけ計画が正確でも、力が分散してしまう。


変化の準備段階を知る

行動変容ステージモデルは、プロチャスカとディクレメンテが研究した、人が変化に向かうプロセスの理論だ。

このモデルによれば、人は変化を「すぐに実行できる状態」にいるとは限らない。「まだ変わろうとは思っていない」段階から、「変化について考え始めた」段階、「準備をしている」段階、「実行している」段階、「維持している」段階というように、段階を踏んで変化に近づいていく。

変革が届かない理由の一つは、相手がどの段階にいるかを確認せずに働きかけてしまうことにある。「実行している段階」の人に向けた働きかけと、「まだ考えていない段階」の人への働きかけは、同じではうまくいかない。


てこの支点を探す

ドネラ・メドウズは、システム思考の研究者として知られる人物だ。

彼女が提唱した「レバレッジポイント」という概念がある。日本語に直すと、「てこの支点」という言葉に近い。

てこの原理では、支点の位置によって、小さな力で大きな物を動かせる。レバレッジポイントとは、システムの中でそれに相当する場所のことだ。わずかな変更を加えるだけで、システム全体に大きな影響が出る。

逆に言えば、支点ではない場所にいくら力を入れても、変化は起きにくい。

変革の入り口を選ぶということは、このてこの支点を見つけることだ。


支点はどこにあるのか

システムの中のてこの支点を見つけることは、最初は難しく感じるかもしれない。

ひとつの手がかりは、「変えたときに最も多くのものが連動する場所」を探すことだ。

たとえば、職場のコミュニケーションを変えたいとき、全員に向けた大規模な研修を設計するよりも、週一回の会議の冒頭に三分間の問いかけを入れるほうが、変化が広がる場合がある。会議は全員が集まる場だからだ。

あるいは、自分の習慣を変えたいとき、行動の数を増やすより、行動が起きる「文脈」を変えることのほうが効く場合がある。行動は文脈に紐づいているからだ。たとえば、スマートフォンを触る時間を減らしたいとき、その都度で我慢するより、スマートフォンを別の部屋に置いておくというように、環境そのものを変えてしまうほうが、無理なく続く場合がある。

「どこを変えると、他のものが連動して変わるか」という問いが、支点を探す出発点になる。


Part 1の締めくくりに

Season 14 EP01から今回まで、変革とは何か、なぜ届かないのか、自分のスタイルはどこにあるか、そして入り口をどう選ぶかを見てきた。

ここで積んだ視点が、Part 2の実践編の土台になる。

変革は壮大な計画から始まるのではなく、「支点の選択」から始まる。この感覚を持ってPart 2へ進んでいきたい。


今日の一手

今、自分が関わっている場で「一番小さな変更で最大の影響が出そうな箇所」を、一つだけ書き出してみると、次の変革の入り口が見えることがある。

答えはすぐに出なくていい。「これかもしれない」という直感を書いておくだけで、次の設計が変わることがある。


あなたに聞いてみたい

変革を試みた経験の中で、「この入り口から入ったのが正解だった」と感じたことがあれば、どんな入り方だったか教えてもらえますか。


次話へ

Part 2「創出編」では、変革を実際に生み出す4つの実践軸を扱っていく。

最初のテーマは「問い」だ。答えを与えることより、問いを置くことが変革の設計になる。次話では、その仕組みを探っていく。


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