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4月7日、母の誕生日と「締まり」のない一日

母の86歳の誕生日。
「偉いぞ!」と声をかける私に、「ありがとう」と微笑む母。
そんな穏やかな時間の裏側で、我が家では小さな「事件」が立て続けに起きていた。
緩んだぬか床、締まりのない味
今朝、仕事へ行く準備をしながら、自家製のぬか漬けをバッグに忍ばせた。
しかし、どうも最近ぬか床の元気が足りない。水分が増えて緩くなり、漬け上がったお新香もどこか「締まりがない味」になっている。
「本物の味」を守るには、手間を惜しんではいけない。
「今日は絶対に、追加の足し糠を買って帰るぞ」
そう心に決めて、家を出た。
鍵を忘れた息子、記憶を紡ぐ母
夜、母との時間を終えて帰宅すると、テーブルの上にポツンと「忘れ物」があった。
息子の家の鍵だ。
慌てて連絡すると、「あッ!」という間の抜けた返事。自分の家をどうやって開けたのかも怪しいものだが、本人は平然と「明日取りに行く」と言う。
86歳の母には「しっかり生きろよ!」と大袈裟なアクションで発破をかけ、
その息子(私)は、締まりのないぬか漬けをバッグに詰め、
さらにその息子(孫)は、家の鍵を忘れて帰る。
なんとも「締まりのない」三世代の連鎖に、苦笑いするしかない。
メンテナンスの帰り道
結局、今日は予定通り「糠」を買って帰路についた。
緩んだぬか床には新しい糠を足し、塩を加え、じっくりと混ぜ合わせる。そうすればまた、キュッと締まった、あの本物の味が戻ってくるはずだ。
家族の関係も、きっと同じなのだろう。
誰かがうっかり鍵を忘れたり、誰かの反応が少しゆっくりになったり。
そのたびに、こうして大袈裟に笑ったり、糠を混ぜるように言葉を交わしたりして、少しずつ「メンテナンス」をしながら続いていく。
86歳の誕生日に、安上がりの笑顔と、高価な勉強代(鍵の取り出し?)と、一袋の糠。
そんなものがごちゃ混ぜになった、忘れられない4月7日が過ぎていく。

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あるといえばある いるといえばいる 闇と音 目を瞑り 深呼吸 貯まることないと思いますが念のため、人のために使います。