時を駆ける文学
こんにちは。
どこかで仕入れた情報を伝って、この本に辿り着きました。
『アドルフ』 バンジャマン・コンスタン作
フランス文学です。
近代日本文学を読み漁る僕としましては、前衛的な本でした。練り込まれた心理描写のオンパレードへ、嵌ってゆきます。
バンジャマン・コンスタンは、Wikipediaの情報によりますと、1767年生まれとのことです。約250年前に活躍されていた作家です。紙とペンを持ち、原稿へ向かっている最中、
『250年後の極東に住む文学壮年へ、自分の本を読ませてやるぞ・・・』
なんて、思いもされなかったでしょう。そこまで計算をされていましたら、それこそファンタジー。
亡き未来に向けて文学を書き上げるって、なんだか小説のネタになりそうだなあ〜〜〜。アイディアの源泉へ、沈めときます。
『アドルフ』内の好きな一節を紹介します。
『・・・一つの新しい欲求が胸の奥に感じられた。この欲求の中に多くの虚栄心があったのは確かだけれど、それは単に虚栄心だけではなかった。おそらく虚栄心は、私が考えていたよりも少なかったのだと思う。人の感情というものは、とりとめのない複雑なものである。それは観察しにくい種々雑多な印象から成っているので、あまりに粗雑であまりに一般的なのが常である言葉は、それらの感情を指示するには役立っても、決して定義するには役立たない』

虚栄心という言葉は、現代ではあまり耳にすることがなく、言葉の存在が希薄になりつつあります。それは、虚栄心の悪魔が、毎日毎日、見えないところで食べているからでしょう。虚栄心の存在が人間の中から消えるように・・・。気付かれないように・・・。
虚栄心がなければ、○○〇〇映えが流行るわけがありません。自分の暗部を、SNSに晒す人は稀有なわけですから。
いやはや、真実はどこにやら。
いや、真実は、意外と近くにいるような気がします。街ですれ違う人、職場、親族の繋がり・・・。川のせせらぎ、海の潮騒、山の音・・・。このようなところに真実が眠っているのではないでしょうか。
書きました小話を、一読頂けますと幸いです。日々のお口直しに。
いいなと思ったら応援しよう!
文豪方の残された名著を汚さぬよう精進します。