【第1回】デイサービス稼働率90%超えの方程式~あなたの事業所の稼働率は?~
先週のキックオフ記事をお読みいただき、ありがとうございます! 今回からいよいよ、本編が本格スタートします。
本題に入る前に、今回初めて私の記事に辿り着いてくださった方もいると思うので、簡単に自己紹介をさせてください!
【筆者プロフィール】
介護の現場に18年身を置き、複合事業所の管理者として13年間、デイサービスの責任者を兼任してきました。 現場の泥臭いマネジメントと経営数値の改善に向き合い続け、稼働率77%だった事業所を、現場負担を増やすことなく「稼働率93%超」まで引き上げた実績を持ちます。
現在は、これまでの現場経験とデータロジックを活かし、デイサービスの業務効率化や経営改善のサポートを行っています。
この連載では、私が18年の現場で培った「現場に無理をさせず、稼働率90%超えを叩き出す経営ロジック」をお届けしていきます!
記念すべき第1回となるテーマは、デイサービスを運営する上で最も大切で、かつ最も現場を惑わせる数値「稼働率」について深掘りしていきたいと思います。
第1章|そもそも「稼働率」の計算、パッとできますか?
まずは基本の「き」からおさらいしましょう。
そんなこと、何を今更!と思われる経営者さんや管理者さんは読み飛ばしてください!
稼働率とは、一言で言えば「定員に対して、実際にお客さまが何人ご利用されたか?」という割合のことです。
※当然ですが、通所だけでなく入所施設でも計算しています。
例えば、定員30名のデイサービスがあると仮定しましょう。
30名ぴったりご利用: 満員御礼!100%
26名がご利用: 26 ÷ 30 = 0.866… つまり86.6%
パッとイメージしやすいように、目標数字で逆算してみるとこんな感じになります。
稼働率 90%: 30名 × 0.9 = 27名
稼働率 80%: 30名 × 0.8 = 24名
稼働率 70%: 30名 × 0.7 = 21名
これが、日々の(単日の)稼働率の計算方法です。
では、私たち管理者や経営者が普段追っている「月間の稼働率」とは何でしょうか? それは、「日々の稼働率の平均(積み重ね)」に他なりません。
例えば、日曜日がお休みの事業所の場合、月30日のうち日曜日4日を引いた「26日」がその月の営業日数になります。
つまり、この月のMAX(100%)の受け入れ可能枠は、 30名 × 26日 =「780名」 となります。
この「780枠」に対して、実際に延べ何名のご利用があったか?
これが「その月の稼働率」の正体です。
ここまでは、きっと皆さんも「うんうん、知ってるよ」と思われるかもしれません。 しかし、ここからが本題です。
多くの管理者が恐ろしい罠にハマっているポイントをお話しします。
第2章|他事業所の管理者に「今月、稼働どんなもん?」と聞くと分かること
現役時代、私がよく他の事業所の管理者にこんな質問を投げていました。
「今月、稼働どんなもん?」
すると、多くの管理者が管理表の画面を開き、そこに表示されている「月間の予測稼働率」を自信満々に答えてくれるんです。
しかし、ここに大きな罠があります。 その画面に出ている数字は、あくまで「何のトラブルもなく月末まで行った場合の予想値」であって、今日の時点のリアルな数値ではありません。
デイサービスの現場は生き物です。
月中に急な入院が入ったり、体調不良による当日キャンセルが発生したり……日が進むにつれて、稼働率は確実に「減っていく」のが現実ですよね。
私が本当に聞きたかったのは、月末の予測値ではなく、
「今日の時点で何%?(月初から今日までの累積稼働率)」 だったのです。
稼働率とは、未来の希望的観測ではなく、「毎日の泥臭い積み重ね(累積の平均値)」でしかありません。
※希望的観測に逃げるのではなく、今日までの現実を見ることが大事です!
第3章|「今日時点の累積稼働率」を弾き出す超簡単な計算式
「今日時点の累積稼働率なんて、計算が面倒くさそう……」 そう思った方、安心してください。計算は超シンプルです。
例えば、今日が今月の営業「10日目」だとします。
10日間のMAX枠: 定員30名 × 10日 = 300名
10日間の実際の延べ利用者数:240名
となれば、計算式はこうです。 240名 ÷ 300名 = 0.8(80%)
「うちの今月10日目時点のリアルな稼働率は、ぴったり80%だな」と、一瞬で現状把握ができます。
この「今日時点のリアルな積み重ね」を把握していないと、「月末になぜか思ったより売上が届かない…」という恐怖の事態に陥ってしまうのです。
第4章|月末に「やばい!」と叫んでも、それは“後の祭り”
ここまで読めば、もうお分かりですよね。
そう、月末時点の予測稼働率なんて、いくら眺めていても意味がないのです。 月末近くになって「やばい!今月70%切りそうだぞ!!」と焦って営業に走ったところで、それは完全に“後の祭り”。
繰り返しになりますが、稼働率とはあくまで「日々の利用者数の平均値」です。
だからこそ、私たち管理者や生活相談員、リーダー層が日々やるべき最優先事項。 それは、「1日の利用者数の高低差をなくし、常に高い平均値に標準化させること」です。
ちょっと、現場の日常をイメージしてみてください。
月曜日
30名(100%・満員御礼!)
➔ 現場スタッフはクタクタ…「お風呂めっちゃ大変!無理!」
火曜日
21名(70%)
➔ スタッフは「あ、今日はちょっと楽だな〜」と感じる
月曜日にせからしく100%を叩き出しても、火曜日に70%まで落ち込んでしまったら、2日間の平均稼働率は「85%」まで薄まってしまいます。
「稼働率を上げ、経営を安定させる」ということは、こうした日々の激しい乱高下をなくし、いかに高い水準で「フラット(安定)」に保ち続けるか、にかかっています。
第5章|数字をブレさせないための「2つの鉄則」と中間チェック
では、日々の高低差をなくすために、現場のリーダーは何に取り組むべきなのでしょうか?
ポイントは大きく分けて2つあります。
「キャンセル数」をいかに未然に防ぐか
イベントや企画で「追加利用」をどう促すか
例えば、本人都合(通院など)で利用者さんが休んだ時、単に「マイナス1名」で終わらせていませんか?
もし「お休みの日の分を来週〇曜日に振り替えましょうか?」と即座に提案し、翌週などに振替利用を組むことができれば、事業所全体の数字としては【±0】に持ち込むことができます。この1打の積み重ねが、月末の数%の差になって跳ね返ってくるのです。
だからこそ管理者は、日々の人数の増減に常に目を光らせ、1週間単位などで「中間チェック」と「軌道修正」を細かく入れていくことが求められます。
おわりに
次回、一番気になる「お金(収入)」の話をします!
今回は、稼働率の本質と「正しい数値の弾き出し方」に全振りしてお届けしました!
……実は、本当はこの後に「稼働率が上がると具体的にいくら収益が上がるのか?」というお金の話まで一気に書こうとしていたんです。笑
ですが、あまりにも長文になってしまいそうだったので、今回はあえてここで区切らせていただきました!
というわけで、次回(来週月曜日)は、今回の話をベースにした「デイサービスの収入(売上)のリアル」を深掘りしていきます。
「利用者が1日来たら、事業所には実際にいくら入ってくるのか?」
「稼働率が10%上がると、年間のキャッシュはどう変わるのか?」
経営者・管理者なら絶対に知っておくべき「数字のカラクリ」を分かりやすく解説しますので、ぜひ楽しみに待っていてくださいね👋
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