Photo by
penpenmaru
〜甘くて、きれいで、少し残酷です〜
🍈
「違うの」
いつもの待ち合わせの喫茶店。
メニューも僕も見ずにクリームソーダを頼み、
緩やかな空調の風に逆らうように、
ハルカは言った。
ミルクティーじゃないんだ?
そう言いかけた時、
「あなたと私は」
僕の背筋が伸びた。
やって来た緑色の、
クリームソーダの香りと相まって、
胸に突き刺さる。
「価値観も」
シャリン、と氷が崩れる。
「何もかも、違うの」
言葉が見つからず、
汗をかいたカップを見つめ続けた。
湿り気が首筋を撫でてくる。
僕も汗をかく。
アイスが溶け始めている。
僕は、頼んだコーヒーにようやく口をつけた。
温かな苦味に僅かな安堵を覚えた。
この湯気で遮ってほしい……
だが、
ストローはまだ円を描く。
「変わるのよ……人は」
「私も……」
「アイス、食べないのか?」
ふわっとよぎる、バニラとメロン。
アイスの溶けきったソーダは、
ミルクティーのように見えた。
緩やかな風が戻って来た。
僕は天井を見た。
プロペラが回ってる……
滲んだ伝票の、
「メロンクリームソーダ」の文字。
僕は店員さんを呼んだ。
「あの……」

「クリームソーダ、もう一つ」
🍨
この「僕」は、
どうも他人とは思えません。
ご覧いただいたお礼に…

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