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ふたりからひとりで飾るおひなさま
幸せかしら桃の香へ聞く


僕には妹が二人いる。

なぜだろうか?
母は僕に…つまり、最初の子に、着せ替え人形のように、
女の子の格好をさせていたようだ。
(アルバムにその写真があった)

女の子を望んでいたのだろうか?

そういう想いからだろうか、
我が家には、団地住まいには不釣り合いな程の
立派なひな飾りがある。
僕と母は妹達と、そして母の為に毎年、
ひな人形を飾り続けた。
何十もの小さな箱から人形や飾りを取り出して、
やがて、妹達も加わって…

その時僕は、世の男性の誰よりも、
ひな飾りに詳しいと、勝手に自負していた。

やがて…上の妹が嫁いでも、
下の妹が一人暮らしで家を出ても、
母はひな人形を飾り続けた。
(僕も手伝うのだが…)

それは、現在まで十年以上も続いている。
最初は分からなかった…
けれど、最近は分かった気がする。


なぜ、飾り続けるのか…



ふたりからひとりで飾るおひなさま
桃の香りに胸を預ける



母と、ひとりの僕は、

今年も小さな箱を開けて…




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