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同じ商品で売上が3倍変わる?顧客の「買う理由」を作る比較対象(フレーミング)の設計図

「うちの商品は競合に比べて強みがないから売れない……」と諦めていませんか?

実は、売れない原因の多くは「商品力」そのものではありません。同じような商品、同じような価格であるにもかかわらず、売上が何倍も違う会社が存在します。その決定的な差を生み出しているのは、商品力ではなく、顧客の頭の中にある「比較対象の作り方(フレーミング)」です。

今回は、顧客の購買心理をコントロールし、商品の価値を正しく、そして魅力的に伝えるためのマーケティング手法について解説します。


■ 人は「絶対評価」ではなく「相対評価」で判断する



まず前提として、人間は物事の価値を「絶対評価」で判断することはほとんどありません。常に何か別のものと比べる「相対評価」で意思決定をしています。

そのため、売れない商品の多くは、価値そのものが低いのではなく、「比較対象の設計」が弱い(あるいは間違っている)と言えます。売り手側が適切な比較対象を提示できていないため、顧客は勝手に「安価な代替品」と比較し、「この商品は高い」と判断してしまうのです。

具体的な事例を2つ挙げて、この仕組みを紐解いてみましょう。


■ 事例1:月30万円のEC運営代行サービス



月額30万円で、ECサイトの運営をまるごと任せられるサービスがあるとします。これ単体で提示されると、多くの企業は「月30万円はちょっと高いな」と感じるでしょう。これは、頭の中で「予算ゼロ(自社でなんとかやる)」と比較しているからです。

しかし、以下のような比較対象を提示するとどうでしょうか。

・EC専門の社員を1人雇うコスト(人件費、採用費、教育費)
・広告代理店へ個別に運用を依頼するコスト
・Web制作会社へ都度デザインや修正を依頼するコスト

これらを総合したコストと比較すれば、月30万円でプロに一括して任せられるサービスは、むしろ「圧倒的に安い(コストパフォーマンスが良い)」と感じられるようになります。


■ 事例2:1本3,000円のサロンクオリティシャンプー



ドラッグストアで売られている数百円のシャンプーと比較されると、3,000円のシャンプーは「高すぎて手が出ない」と思われてしまいます。そのまま売っていては、ただの「高いシャンプー」です。

ですが、この商品の比較対象を「美容室(サロン)でのヘアケア代」に設定したらどうなるでしょうか。

サロンでトリートメントやケアをしてもらうと、1回につき数千円から1万円以上のコストがかかります。しかし、自宅でサロン帰りのような美しい仕上がりが毎日手に入るシャンプーなら、2,000円〜3,000円であっても「サロンに行く回数を減らせるから、むしろ安い」と感じてもらえます。

もちろん、サロンには「プロにやってもらう体験価値」も含まれていますが、顧客が本当に求めている本質的な価値が「綺麗な髪を手に入れること」であるならば、この比較は十分に成り立ちます。適切な比較対象を伝えないまま、普通のシャンプーと同じ土俵で戦うから、価格競争に巻き込まれてしまうのです。


■ 品質を伝えるのは難しいが、価格の比較は簡単である


商品の「品質」や「付加価値」を言葉だけで完璧に理解してもらうのは非常に困難です。しかし、「価格」は数字なので、誰でも一瞬で比較できます。

だからこそ、品質をより高付加価値なもの(専門人材やプロの施術など)と同等にするポジションを取り、それを比較対象として見込み客に明確に伝える必要があります。このポジションが確立できれば、相場より高い価格設定であっても、顧客にとっては「割安だ」と感じてもらえる状況を作ることができるのです。

あなたの商品・サービスは、今、顧客の頭の中で「何」と比較されていますか?

もし「高い」と言われて苦戦しているなら、それは価値がないからではなく、比較の枠組み(フレーム)が間違っているだけかもしれません。ぜひ一度、比較対象の設計を見直してみてください。

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