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バーキーと呼ばれた私 ~16.別れと出会い〜

 ちょうど三度目の中絶を終え、カオリの自粛期間が始まった頃だった。その頃からクリスはほぼ毎日のように、カオリの仕事が終わるくらいの時間帯に、弁当屋の前で待ち伏せしていた。その形相はストーカーそのものだった。

『お願いだから気持ち悪いからやめて!お店の人も迷惑してるんだから!』
「いや、カオリがどっか行かないか心配だから・・」『だから気持ち悪いからやめてってば!警察呼ぶよ!』
「酷いよ・・・心配してるのに・・」
『今から子ども迎えないといけないから今日は帰って!』

 ほぼ毎日のようにこのやり取りをしていた。お店の人は悪びれもなく"カオリちゃんのお友達、気持ち悪いよね"と言われた。あんなのが彼氏だなんて口が裂けても言えない。

 クリスにはだいぶ尽くされた。どれだけカオリが子どもを放置して男遊びを繰り返しても、クリスは優しく迎え入れてくれた。しかし、カオリの心に響かなかった。むしろ逆効果だった。どんどんカオリのストレスは溜まっていく。そしてクリスのストーカー行為はエスカレートしていく。とうとう我慢の限界にきたカオリは、クリスに別れを切り出した。


『ゴメン、もう別れよう。束縛激しすぎてキツい、もう無理!』
「え…俺はカオリの事が心配で…」
『だからそれがウザいんだって!』
「だったら今までカオリに使った分のお金返してよ!百万くらいは使ったよ!」
『今は無理!いつか必ず返す!でも今すぐ別れたいの!』

 クリスには感謝している。お金の面、子ども達と遊んでくれた事。感謝しきれないくらい感謝してる。身体を売る仕事を辞めれたのもクリスのおかげだ。だけど、カオリは誰かに縛られて生きるのはウンザリだった。それに最後に金返せと言われた時は、さすがにカオリも唖然とした。

 あれからクリスから定期的に着信があるがカオリは一回も電話に出なかった。痺れを切らしたクリスは、どこから調べたのか実家にも電話してきた。朝、昼、晩、電話をかけた。頭にきた母が、これ以上電話してきたら警察に言うとクリスを怒鳴った。

 それ以来、クリスの影は見えなくなった。良いことにこれまでの家出はクリスのせいになり、金輪際アイツと会うなと母は言う。そして夜間の外出禁止を命じられた、破ると子どもを施設に送ると。こうして、カオリはしばらく男がいない生活を送った。





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 クリスがいなくなり、カオリは全く男遊びをしなくなった。ちょうどその頃、歩華の小学校の入学準備で忙しくしていた。子供の入学には色々と書かないといけない資料が沢山ある。母子家庭用の控除の申請もある。面倒くさいがカオリは充実感に浸っていた。歩華もとうとう小学生。友達百人作らなくてもいいから、一人でも信頼できる大切な友達を見つけて欲しい。母として、カオリは心からそう願った。

 その頃、アンナは携帯ショップの仕事をしていた。少し前までカオリと一緒に援交をやりながら男と遊びまくっていた、あのバーキーのアンナではなくなっていた。全くの別人になっていた。お互いシングルマザーで男遊びもせず、良好な友好関係を築いていた。

 夏が終わる頃、アンナから今いい感じの人がいると聞かされた。携帯ショップのお客さんらしい。アンナより4つ年下のその男性は"ヨウスケ"という名前だった。今度ヨウスケの友達連れて4人で飲む事になった。必ず朝までに帰るからと、カオリは泣く泣く母に土下座し、なんとか飲みにいけた。久々にアンナと飲む。カオリは楽しみでしょうがなかった。

 この飲み会で、カオリはまた一人の男と出会う事となった。

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