交通事故被害者団体のバトンを繋ぐ ― MTBI仲間の会と共に歩んだ11年
はじめに
はみだしチャンネルOgawaです。今日はちょっとテーマとしては重いのですが、交通事故被害者について話したいと思います。
交通事故に遭ってから11年が経ちました。その時の経験と、今後のこと、特にお世話になった交通事故被害者団体との関わり、そしてその「バトンをどう繋ぐか」について話していきます。
▼記事の元となったYouTube
追突事故との遭遇 ― 100対0の落とし穴
僕の場合は約11年前、信号待ち中に後ろから追突されました。
過失割合で言えば100対0。完全に相手が悪い事故です。
一見「自分は悪くない」状況に見えますが、実際には大きな落とし穴がありました。
自分の保険会社は「過失がゼロ」の場合、示談交渉ができません。結果として、被害者本人が、相手側保険会社という“損害賠償のプロ”と、一人で交渉しなければならない状況に追い込まれます。
事故直後の過酷な現実 ― 気が休まらない日々
事故の翌日から、保険会社・警察・勤務先とのやり取りが次々に襲ってきます。
心も体も傷ついているのに、休む間もなく「対応しなければならない」。
そのストレスが、脳の回復を著しく妨げることを後で知りました。
重症者と軽症者のギャップ ― 皮肉な構造
交通事故被害者団体で学んだのですが、重症者ほど強制的に安静が取れるため脳が休まる一方、軽症と判断された人ほどすぐに日常へ戻され、症状を悪化させやすいという皮肉な現実があります。
僕自身も、当日には帰宅を許されましたが、その後に症状がどんどん悪化。
頭痛・耳鳴り・光過敏・不眠・情緒不安定など、多種多様な症状に悩まされました。
情報の壁 ― 当事者が欲しい情報にたどり着けない
事故直後、必死にネットで調べても、出てくるのは整骨院や弁護士法人の広告ばかり。
本当に知りたい「当事者の実体験に基づく情報」には、なかなか辿り着けませんでした。
Googleの検索では、医師監修がない個人発信は上位に出にくく、当事者の声が埋もれてしまう。
この構造的な問題は、今も根深く残っています。
MTBI仲間の会との出会い ― 理解されるという救い
そんな中でようやく辿り着いたのが、MTBI仲間の会のホームページでした。
自分の症状にぴったり当てはまる情報があり、「ここだ」と思いました。
代表の土屋さんとはSkypeで3時間以上話しました。
初めて「分かってもらえた」感覚を得た瞬間でした。
その後も、医師や弁護士の紹介、春の会・秋の会といった当事者同士の集まりに支えられ、僕はようやく一人ではないと思えるようになりました。
団体の危機 ― 代表の健康と組織の限界
今、そのMTBI仲間の会が岐路に立っています。
代表の土屋さんは重度の後遺障害を抱えながらも活動を続けてこられましたが、治療機器の故障や度重なる手術を経て、現在は強い薬で痛みを抑えるほどの状態です。
それでも、「当事者が救われる場を残したい」という思いで続けてこられた。
その姿に、僕は深く胸を打たれました。
過去の活動と功績 ― “見えない傷”を社会に届けるために
かつて団体は非常に活発で、厚生労働省への陳述書提出や、自治体への啓発リーフレット配布など、全国規模で活動していました。
それらはすべて、代表個人の自己負担で実現されたものです。
国や自治体が「MTBI」という見えない障害に目を向けるきっかけを作った功績は、決して小さくありません。
バトンを受け継ぐ ― 次世代に繋げるために
そして今、僕自身がそのバトンを受け取る立場になりました。
ITやAIの分野に携わっている自分だからこそ、次の形を作れるのではないかと感じています。
新しい支援のかたち ― AIとデジタルの力で記録を未来へ
今の時代には、AIを活用して「経験を知識として残す」方法があります。
たとえば、Google NotebookLMのような仕組みを使えば、土屋さんたちが積み重ねてきた知識やアドバイスをデジタルで保存し、必要な人が必要な時にアクセスできる形にできます。
これは、単なる技術活用ではなく、当事者の知恵を未来へ残すアーカイブづくりです。
それが僕にとっての「次世代へのバトン」だと思っています。
おわりに ― “ひとりじゃない”を次の世代へ
交通事故の被害は、体だけでなく心と社会のつながりも断ち切ります。
だからこそ、同じ痛みを共有できる場所、そしてそこから新しい支援の形を生み出す仕組みを残したい。
MTBI仲間の会が築いてきた「当事者同士の支え合い」を、AIやITを通して次の世代に継いでいく。
それが、僕がこれから取り組む使命です。
この記事は、交通事故被害者支援と団体再生への取り組みを通じて、「見えない傷」とどう向き合うかを記した実体験です。MTBI(軽度外傷性脳損傷)について詳しく知りたい方は、「MTBI リーフレット お住まいの自治体名」で検索してみてください。
▼交通事故被害者団体
MTBI仲間の会 公式ホームページ
▼地方自治体のリーフレットの掲載例
MTBI(軽度外傷性脳損傷)の予防と理解 - 目黒区
