今、何が求められているか ─ 商売の基本を荘子に学ぶ
先日、掃除機を買いましたが、使いそうにない備品がいろいろとついていました。
通常の掃除で使うもの以外は袋に入れてしまっています。
それらを除けば安くなるようにも思います。
もしかしたら、私たちが提供しているサービスにも「これ、いらんなぁ」と思われているものがあるかもしれませんね。
相手のニーズに応えるとはどういうことか?
荘子にこんな話があります。
フナの怒り
荘子がとても貧乏だった頃、ある役人に「お米を貸してほしい」と頼みに行きました。
すると役人は「いいよ。じゃあ数ヶ月後に領民から税金が入るから、その時に大金をドカンと貸してあげるね」と言いました。
今すぐ食べたい荘子にとっては、完全に的外れな返答です。
そこで荘子は、こんなおなじみの皮肉(寓話)で返しました。
「昨日ね、道端の干からびた水たまりで、一匹のフナが『私にひしゃく1杯の水をください、死んじゃいます!』って泣きついてきたんだ。
だから私は言ってやったよ。『よし、わかった! 私はこれから南の国に行って偉い王様に会い、大きな川の水をぜんぶ君のところに引いてきてあげるから、3日くらい待っててね!』って。
そしたらフナは激怒して『そんな先の話をされたら、私はとっくに魚の干物屋に並んでるよ!』って言ってたよ。……ハハハ、今の私の話なんだけどね」
余計なものがたくさん
世の中には余計なもの(機能)が多いです。
例えばスマホ、温水洗浄便座、電子レンジ、炊飯器 etc.
私はおそらく、自分のスマホについている機能で使っているのは1割に満たないかも。
もちろん、他の人には必要な機能もあるのでしょうが、私自身はほとんど使っていません。
温水洗浄便座、電子レンジ、炊飯器なども同じような有り様。
電気製品以外でも、多機能ペン、高機能バックパック、高機能ベッドなど、使いそうにない機能がたくさんついているものがあります。
「それなら買わなければいい」
と言われそうですが、そのうちの一部は使いたいので買ってしまうのです。
親切な売り方
製品やサービスを作る上での事情はいろいろあるとは思います。
それでも親切なのは、顧客が今必要としているものを、必要な形で提供することではないでしょうか。
そのためには、顧客が必要なものだけを選べる売り方も一つの方法です。
不要なものまで買わなくて済みますし、本当に必要なものなら気軽に購入しやすくなります。
しかし、もっと大切なのは、「何を売るか」だけではありません。
「いつ届けるか」です。
どんなに立派な商品やサービスでも、相手が困っているその時に役に立たなければ、その価値は半減してしまいます。
売り手は善意で「あれも付けよう」「もっと良いものを」と考えがちです。
でも、フナが欲しかったのは大河ではなく、今すぐ命をつなぐひしゃく一杯の水でした。
相手が今、本当に必要としているものは何か。
そして、それを今届けられているか。
商売では、この二つを忘れないようにしたいものですね。
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