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「楽しい」を一番に ─ 60代だからと守り一辺倒ではつまらない

私は今、
これまで自分が教えてきたことの「壁」にぶつかっています。

これまで、同世代の相談者にはよくこう言ってきました。

「60代は、過去の蓄積で勝負しましょう」

間違ってはいません。
むしろ、もっとも安全な策です。

60代で大きく勝負して失敗すれば、取り返しがつかないこともある。
実際、80代になってから会社が倒産し、
長年の努力が一気に水の泡になった社長もいました。

私たちも、せっかく60代まで生活を維持してきたのに、
ここで方向を誤り、よく分からない挑戦をして失敗するのは、正直つらい。

『孫子の兵法』でも重視されるのは、

「まず(机上で)勝ちて、しかる後に戦う(実戦に臨む)」

つまり、勝てる戦いしかしないという思想です。

正しい。
正しいのですが……

おもしろみが、ない。


60代とはいえ、
残りの人生を安全運転だけで終えるのは、やはり物足りない。

既存事業を大切にするのは当然としても、
新しい芽を育てなければ、10年後はむしろ危うくなります。
そのときに別の事業を考えても遅いでしょう。

ここで、いったん視点を変えてみます。

人生は、遊びです。


「遊びをせんとや生まれけん」(梁塵秘抄)

思わず笑顔になるような挑戦をしないまま、
人生を終えるのは、少し寂しい。

それは晩年であっても、同じではないでしょうか。

そこで、提案です。

再起動の方向を考えるとき、
順番をこう変えてみてはどうでしょう。

まず一番に、

「自分が本当にやりたいこと」を、
制約条件をすべて外して、無制限で考えてみる


その次に、

それを実現するために、
自分の強みで使えるものは何かを探す


この順番です。

周囲から反対される可能性は高いでしょう。
それでも、自分が明るくなれることを選ぶほうが、
悔いのない人生を送れます。

ただし――
資金面だけは、くれぐれも慎重に。

もっとも、
この世が遊びだとすれば、失敗すら一つのアトラクションとも言えますが。

私たちの頭の中は、
これまでの人生で既成概念がパンパンに詰まっています。

60代は、
それを入れ替える時期なのかもしれません。

理屈より、遊び心。
正解より、納得感。

遊び心で、突破すべし。


私は「孫子の兵法」が専門ですが、
最近は老荘思想のほうが、おもしろくなっていました。

孫子は続けつつ、
これからは老荘にも、もう一歩踏み込んでいくつもりです。

この2つが合わさったとき、
60代の再起動は、より完成度の高いものになる
──そんな予感がしています。

60代は、揺れ動きますね(笑)。
これもひとつの青春ではないでしょうか。

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