🍏音コレ⑳ジャクソン・ブラウン〜誠実さが胸を打つ[ロック][シンガーソングライター][プレイリスト]
「このバス、K駅に行きますか?」
バスから降りようとした僕の肩越しに、一人の外国人が、外から運転手にたずねた👨✈️
そのバスは途中のC駅までしか行かなかったので、僕はバス停で一緒に彼のバスを待った🚌
彼にはバスの行き先の漢字が読めなかったのだ。
待っている間に、二人とも音楽をやっていることが分かり、好きなアーティストの話題になった🎸
その時僕が答えた名前。
それがジャクソン・ブラウンだった🎧
イーグルス「テイク・イット・イージー」(1972年)
「ん?なんだぁこれ?イーグルスの『テイク・イット・イージー』じゃないか?」🙄
その通り。イーグルスです。
でもこの曲を書いたのは、ジャクソン・ブラウン。
同じアパートに住むグレン・フライが、イーグルスというバンドを組んでデビューすることになったので、未発表だったこの曲をプレゼントしてあげたんですよね🎁
"気楽にいこうぜ。
上手くいくかもしれなきゃ、
ダメかもしれないさ。
くよくよせずに、イージーにいこうぜ🎵"
アリゾナの砂漠の中で、車が動かなくなったジャクソン。
女性ドライバーの車をヒッチハイクしようとした。というのがこの曲の歌詞なんですよね🚗(笑)
「テイク・イット・イージー」の大ヒットで、一躍時の人となったジャクソンが、満を辞して発表したのが、
後にウエスト・コースト・ロックの金字塔と呼ばれる『レイト・フォー・ザ・スカイ』(1974年)でした🎧
「レイト・フォー・ザ・スカイ」(キャピトル・シアター、1976年)
"僕が君の中の何を愛し、
君が僕の中の何を愛していたのか知らなかった。
どのくらい僕は眠っていたのか?
どれだけ独りで夜をさまよっていたのか?
移りゆく光の中で、
僕は夜明けの空に置き去りにされたのだろうか?🎵"
アルバムのレコード・ジャケットを見ると、空は明るい青空なのに、シボレーの停まった家は、まだ街灯が点いた夜のままなんですよね。

『レイト・フォー・ザ・スカイ』
(1974年、アサイラム・レコード)
ジャケット画像はレビュー目的の引用です。
※家の前の車は、54年式シボレー
このアルバムは、大ヒットには至らなかったものの、音楽関係者たちから絶賛されます。
そんな周囲の期待の中で、次の作品をレコーディングしている最中に、悲劇は起きたのでした🎧
「我が子よ(ジ・オンリー・チャイルド)」(1976年)
ジャクソンの妻フェリスが、自ら命を絶ったのです。
まだ2歳のひとり息子のイーサンを遺して。
母親を失ったイーサンに贈った曲。それがこの曲でした。
"いいかい、坊や。
君の人生が岐路に立った時にはね、お母さんを大事にするんだよ。
仲間を大事にするんだよ。
そして心のふれあいを大切にするんだよ🎵"
それはまるで、息子のイーサンへというよりも、妻を失った自分自身へ呼びかけているようでした。
そしてジャクソンは、再び歩きはじめます🎧
「プリテンダー」(『Cowntdown』1977年)
"ハイウェイの傍らに家を借り、
毎朝弁当を持って仕事に行き、
夜になれば帰宅して眠り、
朝が来ればまた同じ日を繰り返す。
夢を追いかけた日々もあった。
でも今は、この子のために僕は進んで道化師(プリテンダー)になろう。
主よ、道化を演じるこの僕と、この子に恵みを与えたまえ🎵"

『プリテンダー』
(1976年、アサイラム・レコード)
ジャケット画像はレビュー目的の引用です。
※写真右上の歩行者用信号機が、
「WALK」と示している。
アルバム・ジャケットの「WALK(進め)」のストリート・サイン。
妻の死という悲しい現実を正面から受け止めてたジャクソンは、逞しく歩み出したのでした🎧
「孤独のランナー」(『ノー・ニュークス・コンサート』1979年)
"どこを走っているのか分からないまま、ただひたすら走ってるんだ。
エンプティのまま、走ってるのさ。
脇目もふらず、がむしゃらに走り続けるのさ。
遅れてしまったけれど、
それでも僕は、太陽に向かって走り続けるんだ🎵"
夜明けの空に遅れてしまったジャクソンは、「WALK」のサインに、未来への一歩を踏み出し、
そして再び明日へ向かって、全力で走り始めたのでした🎧
「サムバディーズ・ベイビー」(1982年)
ライブ・アルバム『孤独のランナー』を挟んで、次作『ホールド・アウト』で全米NO.1を獲得したジャクソンは、初めて映画(『初体験リッジモント・ハイ』)の主題歌を作ります🎞️
"誰かのガールフレンドだと思っていた彼女が、実はフリーだったことを知って、今夜こそ彼女にアタックするんだ"という他愛のない青春ソング。
内省的な歌詞の世界が売りのジャクソンが、「テイク・イット・イージー」以来、久々に書いたポップ・ソングが、映画とともに大ヒットするのだから、世の中って分からないものですね😆
お送りしてきましたジャクソン・ブラウン特集。
ラストは、25歳の時に作った歌を、61歳になったジャクソンが、ギター1本で歌うこの曲でお別れしたいと思います🎧
「フォー・エヴリマン」(2009年)
"君はこの現実をのがれて、数人の仲間たちと、どこかに安住の地を見つけようというのかい?
できると思うのなら、やったらいいさ。
いつかは人の助けが必要になる日が来るのだから。
僕は誰も見捨てたりしないよ。
ここでみんなを待ってやるんだ。
ここでみんなを待っているのさ🎵"
あの日バス停で、初めて会った外国人と、僕も一緒にバスを待ったのでした🚌
✍ご意見、ご感想、リクエスト、お待ちしております。(はる風)
