500年目の昼休み
社員旅行で、大きな大樹を見上げた。
ガイドさんが教えてくれた。
「樹齢、およそ500年です。」
500年。
その数字を聞いた瞬間、ふと思った。
「そういえば、うちの部署のみんなの年齢を足したら、500歳くらいになるな。」
数えたことはない。
でも、きっとそのくらいだ。
そんな、どうでもいい計算を始めるあたりが、いかにも社員旅行である。

うちの部署は決して若くない。
その代わり、失敗談も武勇伝も豊富だ。
誰かが失敗すると、
「それ、俺もやった。」
と笑う人がいて、
「私は二回やった。」
と追い打ちをかける人までいる。
そのたびに笑いが起きて、誰も一人では失敗しない。
樹齢500年の大樹には、もちろんかなわない。
それでも、500年分の人生が集まると、一本の木にはない温かさがある気がした。
一本の木は、500年かけて大きくなる。
人は、一人で500年生きることはできない。
だからこそ、仲間と時間を重ね、経験を受け継ぎ、笑い合えるのだと思う。
今日の失敗も、誰かの昔話になり、
今日の笑顔も、いつか誰かの支えになる。
樹齢500年の大樹を見上げながら、
私には、少しだけ自慢したいことができた。
500年は生きられなくても、
500年分の経験を持つ仲間と働けること。
それが、私のちょっと自慢したい話である。

