【論文読んでみた】実践共同体のコアは?
バランスボールで弾んで心も弾み、
勢いで論文も読めちゃう!?かもしれないはるみんです。
今日の一本はこれ。
今井悠資; 松本雄一. 経営学における実践共同体研究の展開と展望. 産研論集, 2024, 51: 65-74.
ひとことで言うとこんな感じ
レビュー論文(先行研究の「これまでのあらすじ」的な論文)でございます。しかも2024年3月の。ありがたい。
実践共同体に関するこれまでの先行研究を俯瞰しつつ、
実践共同体を4つに分類したり、コアとなる要素を分析したりしています。
実践共同体とは?
あるテーマにかんする関心や問題,熱意などを共有し,その分野の知識や技能を,持続的な相互交流を通じて深めていく人々の集団
(Wenge, McDermott, & Snyder, 2002)
すなわち、学習のための共同体ですね。
私は社内の、非公認育児・パートナーシップコミュニティが、
「子どものいる私」の生き方に関する実践共同体だなあと思って、最近実践共同体関係の書籍や論文を読んでおります。
初期の実践共同体研究
産婆さんの見習いが、見習いという立場で産婆さんのコミュニティに入り(共同体に加わる正統性)、ちょっとずつ業務に習熟していく中でコミュニティの中心にいる頃には熟達している(周辺からの参加からの十全参加)という「正統的周辺参加」という概念があるのですが、
こういうコミュニティを実践共同体として初期は想定していたそうな。
仕事の現場=実践共同体、
周辺で参加していたのが、120%の参加になっていく、
それによってアイデンティティも変わっていく、
学習は文字ヅラだけではなく、特定の状況や社会的な文脈の中で行われることで、より効果的に知識やスキルが身につく(状況に埋め込まれた学習)、
「教える人と教わる人」ではなく「共同体」、
・・・といったイメージ。
後期の実践共同体
実践行動体は社会生活のいたるところにある、と考え、学習は具体的な何かを通じて他者と関わりながら文脈を共有し、意味を見出していくことと捉えている。
知識が頭に入った、何かができるようになった、よりもっと相互に関係し合うイメージ。
さらに公式組織は実践共同体を育てるためにサポートすべし、と考えられ、公式の組織と実践共同体の行き来によってより価値の創造がされると考える。
現在は、他の集団と実践共同体の区別が難しくなり、実践共同体の定義が複雑化しているのでは?という問題提起も。
「実践共同体」概念のコアとは
実践共同体の学習とは、アイデンティティ構築をも含む全人格的なもの(単語カードを覚えていく学習とは違う)
実践共同体とは、だれもがどこかの実践共同体に属している
公式組織との関係では、実践について公式組織のコントロール下にあるかどうか(向組織的か)と、とある公式組織内のメンバーだけで構成されているかどうか(組織内か)で、以下の4パターンが考えられる
制度的実践共同体(向組織的✖️組織内):
とくに知識創出の議論の対象になる潜在的実践共同体(向組織的でない✖️組織内):
うちの育児・パートナーシップコミュニティはこれっぽい外部連携実践共同体(向組織的✖️組織外):
特に従業員の内的心理的発達の議論の対象になる独立実践共同体(向組織的でない✖️組織外)
私なりに感じたこと
最近実践共同体関係の論文を読むと、いくつかの切り口でカテゴライズできるんだなということがわかってきて、それによって見えてくる景色が違うんだなあと。
実践共同体がどこにでもあって、ふんわりとした定義になってしまうから(人材開発や組織開発みたいですね)こその研究上の葛藤のように思います。
実践共同体はどうなっていくのが良いのか、どういうふうに公式組織にメリットをもたらすのか(もたらすべきなのか)。
中の人同士で話し合うにはインプットがまだ足りないので、もう少し勉強を続けます!
