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今日のヘーベル : おうち時間と装飾 「板1枚と数千万」

今日のヘーベル。

少し時計の針を戻して、今回は「そもそもなぜ家が欲しくなったのか」という原点の話をしておく。

きっかけは「おうち時間の充実」。

仕事柄、リモートワークが多い。
平日は一日中パソコンやモニターと向き合い、休日も家でのんびりリラックスして過ごす。

そんな家にいる時間が長い我々にとって、当時住んでいた賃貸の環境は限界に近かった。
狭くて、底冷えするほど寒く、冬場の窓は結露でびっしょりになる。「もっとリラックスできる、暖かくて快適な空間がいいね」と話し合ったのが、家づくりの始まりだ。

私の休日の楽しみは、コーヒー。

あえて手回しのミルで、豆からガリガリと挽く。
その不便さが楽しい。
ついでにパンケーキを焼いたりして団欒する時間が好きだ。

とはいえ、豆の産地や焙煎の違いまで分かるような立派な舌は持っていない。

最近はもっぱら無印良品のデカフェ豆を使っている。

普通に美味しいし、何より一番コスパがいい。

味はともかく、コーヒーミルやカップなどの道具には少しこだわって揃えた。

そこで悩んだのが、新居でこれらの道具を「どこに置いておくか」である。

キッチンの壁に板(飾り棚)をつけて、こだわりの道具を並べる。
インスタなどのSNSでもよく見る、いかにも「丁寧な暮らし」を体現したおしゃれなスタイルだ。

しかし、これを実現するには追加で10万近くかかるらしい。

ただの板に10万円。
ちょっといい家具や家電が買えてしまう金額だ。

それに、実用性の壁も立ちはだかる。
オープンな棚に飾れば、絶対にホコリが溜まるからこまめな掃除が必要になる。
地震が来たらお気に入りのカップが落ちて割れるかもしれない。

それならいっそ割り切って、使うたびにカップボードの中にしまうか。
でも、せっかくこだわって集めた道具をすべて見えない場所にしまい込んでしまうのは、少し寂しい気もする。

……そもそも、この「休日に豆から挽く」という趣味自体、いつまで続くかもわからない。 数年後には面倒になって、全自動コーヒーメーカーに買い替えているかもしれないし。

そして、この「装飾と実用性」の葛藤でもう一つ我々を悩ませているのが、「ニッチ」の存在だ。

ニッチとは、壁の一部をくり抜いて(凹ませて)作るディスプレイスペースのことである。
インターホンなどのリモコン類を一箇所にまとめたり、お気に入りの小物や写真を飾ったりする、注文住宅においては一種の定番とも言える仕様だ。

我が家は「ホコリが溜まる」「掃除が増える」という極めてシンプルな理由で、基本的にはこのニッチを全カットする方向で進めていた。

しかし、キッチンの飾り棚も諦め、ニッチもすべて無くしてしまうと、どうなるか。

「せっかくの注文住宅なのに、何の装飾もない、ただののっぺりとした箱になってしまうのではないか」という一抹の寂しさを感じてしまった。
そんな中、唯一生き残りそうなのが「玄関のニッチ」である。
家の顔である玄関くらい、ちょっとした季節のものを飾る空間があってもいいのではないか。
だが、ここでも「本当にずっとオシャレに飾るのか?」「結局、鍵や印鑑が乱雑に置かれるだけの吹き溜まりになるんじゃないか?」という現実の私がストップをかける。

この玄関の壁のちょっとした凹みを作るかどうかで、なんと1ヶ月以上も悩んでいる。
間取りの決定や数千万円のローンといった大枠の話は、担当さんから「決めてください」と言われれば遅くとも翌日には決断してきた。
しかしこの数万の課金には悩み続けている。
「キッチンの板一枚」と「玄関の壁の数センチの凹み」について、これほどまでに結論が出せずにいる。

欲しいなら買えばいい、数千万に対して数万は誤差でしょ、一生の買い物だぞ、という自分と、そんな事言ったら際限がない。一定の制約は必要だ、という自分がいる。

家づくりにおいて、こういうちょっとした「装飾」の部分にこそ、「理想の自分(注文住宅としての彩り)」と「現実の自分(コストや掃除の手間)」のどちらを優先するのか、という根源的な価値観が試されるのだと思う。


悩みに悩んだ飾り棚と玄関ニッチ。結局我々がどうしたのかは、完成した時のお楽しみということにしておく。
続く。

#家づくり
#注文住宅
#ヘーベルハウス
#マイデッサン

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