見出し画像

今日のヘーベル : マイデッサンのトイレ「制約と高齢者等配慮対策等級」

今日のヘーベル。

トイレのあれこれ。 

家の中で、布団の次に人が長く滞在する場所。それがトイレである。

諸説あるが、統計によれば人は1日に約15〜20分、生涯に換算すると約1〜3年もの時間をトイレの中で過ごすと言われている。
睡眠時間を除けば、これほど毎日確実に利用する密室も他にない。その利用時間に対するコスパを考えると、トイレ空間への課金は非常にパフォーマンスがいい投資と言える。

我が家ももれなく、高級ホテルのようなシンプルでシックなトイレにしたく、インスタで膨大な事例を収集してイメージを固めていた。

が、ここで立ちはだかったのが「マイデッサン」の制約である。
まず、収納の棚。

我々は壁にシンプルな一枚板を渡し、そこにおしゃれな収納ケースを置くようなミニマルな構成を考えていたのだが、「扉付きの備え付け棚が必須」と告げられた。(これで約3万円。各フロア足して計6万円の出費)

さらに、その標準の棚はよくある真っ白な塩ビ素材で、どうしても生活感が出る。これをウッド調のオシャレなものに変更しようとすると、追加で約5万円かかるとのこと。

次に、手すり。

マイデッサンというパッケージ商品は、「高齢者等配慮対策等級」という一定の住宅性能基準を維持する設計になっている。

これは品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づくもので、簡単に言えば「将来、高齢になっても安全に暮らせるバリアフリー基準を満たした家ですよ」という国のお墨付きのようなものだ。
これがあることで税制優遇などが受けられるメリットもあるのだが、この基準を満たすためには「トイレの手すり設置」が必須であり、絶対に取り外せないというのだ。(これで約1万円。各フロアで計2万円)

ホテルのようなミニマルな空間に、無骨な手すりはノイズでしかない。

どうにか手すりがなくても性能基準を満たせないか、私は国の示す法律やガイドラインを徹底的に調べた。

「手すり」という名称ではなくとも、耐荷重100キロに耐えられる頑丈なトイレットペーパーホルダーを見つけてきて、これを手すりの代わりとして申請できないか、なんていう抜け道まで本気で検討した。

しかし、現実は非情である。

結果的に、欲しくもないもの(扉付きの棚と手すり)が強制的についてきて10万円単位の予算を削られ、さらに求めていたミニマルな空間まで破壊されることになった。
無念である。

だが、漫画『アイシールド21』の蛭魔妖一はこう言っている。
「ないものねだりしてるほど暇じゃねえ。あるもので最強の闘い方を探ってくんだよ。一生な」

嘆いていても仕方がない。気を取り直し、与えられた手札(制約)の中で最善を尽くすことにした。

まず採用したのが、細長いすらっとしたスティック型のリモコン。

標準だと、壁に大きくて白い正方形のボタン式リモコンが付いてくるのだが、これを高級ホテルにあるようなスタイリッシュな細長いやつに変更した。1個プラス2万円程度なので、2フロア分で4万円の課金。

見た目の問題でしかないが、このボタン一つがホテルのような洗練された雰囲気を生むと言っても過言ではないと信じ、採用した。

次にアクセントクロス。
今は良くても柄物はいつか飽きが来るかもしれないということで、無地を選択。トイレでは落ち着きたいので、壁紙はなるべくダークな色にしたかった。

しかし、ここでまた制約が牙を剥く。
強制設置となった「真っ白な棚」や「ウッド調の手すり」とのバランスが保てない。
壁を黒くしてしまうと、白い棚や木の手すりが強烈に悪目立ちしてしまう。

整った空間のようには感じられず、結果として、それらがギリギリ浮かない「グレー」の壁紙に落ち着いた。

忘れてはいけないのが照明。
ここで昼白色(白い光)を選んでしまうと、一気に実家のような生活感が出て雰囲気がぶち壊しになる。

掃除の時に汚れが見えづらいという実用面でのリスクを抱えつつも、ここは温かみのある電球色を採用した。

夜、トイレに起きた時も電球色なら眩しくないだろう、というもっともらしい理由も後付けしておく。

そして最後に、コンセントの位置。 

見えやすい位置につけてしまうと、ウォシュレットの配線コードがだらしなく垂れて見えてしまう。
そのため、コードがなるべく便器の裏に隠れるよう、コンセントの配置をミリ単位で指定した。

完全納得のいく理想通りのトイレにはならなかったものの、まあ仕方がない。

おかげで、高齢者配慮性能の国のルールや耐荷重100キロのペーパーホルダーにはとことん詳しくなりました。

続く。

#家づくり
#注文住宅
#ヘーベルハウス
#マイデッサン

いいなと思ったら応援しよう!

彩田レオ ありがとうございます。いただいたチップは子供のミルク代にさせていただきます。