今日のヘーベル : ペアローン•変動金利•投資 「50年のレバレッジ」
今日のヘーベル。
資金計画の全貌が見え、次に取り組むべきは「いかにしてその大金を調達するか」、つまり住宅ローンの選定である。
我が家は、ヘーベルハウス提携の「50年ローン(ペアローン)」を選択した。
50年ローンと聞くと、大抵の人は「死ぬまでローンを払い続ける地獄の契約」と青ざめるかもしれない。
私自身、少し前まではそう思っていた。
しかし、感情を排して計算機を叩き、現在の日本のマクロ経済を俯瞰すると、これが「最も経済合理性の高い選択」であるという結論に行き着いた。
まず、直接的な選定理由について。
シンプルに金利が安いことに加え、提携ローンの最大のメリットである「ローン代行手数料が無料になること」が大きかった。
通常、ネット銀行などで借りると数万円〜10万円ほどの手数料を取られる。
我が家は夫婦で借り入れる「ペアローン」を採用しているため、この手数料も単純計算で2倍になる。 ここがゼロになるのは、地味だが非常にありがたい恩恵だった。
では、なぜ35年ではなく「50年」という最長期間で借りるのか。
理由は大きく2つある。
**1. 低金利で借りて、投資の利鞘(スプレッド)を抜くため**
50年に期間を延ばせば、当然ながら毎月の返済額はガクッと下がる。
ここで浮いた現金で繰り上げ返済をするのではなく、そっくりそのままインデックス投資に回す。
現在の日本の変動金利は非常に低い。
仮に金利が1%未満だとして、インデックス投資の期待利回りが堅く見積もって4〜5%だとすれば、その差額(利鞘)だけで十分にプラスになる。
長期間、低利で「他人資本(銀行のお金)」を使って資産を運用できる最強のレバレッジ、それが現在の住宅ローンと理解した。
**2. 日本のマクロ経済的に、急激な利上げは困難であるという予測**
変動金利で50年も借りて、もし金利が爆上がりしたらどうするのか。当然の疑問だ。
しかし、マクロの視点で見ると、日本が欧米のように急激な利上げに踏み切ることは構造的に極めて難しいとみている。
まず、日本政府自身が莫大な借金を抱えている。
金利を上げれば、国が払う国債の利払い費が天文学的な数字に跳ね上がり、国家予算が破綻してしまう。
さらに、現在日本で住宅ローンを組んでいる人の約7〜8割が「変動金利」を選択していると言われている。
ここで無慈悲な利上げを行えば、数百万世帯の家計が一瞬で火の車になり、消費は冷え込み、政権はあっさり吹き飛ぶだろう。
つまり、政府も日銀も「利上げをしたくても、国民(と自分たち)の首を絞めるからできない」というジレンマを抱えているのだ。
とはいえ、投資にも人生にも「絶対」はない。
ワーストシナリオも想定しておく必要がある。
我が家にとっての最大のリスクは、日本経済が奇跡のV字回復を果たすことである。
賃金が右肩上がりに上昇し、健康的なインフレが定着し、日銀が「もう大丈夫だ」と安心してガンガン利上げを断行できるような、教科書通りの好景気がやってきた時。
その時こそ、我々変動金利組は本当のピンチを迎える。
特に最近はその雰囲気が醸成されつつあり、このシナリオが現実の元となる恐れもある。
まあ、その時は経済全体が潤っているはずなので、我が家の給料や投資信託の評価額も上がっていると信じたい。
最後に、50年ローンを選んで思わぬ副産物があったことも記しておきたい。
家を買うと、周囲から「新築注文住宅なんてすごいね!」「いい家買ったね!」と持ち上げられる場面が増える。
普通なら返答に困り、嫌味にならないよう必死に謙遜の言葉を探すところだが、今の私には最強の盾がある。
「いやいや、50年ローンだからね。死ぬまで借金生活だよ……」
こう返すだけで、相手の羨望の眼差しは一瞬にして「同情」へと変わり、嫌味なく場が丸く収まるのだ。
この絶妙な謙遜のカードを手に入れただけでも、50年ローンにした価値はあったのかもしれない。
続く。
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