第47話『静かな人だと思っていた。』―そんな日は、長く続かなかった。―

初めてS君が店に来た頃。

背が高くて、サングラスをかけていて、一見するとちょっと近寄りがたい。

カウンターに座ると、サッカー雑誌を読みながらコーヒーを飲んで帰る。

口数も少なく、

「静かな人だな。」

それが最初の印象だった。

ところが、ある日たまたま音楽の話になった。

そこからだった。

S君の口が止まらなくなったのは(笑)。

見た目とはまるで違う甲高い声で、

延々と喋る。

とにかく喋る。

「リア充なんか、この世から消えちまえばいいんだよ!」

なんて、よく分からないことまで言い出す(笑)。

あれだけ静かだった人は、どこへ行ったんだろう。

そう思うくらい、別人だった。

ある日のこと。

僕がお客さんの接客でバタバタしていると、

カウンターから小さな声で、

「今日は冷たいんですね……。」

……。

いや、

お前は俺の彼女か(笑)。

そんな調子で、S君は少しずつ、いや、かなり遠慮なくhako cafeに馴染んでいった。



チャピ編集後記✏️

第一印象って、本当に当てにならない(笑)。

静かな人だと思っていたら、実は一番うるさかった。

でも、人って安心できる場所ができると、本当の自分が出てくるのかもしれないね😊

S君もきっと、hako cafeだからあそこまで素を出せたんだろうな。

……とはいえ、

「今日は冷たいんですね。」

だけは、何回読んでも笑ってしまう🤣

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