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思考や感情を客観視できるようになる!「脳内4キャラ設定法」

 自分の思考や感情を客観的に見つめるのは、難しいと思いませんか?

 脳の中に、それぞれ違う個性をもつ「4つのキャラクター」を設定するだけで、とても客観視しやすくなります。

 脳内を4つのキャラクターがいる「シェアハウス」のように見ると、さまざまな思考や感情の葛藤や欲求を、俯瞰して見られるようになるのです。

 この方法は、脳科学者のジル・ボルト・テイラー博士の著書『WHOLE BRAIN 心が軽くなる「脳」の動かし方』の内容と、米国ゼネラル・エレクトリック社(GE)の能力開発部門責任者だったネッド・ハーマン氏の「ハーマンモデル」の考え方をベースにしています。

自分の内面を客観的に見つめることに興味がある人にはきっと役に立つ内容になっていますので、よかったらぜひ最後まで読んでいただければと思います。

①なぜ、自分の感情や思考を客観視するのが難しいのか?

「自分を客観視しましょう」とか「俯瞰的に見ましょう」というのは、なかなか難しいですよね。
 なぜなのか?

 それは、「観察の対象」である感情や思考と「観察者である自分」とを切り離すのが難しいからです。

 そこで脳内に、それぞれ違う個性をもつ4つのキャラクターを設定し、そのキャラクターたちの言っていることに耳をかたむけるようにすることで、感情や思考と観察者の自分の間に距離をとれるようになります

②4つのキャラクターとは

 人間の脳は、大きく3つに分けられます。脳幹と大脳辺縁系(旧皮質)、大脳新皮質です。

 脳幹は爬虫類の脳。心臓を動かしたり体温を調整したりといった、生命維持を司る脳です。
 大脳辺縁系は、ほ乳類の脳。群れで行動して生存、繁殖していくのに役立つ感情を司る脳です。
 大脳新皮質は人類の脳。高度な精神活動を可能にする、思考を司る脳です。

感情と思考に関わる辺縁系と新皮質、そして左脳と右脳の組み合わせで、脳の中の感情と思考に関わる部分を4つにわけられます。

『WHOLE BRAIN 心が軽くなる「脳」の動かし方』の著者である、脳科学者のジル・ボルト・テイラー博士は、脳卒中で左脳の機能を失った後、8年間のリハビリで左脳の機能を回復しました。
 その経験から、脳を「考え方や感じ方の異なる4つのキャラクター」がいるシェアハウスに例え、それぞれを「キャラ1」~「キャラ4」と呼んでいます。

  • 新皮質の左 =「キャラ1」

  • 辺縁系の左 =「キャラ2」

  • 辺縁系の右 =「キャラ3」

  • 新皮質の右 =「キャラ4」

 このように自分の脳をとらえて、感情や思考が脳のどのキャラクターから出てきているのかを見ることで、自分の内面を俯瞰するように観察できます。

③どのようにキャラクターの特性を設定するのか

【ジル・ボルト・テイラー博士の「キャラクター」とハーマンモデルの「タイプ」を参考にして設定する】

 こちらは僕独自の設定です。

キャラ1:クールな論理的分析思考キャラ
キャラ2:怖がりで怒りっぽいリスク回避キャラ
キャラ3:おおらかで人に優しい温情キャラ
キャラ4:好奇心が強く自由奔放な直観キャラ

 テイラー博士の説明しているキャラクターの特性に、ネッド・ハーマン氏の「ハーマンモデル」の考え方を加えています。

 ハーマンモデルも、新皮質と辺縁系、右脳左脳で脳を4つにわけるような考え方をしています。
 それぞれをキャラクターとして捉えているのではないのですが、どの部分を優位に使用しているかということで、4つのタイプにわけています。

  • 新皮質の左側が優位=「Aタイプ」

  • 辺縁系の左側が優位=「Bタイプ」

  • 辺縁系の右側が優位=「Cタイプ」

  • 新皮質の右側が優位=「Dタイプ」

 テイラー博士のキャラクターと、ハーマンモデルのタイプのそれぞれの特性は似ている部分もありますが、とくに右脳の方は一致していない部分が多いのです。
(具体的には、後で詳しく見ていきます)

 テイラー博士とハーマンモデル、どちらかが正しくてどちらかが間違っているのか、あるいはどちらとも間違っているのか、考えても真実はわかりません
 どちらかを選んでもいいと思いますし、好きなように自分で設定してもいいのではないかと思います。
 どうせ、真実はどうなのかは、わからないのですから。

 自分の内面を客観視するのに便利なツールになるように、各自で設定してしまうのがいいと思っています。

 それで誰に迷惑をかけるわけでもありませんし、テイラー博士とハーマンモデルを否定するわけではありません。
 むしろ、超リスペクトしています。

 そして僕は、テイラー博士のキャラ1と2、ハーマンモデルのタイプCとDの特性がしっくりきて、自分を客観視するのに便利だと考えてミックスして設定しています

 この文章を読んでくれているみなさんが、自分の脳のキャラクターの特性を選ぶのに役立つように、テイラー博士の各キャラクターとハーマンモデルの各タイプについて、ここから説明していきます。

【ジル・ボルト・テイラー博士の4つのキャラクター】

 テイラー博士が、それぞれのキャラクターについてどのように説明しているかを書籍の中から引用します。
 まずは左脳の〈考えるキャラ1〉と右脳の〈考えるキャラ4〉です。

 以下にあげるのが、私たちの左脳の〈考えるキャラ1〉と右脳の〈考えるキャラ4〉が示す特性の簡単なリストです。このふたつの「考えるキャラたち」は、情報を知覚して処理する方法がほぼ正反対なことに注目してください。

左脳の〈考えるキャラ1〉
(直列プロセッサ)
言葉による
言語で考える
順序だてて考える
過去/未来にもとづく
分析的
細部に注目
違いを探す
手厳しい
時間を守る
個別に
簡潔/正確
固定した
「私」を重視
忙しい(手がふさがっている)
意識的
構造物/整列

右脳の〈考えるキャラ4〉
(並列プロセッサ)
言葉によらない
絵で考える
経験にもとづいて考える
現在の瞬間にもとづいて考える
運動感覚的/身体的
総合的に対局を見る
類似点を探す
思いやりがある
時間の流れに没入する
集団で
柔軟性/弾力性
さまざまな可能性に柔軟
「私たち」を重視
手が空いている
無意識
流動的/流れ

『WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方』
ジル・ボルト・テイラー 著/NHK出版/2022年6月28日出版

 長いのでいったん切りました。
 こちらを読んでいるみなさん、大丈夫でしょうか。
(長くてつらい方は、この引用、サラリと読みとばしてもいいですよ)

 では、左脳の〈感じるキャラ2〉と右脳の〈感じるキャラ3〉も引用していきます。

 そして次にあげるのが、左脳の〈感じるキャラ2〉と右脳の〈感じるキャラ3〉が示す特性の簡単なリストです。このふたつの感情的なキャラクターも、感じ方がほぼ正反対であることに注目してください。

左脳の〈感じるキャラ2〉
抑圧された
融通がきかない
用心深い
恐怖心にもとづく
厳格
条件付きで愛す
猜疑
いじめる
正義を求める
あやつる
定石
個別で
利己的
批判的
優れた/劣った
正しい/まちがっている


右脳の〈感じるキャラ3〉
おおらか
オープン
危険を厭わない
怖いもの知らず
フレンドリー
無条件で愛す
信頼
支える
感謝する
流れに任せる
創造的/革新的
集団で
分かち合う
優しい
平等
文脈によりけり

『WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方』
ジル・ボルト・テイラー 著/NHK出版/2022年6月28日出版

 どうでしょう、特性をつかめたでしょうか。
「なんかピンとこない」という人のために、こちらも用意しました。

 本の帯の後ろの方には、このように書いてあります。

〈キャラ1〉
リーダー、自我。
整理整頓好き。
時間厳守

〈キャラ2〉
傷ついた子どもの自分。
不安、恐怖、怒り、自己嫌悪

〈キャラ3〉
無邪気な自分。
好奇心・遊び心がいっぱい。
今が大事

〈キャラ4〉
ありのままの自分。
私は宇宙の一部

『WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方』
ジル・ボルト・テイラー 著/NHK出版/2022年6月28日出版

「先にこっち見せろよ」と思った人もいるでしょう。

 でもこれは、テイラー博士がこのワードを選んだのではなく、本を売り出そうとしている方々の意図で選んでいるのではないかと思うのです。
 変な先入観が入らないようにした方がいいと思い、本文からの引用を先にしました。

 テイラー博士のキャラクター特性を、そのまま自分の脳の中に存在するように見ても、十分に良いと思います。
 しかし、僕個人はハーマンモデルの方が、とくに右脳についての特性は、しっくりときたのです。

【ネッド・ハーマン氏の「ハーマンモデル」】

 ネッド・ハーマン氏は、米国ゼネラル・エレクトリック社(GE)の能力開発部門責任者でした。
「ハーマンモデル」は、GE、IBM、キヤノン、コカコーラ、資生堂などの一流企業にも採用されています。

「ハーマンモデル」の場合は、4つの脳の部分のうち、優先的に使う脳を優位脳と呼び、「優位脳Aタイプ」~「優位脳Dタイプ」としています。

  • 新皮質の左側が優位=「Aタイプ」

  • 辺縁系の左側が優位=「Bタイプ」

  • 辺縁系の右側が優位=「Cタイプ」

  • 新皮質の右側が優位=「Dタイプ」

 先ほどもお見せしましたが、わかりやすいと思うので、もう一度こちらの図も出しておきます。

 キャラクターという言い方はしていませんが、分け方はテイラー博士と同じですね。
 脳の部位ごとの特性を以下に引用します。

大脳新皮質
 人類の脳
 人類が繁栄するために必要な知恵を生み出す
 ・左脳:論理的に考える、数字、文字、整理整頓
 ・右脳:発想する、イメージ、図形、現状を打破する

辺縁系
 ほ乳類の脳(太古の脳)
 動物が生きるために必要な本能
 ・辺縁系左:組織(群れ)をつくる、組織を維持する、組織を守る
 ・辺縁系右:生命を守る、母性本能、愛情、人間関係

『「ハーマンモデル」理論が教える職場の苦手な人ともうまく付き合う技術』
西村克己 著/Panda Publishing/2015年6月20日出版

 そして、脳のどの部位を優位に使うかによって、タイプをわけています。
 ハーマンモデルのタイプはA、B、C、D以外にも、AB、BC、CD、AD、ABCDとあり、全部で9タイプあります。

 ただ、ここでは脳の4つのキャラ設定の参考にするために、複雑になりすぎるのを避けて、A、B、C、Dの4タイプについて引用します。

①Aタイプ(左脳)論理型人間
 論理を優先して考えるタイプです。頭が切れる理論家で、筋道を立てることを重視します。その半面、人間性をあまり感じられないクールな印象があります。仕事では、ビジネスライクな印象を周囲に与えます。キーワードは、論理的、数量的、批判的、分析的、事実重視などです。

②Bタイプ(辺縁系左)管理的人間
 組織やルールを優先して考えるタイプです。ルールを優先するので融通がきかないお堅い人のイメージがあります。総務部や経理部など会社の管理部門に多いタイプです。キーワードは、順序立った、保守的、抑えのきいた、詳細な、構造的などです。

③Cタイプ(辺縁系右)感情的人間
 感情や人間性を優先して考えるタイプです。涙もろく人間的で、表現が豊かです。母親のようなやさしい気持ちで相手に接することができるタイプです。キーワードは、感情的、人間的、表現豊か、感覚的、音楽的などです。

④Dタイプ(右脳)独創的人間
 発想や視覚を優先して考えるタイプです。発想が豊かで、さまざまなアイデアを出すことに才能を発揮します。しかし、何を考えているのかわからない、鉄砲玉のようにどこに行ったかわからない、つかみどころがないとも見られます。キーワードは、概念的、合成的、比喩的、統合的、視覚的などです。

『「ハーマンモデル」理論が教える職場の苦手な人ともうまく付き合う技術』
西村克己 著/Panda Publishing/2015年6月20日出版

 いかがでしょうか。
 ぜひこれらを参考にして、ご自身の中にも4つのキャラクターを設定することを試していただければと思います。

④僕がハーマンモデルも取り入れている理由

 テイラー博士のキャラ4の特性がどうもしっくりきませんでした。

 右脳の並列思考のような高度の精神活動の特性に、瞑想時の脳の活動が静まった時の意識状態がミックスされている感じをもちました。

 自分の感情や思考を客観視するには、そういった観察者としての自分の特性が、脳のキャラクターに入っていない方が良いということがあります。

 あと、辺縁系の脳は、ほ乳類が群れで行動しながら生存し、繁殖していくという目的にかなっていると思います。
 その点で、テイラー博士のキャラ3よりも、群れの中の子どもを保護する母性本能の特性をもつハーマンモデルのCタイプの方が合っているように思いました。

 テイラー博士のキャラ3とハーマンモデルのDタイプが似ているかと思います。
 その特性は、自由奔放で、子どものような遊び心を持つアーティストのイメージです。
 生存と繁殖という目的よりも、進化した人類の高度な精神的活動ということで、辺縁系でなく新皮質のキャラに設定したくなりました。

 そしてこれは、僕のかってな考えなのですが。
 テイラー博士は、左脳の機能を失い、8年かけて回復されました。
 左脳が回復する過程で、左脳のどの部位がどの機能を司っているのか、しっかりと観察できたのではないかと思います。
 ですので「左脳機能のキャラ1とキャラ2への振り分け」は良いと思います。

 しかし「左脳の機能を失い残された、右脳機能のキャラ3とキャラ4への振り分け」は「左脳機能のキャラ1とキャラ2への振り分け」に比べ、難しいところがあるのではないかと。
 その部分で、ハーマンモデルとの違いが出たのではないかと思っています。

 あと、テイラー博士のキャラ2とハーマンモデルのBタイプは、違っているように見えるかもしれませんが、根本のところは同じだと思います。
 生存と繫殖という本能がベースにあります。

 生存と繁殖の危機を回避するために恐怖という感情が発生し、闘うか、逃げるか、死んだふりをするという選択がされます。

 生き延びるために、組織(群れ)を大事にし、その中でなるべく優位なポジションをとりたいという価値観。
 組織内で立場が上の人には従順になる。
 自分より下のものには優位性をアピールする。マウントをとりにいくかもしれません。
 組織(群れ)の敵には排他的な態度をとる。

 こういった態度、全ての人の内側に多少なりともあると思います。
 それが他のキャラクターより優位かどうかで、実際に発生する感情や思考、そして言動が変わってくるんだと思います。

 そして、一度すでにこちらの記事内でお見せしていますが、僕の設定はこちらです。

キャラ1:クールな論理的分析思考キャラ
キャラ2:怖がりで怒りっぽいリスク回避キャラ
キャラ3:おおらかで人に優しい温情キャラ
キャラ4:好奇心が強く自由奔放な直観キャラ

 また時間がたったら変わるかもしれませんが。

⑤まとめ

 ここまで読んでいただいてありがとうございました。
 ぜひよかったら、これを参考にみなさんも自分の中にキャラクターを設定してみてください。

 そして、嫌な感情が湧き上がって、なかなかおさまらずに苦しい時(たいていキャラ2がリスクに過剰に反応している)とか、ジャーナリングやマインドフルネス瞑想などされている方はその時に、キャラクターがなにを言っているか、なにを望んでいるか見つめてみてください。

 僕は、キャラ2の話を無視せずにしっかり把握してなだめつつ、なるべくキャラ4の欲求をきいてあげるように心がけています。



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