【初心者向け】ペンドライブだけでASUSマザーボードのBIOSをアップデートする方法|USB BIOS FlashBack
今回は、ペンドライブ(USBメモリ)を使ってASUSマザーボードのBIOSをアップデートする方法を紹介します。
私が使用しているPC環境は、
CPU:Intel Core i9-14900K
マザーボード:ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO BTF
です。
最近、PCを使用していると突然画面が真っ黒になり、そのまま電源が落ちる症状が発生するようになりました。
しかも高負荷時だけではなく、アイドル状態でも発生することがありました。
原因を調べていく中で確認したもののひとつが、マザーボードのBIOSです。
特にCore i9-14900Kを含むIntel第13・14世代CoreデスクトップCPUでは、安定性対策としてCPUマイクロコードを含むBIOSアップデートが提供されてきたため、古いBIOSを使用している場合は一度確認しておくことをおすすめします。
今回はBIOS画面からアップデートするのではなく、ASUSマザーボードに搭載されている、
「USB BIOS FlashBack」
を使ってアップデートします。
この方法なら、BIOS画面に入ってアップデート操作をする必要はありません。
USB BIOS FlashBackとは?
USB BIOS FlashBackは、BIOSファイルを入れたペンドライブをマザーボード背面の専用USBポートに挿し、背面のBIOS FlashBackボタンを押すことでBIOSをアップデートできる機能です。
大まかな流れは、
BIOSをダウンロード
↓
ペンドライブへコピー
↓
BIOSRenamerを実行
↓
BIOSファイルだけをペンドライブに残す
↓
背面のBIOS専用USBポートへ挿す
↓
BIOS FlashBackボタンを押す
というものです。
初心者でも手順を理解してしまえば、それほど難しい作業ではありません。
ただし、BIOSはPCを起動するための非常に重要な部分です。
特にアップデート中の電源操作には十分注意してください。
① 自分のマザーボードの型番を確認する
最初に、自分が使用しているマザーボードの正確な型番を確認します。
Windows上で、
Windowsキー + R
を押します。
「ファイル名を指定して実行」が表示されたら、
msinfo32
と入力してEnterを押します。
「システム情報」が開いたら、
ベースボード製造元
ベースボード製品
を確認します。
私の場合は、
ASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO BTF
です。
⚠️ マザーボードの型番は必ず確認!
似た名前のマザーボードでも、使用するBIOSファイルが異なる場合があります。
例えば「HERO」と「HERO BTF」のように似た製品名でも、同じ製品とは限りません。
必ず自分が使用しているマザーボードと完全に一致する製品ページからBIOSをダウンロードしてください。
② 現在のBIOSバージョンを確認する
同じ「システム情報」の中に、
BIOS バージョン/日付
という項目があります。
ここを見ると、現在PCで使用しているBIOSのバージョンを確認できます。
アップデート前にバージョンをメモするか、スクリーンショットを撮っておくと、アップデート後の確認が簡単です。
③ ASUS公式サイトからBIOSをダウンロードする
ASUS公式サイトで、自分が使用しているマザーボードを検索します。
製品ページを開いたら、
サポート
↓
BIOS & FIRMWARE
と進みます。
現在使用しているBIOSと、公開されているBIOSのバージョンを比較します。
ア

ップデートする場合は、対象となるBIOSをダウンロードします。
ダウンロードすると、
ZIP形式のファイル
が保存されます。
④ BIOSアップデート用のペンドライブを準備する
BIOSアップデートに使用するペンドライブをPCに接続します。
ペンドライブは、FAT32形式でフォーマットしておきます。
Windowsのエクスプローラーからペンドライブを右クリックして、
フォーマット
↓
ファイルシステム:FAT32
を選択します。
⚠️ フォーマットすると中身は消えます
フォーマットを実行すると、ペンドライブに保存されているデータは消去されます。
必要なデータが入っている場合は、必ず別の場所へバックアップしてから作業してください。
BIOSアップデート専用として、空のペンドライブを1本用意しておくと分かりやすいと思います。
⑤ ダウンロードしたZIPファイルをそのままペンドライブへコピーする
ASUS公式サイトからダウンロードしたZIPファイルを、そのままペンドライブへコピーします。
コピーが完了したら、ペンドライブの中でZIPファイルを展開します。
展開されたフォルダを開くと、
BIOSファイル
と、
BIOSRenamer.exe

が入っています。
⑥ BIOSRenamer.exeをダブルクリックする
次に、
BIOSRenamer.exe
をダブルクリックして実行します。

すると、USB BIOS FlashBackでマザーボードがBIOSファイルを認識できるように、BIOSファイルの名前が自動的に変更されます。
自分でファイル名を入力して変更する必要はありません。
BIOSRenamerを実行したら、BIOSファイルの名前が変更されたことを確認します。

⑦ ペンドライブにはBIOSファイルだけを残す
ここも重要です。
BIOSRenamerでBIOSファイルの名前が変更されたことを確認したら、それ以外のファイルをペンドライブからすべて削除します。
つまり、
ダウンロードしたZIPファイル
展開したフォルダ
BIOSRenamer.exe
その他のファイル
は削除します。
最終的には、
「名前が変更されたBIOSファイルが1つだけ入っている状態」
にします。
ペンドライブを開いたとき、
BIOSファイルが1つだけ表示される状態
になっていればOKです。

⑧ Windowsをシャットダウンする
ペンドライブの準備ができたらWindowsをシャットダウンします。
ここで重要なのは、
PCはシャットダウンするけれど、マザーボードへの電源供給は残しておく
ということです。
つまり、
Windows:シャットダウン
電源ユニット(PSU):ONのまま
電源ケーブル:接続したまま
にします。
USB BIOS FlashBackを使用するためには、マザーボードに待機電力が供給されている必要があります。
⑨ PCに接続しているUSB機器を取り外す
PCをシャットダウンしたら、接続しているUSB機器を取り外しておきます。
例えば、
キーボード
マウス
USBハブ
オーディオインターフェース
DJ機器
その他USB機器
などです。
私の環境ではUSB機器を多数接続しているため、BIOSアップデート時には一度すべて取り外しました。
このあと接続するBIOSアップデート用のペンドライブだけの状態にしておくと、作業も分かりやすくなります。
⑩ 背面の「BIOS」と書かれたUSBポートに挿す
ここは非常に重要です。
マザーボード背面には複数のUSBポートがありますが、USB BIOS FlashBackでは、指定された専用USBポートを使用します。
背面I/Oを確認すると、
「BIOS」
と表示されたUSBポートがあります。
先ほど準備したペンドライブを、このBIOS FlashBack専用USBポートへ挿します。
普通のUSBポートと間違えないよう、表示をよく確認してください。

⑪ BIOS FlashBackボタンを約3秒間長押しする
ペンドライブを「BIOS」と書かれたUSBポートへ挿したら、その近くにある、
BIOS FlashBackボタン
を押します。
ボタンを、
約3秒間長押し
します。
すると、BIOS FlashBackのLEDが点滅し始めます。
LEDが点滅し始めたことを確認したら、ボタンから指を離します。
その後もLEDの点滅が続き、BIOSのアップデートが開始されます。

⚠️ 最重要!LEDが点滅している間は絶対に触らない
ここが今回の作業で最も重要です。
BIOS FlashBackのLEDが点滅している間は、BIOSを書き換えている最中です。
この間は、
PCの電源を入れない
電源ケーブルを抜かない
電源ユニットのスイッチをOFFにしない
ペンドライブを抜かない
BIOS FlashBackボタンを再度押さない
ようにしてください。
途中でLEDの点滅速度が変わることがありますが、慌てて操作する必要はありません。
LEDが完全に消灯するまで何もせずに待ちます。
BIOS書き換え中に電源が切れると、正常にアップデートできなくなる可能性があります。
⑫ LEDが完全に消灯したらBIOSアップデート完了
BIOS FlashBackのLEDの点滅が終了し、
LEDが完全に消灯
したら、BIOSアップデートは完了です。

ペンドライブを取り外し、先ほど取り外したUSB機器を元に戻します。
その後、PCの電源を入れます。
⑬ 最初の起動に時間がかかっても慌てない
BIOSアップデート後の最初の起動は、普段より時間がかかることがあります。
特にDDR5メモリを使用しているPCでは、BIOSアップデート後にメモリトレーニングなどが行われる場合があります。
そのため、
「電源は入っているけど、なかなか画面が表示されない!」
となっても、すぐに電源を切らず、しばらく待ってみてください。
⑭ BIOSがアップデートされたか確認する
Windowsが正常に起動したら、BIOSバージョンを確認します。
Windowsキー + R
を押して、
msinfo32
と入力します。

「システム情報」の、
BIOS バージョン/日付
を確認します。
ここに表示されているバージョンが、今回インストールしたBIOSのバージョンになっていればアップデート成功です。

BIOSアップデート後は設定も確認しよう
BIOSアップデート後は、それまで使用していたBIOS設定が初期化されたり、一部変更されたりしている場合があります。
例えば、
XMP
CPU関連設定
ファン設定
Boot設定
その他自分で変更した設定
などです。
必要な設定がある場合は、アップデート後にもう一度確認しておきましょう。
私のようにIntel Core i9-14900KなどのIntel第13・14世代CoreデスクトップCPUを使用している場合は、Intel Default Settingsについても確認しておくことをおすすめします。
【おまけ】BIOSアップデート後に「F1を押してください」と表示されたのにキーボードが使えない!
ここからは、今回私が実際に遭遇したちょっとしたトラブルです。
BIOSアップデート後の初回起動時に、
「F1キーを押してBIOS設定画面へ進んでください」
という内容の画面が表示される場合があります。
普通なら、
F1
を押してBIOS設定画面へ進めばいいのですが……。
ワイヤレスキーボードが反応しない!
私の場合、普段使用しているのがワイヤレスキーボードだったため、この画面でキーボードが正常に使用できず、
「F1を押したいのにF1が押せない!」
という状態になりました。
Windowsが起動してからなら普通に使用できるワイヤレスキーボードでも、BIOSアップデート直後などWindowsが起動する前の段階では、接続方法によっては操作できないことがあります。
一番確実なのは「有線USBキーボード」
この状態になった場合、最も確実なのは、
有線USBキーボードを接続してF1を押す
ことです。
BIOSアップデートをする予定がある場合は、普段ワイヤレスキーボードしか使用していない人でも、念のため有線USBキーボードを用意しておくと安心です。
USBレシーバーを使用するタイプのワイヤレスキーボードなら、レシーバーをUSBハブではなくマザーボード背面のUSBポートへ直接接続すると認識する可能性もあります。
別のUSBポートを試してみるのも一つの方法です。
有線キーボードがない場合に私が行った方法
私の場合は、そのときすぐに使用できる有線キーボードがなく、F1キーを押すことができませんでした。
そこで行ったのが、
PCの強制終了と再起動を数回繰り返す
という方法です。
私の環境では、
① F1を要求する画面が表示される
↓
② 電源ボタンを長押ししてPCを強制終了する
↓
③ 再度PCの電源を入れる
↓
④ 再び同じ画面になったら強制終了する
↓
⑤ この操作を3回程度繰り返す
という操作を行ったところ、その後はF1を要求する画面を回避して、Windowsのスタート画面まで起動することができました。
⚠️ 強制終了を繰り返す方法は正式な手順ではありません
ここは非常に重要です。
この方法は、
「私のPC環境では、この方法でWindowsまで起動できた」
という実体験として紹介しています。
ASUSがUSB BIOS FlashBack後の標準的な対処方法として推奨している手順ではありません。
また、すべてのマザーボードやBIOSバージョンで同じ動作になるとは限りません。
基本的には、
① 有線USBキーボードを使用する
↓
② ワイヤレスキーボードのUSBレシーバーをマザーボードへ直接接続する
↓
③ 別のUSBポートを試す
↓
④ それでも操作できない場合に、今回の実体験のような方法を検討する
という順番が安全です。
⚠️ BIOS FlashBack中の強制終了は絶対にダメ!
そして、ここは絶対に間違えないでください。
先ほど紹介した強制終了は、
「BIOSアップデートが完全に終了した後」
の話です。
BIOS FlashBackのLEDが点滅している最中には、絶対に強制終了しないでください。
LEDが点滅している間はBIOSを書き換えています。
その状態で、
電源を切る
PSUをOFFにする
電源ケーブルを抜く
ペンドライブを抜く
といった操作は行わないでください。
BIOS FlashBackのLEDが完全に消灯して、BIOSアップデートが終了していることを確認してから次の操作へ進みます。
今回のBIOSアップデート手順まとめ
最後に、今回のUSB BIOS FlashBackの流れを簡単にまとめます。
① マザーボードの正確な型番を確認
↓
② 現在のBIOSバージョンを確認
↓
③ ASUS公式サイトからBIOSのZIPファイルをダウンロード
↓
④ ペンドライブをFAT32でフォーマット
↓
⑤ ZIPファイルをペンドライブへコピー
↓
⑥ ペンドライブの中でZIPを展開
↓
⑦ BIOSRenamer.exeをダブルクリック
↓
⑧ BIOSファイルの名前が変更されたことを確認
↓
⑨ BIOSファイル以外をすべて削除
↓
⑩ ペンドライブには名前変更済みBIOSファイル1つだけを残す
↓
⑪ Windowsをシャットダウン(PSUはONのまま)
↓
⑫ 他のUSB機器を取り外す
↓
⑬ ペンドライブを背面の「BIOS」と書かれたUSBポートへ挿す
↓
⑭ BIOS FlashBackボタンを約3秒長押し
↓
⑮ LEDが点滅し始めたら指を離す
↓
⑯ LEDが完全に消灯するまで何も触らず待つ
↓
⑰ PCを起動
↓
⑱ Windowsの「msinfo32」でBIOSバージョンを確認
これで完了です。
最後に
BIOSアップデートというと、
「難しそう」
「失敗したらPCが起動しなくなりそう」
というイメージを持っている人も多いと思います。
しかしUSB BIOS FlashBackに対応したASUSマザーボードなら、
BIOSファイルを準備
↓
ペンドライブへ入れる
↓
BIOSRenamerを実行
↓
BIOS専用USBポートへ挿す
↓
BIOS FlashBackボタンを押す
という比較的シンプルな方法でアップデートできます。
今回、実際に作業して特に重要だと思ったポイントは、
・必ず自分のマザーボード用のBIOSを使用する
・ペンドライブはFAT32で準備する
・BIOSRenamerでファイル名を変更する
・ペンドライブには名前変更後のBIOSファイルだけを残す
・必ず「BIOS」と書かれた専用USBポートを使用する
・LED点滅中は絶対に電源やペンドライブを触らない
そしてもうひとつ、
「有線USBキーボードを1台用意しておく!」
です。
BIOSアップデート自体は問題なく完了しても、その後に「F1を押してください」と言われて、ワイヤレスキーボードが反応しないという思わぬ落とし穴がありました。
これからBIOSアップデートをする人は、
ペンドライブ + 有線USBキーボード
を用意してから始めると安心です。
私と同じようにCore i9-14900Kを使用していてPCの不安定な症状に悩んでいる方や、初めてBIOSをアップデートする方の参考になれば幸いです。
※この記事はASUS ROG MAXIMUS Z790 HERO BTFで実際に行った作業をベースにしています。USB BIOS FlashBackの対応状況、USBポートの位置、LEDの動作、BIOSファイルの準備方法などはマザーボードによって異なります。作業前に使用しているマザーボードの公式マニュアルを確認してください。
※「強制終了を3回程度繰り返してF1画面を回避した」という部分は、私の環境で実際に起きた挙動を紹介したものです。すべてのPCで同じ結果になることを保証するものではなく、標準的なBIOSアップデート手順として推奨するものではありません。

