見出し画像

人生は「覚悟」の連続。心が折れかけた介護の日に気づいた大切なこと


~認知症の伯母との一日、支えてくれた「心の安全基地」への感謝~


昨日は、94歳で一人暮らしをしている伯母の家へ行ってきました。

認知症の伯母は独身で子どもがおらず、一人暮らしを続けています。しかし、府立医大の先生からも、その前に診てくださっていた先生からも、「一人暮らしは難しい」と言われました。

そこでケアマネジャーさんに相談し、施設入所という道を選ぶことにしました。最初は施設に入ることを強く拒否していた伯母も、ケアマネさんや施設のスタッフさんが何度も丁寧に向き合ってくださり、ようやく入所する決心をしてくれました。

昨日は、その施設入所に必要な診断書や診療情報提供書を受け取るため、伯母を病院へ連れて行く日でした。


認知症介護の現実。心が折れかけた朝


伯母の家は、私の家からバスで約30分。

生協でお弁当を買って向かうと、前日に「明日は病院へ行くよ」と電話で伝えていたにもかかわらず、伯母はベッドでぐっすり眠っていました。

「起きてや。病院に行かなあかんねんで。」

「今日やったかいな?今日はしんどいから行かへん。」

「何言ってるの。今日は行かなあかん日やねん。」

「行きたくないねん。」

そんなやり取りを何度も繰り返し、ようやく着替えてもらいました。

ところが今度は、

「キャッシュカードが見当たらへん。」

「あんたが来て、伯母ちゃんの鞄を触ってからなくなったんや。」

まるで私が盗ったかのような言葉でした。

張りつめていた心が、その瞬間、プツンと切れてしまいました。

「そんなん言うんやったら、私はもう知らんから!」

思わず声を荒げてしまいました。

もちろん反省しています。

でも、どれだけ時間をかけ、どれだけ心を尽くして伯母を支えてきたのだろう。

「私は何のために、こんなに頑張っているんだろう。」

そんな虚しさが胸いっぱいに広がりました。


思うように進まない病院への道


それでもキャッシュカードは探さなければなりません。

「ベッドの周りを探すからね。」

そう声をかけながら探しましたが、結局見つかりませんでした。

病院へ行くお金だけはあることを確認し、タクシーを呼びました。

ところが、タクシーが到着しても伯母はトイレから出てきません。

「もうタクシー来てるから早くして。」

そう声をかけても出てこず、運転手さんも待ちきれなくなり、
「準備ができてから別のタクシーを呼んでください」
と帰ってしまいました。

もう一度タクシーを呼び直し、ようやく病院へ向かうことができました。


病院で感じた医療従事者の温かさ


病院では車いすを押しながら採血やレントゲンへ。

前回の受診では待ち時間に、
「お腹が空いた」
と何度も言って大変だったので、今回は診察前に病院のカフェへ行きました。

サンドイッチと紅茶をいただくと、伯母の表情は少しずつ穏やかになっていきました。

私はただ、ドッと疲れを感じていました。

診察までの待ち時間、友達から電話がかかってきました。

彼女の優しい声を聞き、息子さんのお話を聞いて笑っているうちに、不思議なくらい心が凪いでいきました。

人の温かさとは、本当にありがたいものですね。

診察では、施設入所へ向けて準備を進めていることを先生にご報告し、お礼をお伝えしました。

「府立医大まで連れて来ること自体が、本当に大変なんです。」

そうお話しすると、先生は施設の診療所への紹介状まで書いてくださいました。

必要な書類も丁寧に準備してくださいました。

介護施設のスタッフさんもそうですが、お医者さんをはじめ医療従事者の皆さんには、本当に頭が下がります。

感謝の気持ちでいっぱいになりました。


最後まで気の抜けない一日


診察が終わり、会計を済ませ、薬局で薬を受け取った後になって、診断書を受け取っていないことに気づきました。

会計はもう閉まっていましたが、病院の職員さんにお願いして探していただくと、病院側の渡し忘れだったことが分かりました。

気づいて本当に良かったです。

伯母をタクシーで家まで送り、次回来る日をカレンダーに書き込み、もう一度探すとキャッシュカードは見つかりました。

施設へ翌日書類を持参する連絡をしてから帰宅すると、もう夜7時を過ぎていました。

朝から一日中動き回り、本当に疲れ切ってしまいました。


支えてくれた「心の安全基地」


何もする気力がなく、まずは私がお世話になっているクリニックのスタッフさんへ電話しました。

「今日は本当によく頑張りましたね。一つクリアできましたね。今後のことはまた一緒に考えましょう。今日はご飯を食べて、お風呂に入って、ゆっくり休んでください。」

その優しい言葉に、張りつめていた気持ちがフッと緩みました。

それでもまだ気持ちは重く、今度はSafe Spaceほっこりの仲間であるMちゃんに話を聞いてもらいました。

穏やかで優しいMちゃん。

一緒に冗談を言って笑っているうちに、少しずつ元気が戻ってきました。

改めて思いました。

「心の安全基地」は、本当に大切だ。

何でも話せる人がいること。

安心して弱音を吐ける場所があること。

その存在が、私たちの心を支えてくれるのだと思います。


「覚悟」という言葉が教えてくれたこと


昨夜はご飯を食べ、お薬を飲んだら、そのまま寝落ちしてしまいました。

そして早朝に目が覚め、このブログを書いています。

伯母のこと、仕事のこと、Safe Spaceほっこりの活動

私は、これからもたくさんの選択をしていかなければなりません。

人生は、本当に選択の連続ですね。

そのことを考えていた時、曹洞宗の僧侶・枡野俊明さんの『仏教の智慧が学べる日々の言葉』

に書かれていた「覚悟」という言葉が心に響きました。

「『覚』も『悟』も『悟ること』。つまり真理に気づいて、モヤモヤした状態から抜け出し、新しい生き方を悟った状態が『覚悟』なのです。

覚悟が決まらない時は、外側の現実に振り回されて、旗が風で右左になびくように生き方もブレてしまいます。

「しかし、『自分はこの真理を拠りどころに生きていくんだ』と悟った状態は、心の軸がしっかりと定まり、ブレることがありません。どっしりとした不動の心が生まれます。そこから、物事を決断するための心構えが固まることを、覚悟と言うようになったのです。」

『仏教の智慧が学べる日々の言葉』


この言葉を読んだ時、
「そうか、私に足りなかったのは覚悟だったんだ」
と思いました。

介護も、仕事も、Safe Spaceほっこりの活動も、自分で選んだ大切な道です。

だからこそ、周りの出来事に心を振り回されるのではなく、自分の心の軸をしっかり持って歩んでいきたい。

そんなふうに思えました。


「覚悟」を持って、今日も一歩ずつ


ありがたいことに、私には支えてくれる人たちがいます。

その存在に心から感謝しています。

こうして文章を書いていると、不思議なくらい心が静かになっていきます。

土曜日は伯母を美容院へ連れて行きます。

また思うようにいかないこともあるかもしれません。

それでも、伯母が笑顔になれる一日になるよう、そして私自身も穏やかな心で向き合えるよう、「覚悟」を持って顔晴りたいと思います。

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!