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なぜインストで伝えたいのか

昔から
よく聞かれます

なぜ歌ではなく

インストなのですか

確かに

歌には言葉があります

言葉は
とても強い

嬉しい
悲しい
愛している
ありがとう

そういう気持ちを
直接届けることができる

自分も
歌が嫌いな訳ではありません

むしろ

大好きです

玉置浩二さんも
Jon Bon Joviも

大好きです

歌には
歌にしか出来ない力があると思っています

それでも
自分は

ずっとギターで伝えたいと思ってきました

なぜだろう
と考えることがあります

たぶん
答えは一つではありません

でも
今の自分が思うのは

音には
言葉を超える瞬間がある

ということです

学生の頃
音楽雑誌で読んだ
坂本龍一さんのインタビューに

こんな言葉がありました

「メロディは国境を越える」

その言葉は
今でも忘れられません

歌詞のないインストは
言葉の壁を超えて

どこにでも届く

そんな意味の話だったと
記憶しています

当時の自分には
まだ世界なんて

遠い話でした

でも
なぜかその言葉だけは

強く心に残りました

そして今

日本だけではなく
中国でも活動するようになり

改めて思います

音は
本当に国境を越える

言葉が通じなくても
メロディに涙する人がいる

文化が違っても
音に勇気をもらう人がいる

それを
何度も見てきました

だから自分は
インストが好きなんだと思います

押しつけないから

「こう感じてください」

ではなく

「自由に感じてください」

その余白が好きです

同じメロディでも
聴く人によって

見える景色が違う

ある人は
家族を思い出す

ある人は
恋人を思い出す

ある人は
昔の自分を思い出す

そこに
正解はありません

若い頃は
テクニカルなギターを求めていました

もちろん
今でもテクニカルなギターは好きです

でも
年齢を重ねるにつれて

難しさよりも

残るものに興味が出てきました

演奏が終わった後
何が残るのか

その人の心に
何か一つでも残るのか

そこを考えるようになりました

だから最近作る曲は
以前よりも

メロディを大切にしています

派手さより
余韻

技巧より
物語

速さより

そういう音楽を
作りたいと思うようになりました

Fearless Wayも
Julietも
Sorrowも

自分の中では
人生そのものです

言葉は無くても
そこには

願いや
祈りや
愛や
悲しみが

入っています

だから
自分は

インストで伝えたい

言葉ではなく
音そのもので

誰かの人生の風景に
そっと寄り添えるような

そんな音を
これからも探していきたいと思っています


Shinichi Kobayashi

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