いいことあるよっ!
学生の頃、時給がいいからとパチンコ屋でバイトをしていた時期があった。
(ドル箱運びで腰を痛めて2ヶ月で辞めた)
1ヶ月先輩の、ひとつ年下の女の子がいた。
今ではすっかり死語となったガングロに金髪。
甲高い声で「キャハハハ!」と笑う、The平成ギャル。
なんというか、まぁ…苦手な人種だった。
あまりシフトが被る事がなく、「はじめまして」の挨拶以外にほとんど会話をした記憶がない。
珍しくその子とシフトが重なった日。
私はちょっとしたミスをした。
大したことではないと思い、自分なりにリカバリーして、報告をしなかった。
…大したことになってしまった。
その日の反省点や、どんな事を意識して働いたか等を、退勤前に上司に報告するのがその店のルールだった。
そしてその日は、こっぴどく怒られた。
退勤時間が同じだった例の女の子は先に報告を済ませ、怒鳴られている私の横を通ってそそくさと更衣室へ消えて行った。
お説教から解放されてとぼとぼと更衣室へ向かう途中、着替えを終えた彼女とすれ違った。
「お疲れー!めっちゃ怒られてたねー!まぁいいことあるよっ!まったねー!」
いや泣いてまうやろ!
ミスして怒られて落ち込んでるところに。
ほとんど喋った事もない年下の子にタメ口で。
そんな風に明るく励まされたら!
本人が何を思って言ったのか、あるいは特に深く考えていなかったのかは分からない。
っていうか、それは問題じゃない。
当時、その言葉と底抜けの明るさにどれだけ救われたか…
そんなこと覚えちゃいないだろうけど。
あの時は、ありがとう。
それから…
見た目だけで“苦手な人種”なんて勝手に決めつけて、ごめん。
令和の今も元気に、The平成ギャルやってるかな?
そうであっても、そうでなくても。
あの底抜けの明るさは、きっと変わってないんだろうな。

