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【終活日記】黒字リストラ ~ 数年はいいけれど、その先にある「真の危機」



はじめに

今日、ある有名企業のリストラに関するニュースが目に飛び込んできました。

当初の予定は1万人。

ところが、蓋を開けてみれば希望退職者が2,000人も上回ったという報道です。

これには驚きを隠せませんでした。

前回のブログで、現役時代に銅価格の高騰で苦境に立たされたお話をしました。

実はその混乱の裏側には、「リスクヘッジができる優秀な人材」がリストラで退職してしまっていたという事実がありました。

そう考えると、今後の行く末に暗澹たる気持ちになります。


そもそも「黒字リストラ」とは何なのか

経営が危機的状況だから人を減らす。かつてはそれが常識でした。

しかし、今のトレンドは「黒字のうちに切る」こと。

その背景には、以下のような思惑があるようです。

  • 若返りによる人件費の削減

  • AI導入による業務の効率化・省力化

  • 「体力があるうちに」という経営判断

しかし、この「効率化」が、後に取り返しのつかない事態を招くのではないかと懸念せずにはいられません。


25年前に見た「熟練技術」の流出

今から25年前、私が現役だった頃にも大規模なリストラがありました。

当時、幹部からは「45歳以上の社員はいらない」という言葉まで飛び出していました。

その結果、50代以上の熟練技術者たちは会社を去り、韓国・台湾・中国のメーカーへと渡りました。

「技術を教え終われば、数年で使い捨てにされるだろう」― 当時はそんな噂もありましたが、現実は違いました。

ある先輩は、海外メーカーで65歳まで勤め上げ、その後は好調な国内メーカーへ。

70歳を過ぎても数社の顧問として活躍されています。

一方で、残された日本の現場は・・・

リストラから数年は平穏でした。

しかし、技術を吸収した海外メーカーの品質が格段に向上し、価格競争で完敗。

市場シェアは一気に低下しました。

生産量が下がれば、コストも上がる。

まさに負の連鎖です。

結局、国内工場は閉鎖に追い込まれ、再びリストラが行われるという皮肉な結果になりました。


引き抜かれた同僚と、後輩の現在

2010年頃の話です。

中国工場の研究所で所長をしていた元同僚は、取引先の中国人社長に見込まれ、技術部長として引き抜かれました。

その際のスカウト料は、通常の退職金の約10倍という破格の条件。

彼一人が去るだけでなく、その彼を慕って多くの若手技術者も後を追うように辞めていきました。

また、退職して6年半が経った最近、駅で偶然後輩に会いました。

彼は今、海外メーカーの日本支店にある研究所に勤めていました。

非常に優秀な技術者だったので、「彼がいなくなって、元の職場は業務が回っているのだろうか」と、つい余計な心配をしてしまいました。


おわりに

今の日本には、好調な会社と衰退していく会社の明暗が残酷なまでに、はっきりと現れています。

そして残念なことに、「会社での地位」と「仕事の遂行能力」は、必ずしも一致していないように思えます。

リストラという荒波に揉まれても、海外や他社で活躍し続ける人々を目の当たりにするにつけ、一つの答えに行き着きます。

周りの評価や社内の地位を気にすることなく、どこでも通用する「腕」を磨き続けること。

それこそが、結局は唯一の生き残る術なのかもしれません。


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