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上司が「混乱」を好むとき──振り回されず、自分のエネルギーを守る術

かつて、私はある上司のもとで働いていた。彼の真骨頂が現れたのは、年末の繁忙期まっただ中だった。

ECシステムの障害により、オンライン決済ができなくなるという緊急事態が発生した。売上が止まるこの事態に、経営陣もすぐさま対応に追われた。

警報が鳴るや否や、上司は一気に動き出した。取引先に電話をかけ、休暇中のエンジニアを叩き起こし、ログを解析し、自らコードを書き始めたのだ。

ネットワークオペレーションセンターでその様子を見守る私たちは、まるで映画のように進行する復旧劇を目の当たりにしていた。

その姿は確かにスリリングだった。感動的ですらあった。だが、冷静に振り返れば、それは「防げたはずの事態」だった。

障害の後も、何も変わらなかった。上司はこれが初めてではなかったことすら触れず、組織として予防策を講じる気配もなかった。

サインは前から出ていた。手を打つチャンスはいくらでもあった。し

かし、長期的な解決策には、興奮も称賛も、あの瞬間のアドレナリンもなかったのだろう。

案の定、数週間後にシステムは再び落ちた。今度は、誰も驚かなかった。

すべてのリーダーが「混乱を解決する側」ではない。

一部のリーダーは、むしろ「混乱の中でこそ生き生きとする」。

まるで自ら生んだ火を自ら消し、ヒーローとして称えられる『消防士型』の上司たちだ。

こうした上司は常に緊急対応を優先し、チームを高ストレスな現場に引き込み、戦略より反応、効率より英雄的努力を評価する。

では、そうした上司とどう付き合えばよいのか? そして、自分のエネルギーと心の健康をどう守るのか?

私の新刊『こんな上司、いたことありますか?』の調査をもとに、『消防士型』の上司の特徴、その影響、そして自分を守るために今日からできる実践的な対処法についてお伝えしていく。


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