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疲れた人類の心を照らす、ダメ人間

2025年の春、noteを書き始めた。
はじめてThreadsにも投稿した。

暇だからやってみよう。
義務感や目標はなかった。

何を書いたかは覚えていないけれど、
手が止まらなかった。
10年分の気持ちが溢れ出して、
書いても書いても、まだ書き足りない。
情熱のはけ口として、SNSを使った。

昔の自分のような、
暗闇の中にいる誰かに、届けたかった。


しんどかった10年間

出産してから産後うつと体調不良が重なり、
ひと月の半分以上、寝込んでいた時期もある。

小さな頃から繊細で、完璧主義な性格。
自分に厳しくしてしまうたちだった。
手の抜き方を、知らずに育った。

母親なんだから。
専業主婦なんだから。
これくらいはやって当然。

何をするにも、そうやって自分を追い込んだ。


でも、体力がなくなると踏ん張れなくなった。
四六時中、自分を責めていることが、つらい。

これまで当たり前だった苦しい気持ちに、
少しずつ気づけるようになった。



たくさんの本に救われた。

私の苦しさには、
ちゃんと名前があった。

ページをめくるたび、
これまで抱えていた苦しさの正体が、
だんだん分かってきた。


それまでの私は
何が好きで、何が苦しいか、なんて
分からなかったし、考えたこともなかった。

これが当たり前、これが常識と、
気持ちを後回しにして生きてきた。


好きなことをする。
安心する。
人に頼る。

子ども時代にできなかったことを、
大人になってからやり直した。

これまでずっと、
心を麻痺させていたんだなぁ。

どんなに時間がかかってもいいよ。
心が満たされるまで、
とことん付き合うからね。




ダメ人間に、なる覚悟

手を抜こう、と思った。

乾燥機付きの洗濯機を買い、
お掃除ロボットを買い、家事を減らした。
自分にお金をかけることに罪悪感があって
怖かった。でも、動く元気もなかったから、
機械に頼った。

だけど、ラクにはならなかった。

なぜだろう……。


考えて気づいた。

手を抜こう、なんて気持ちでは、
手が抜けないということを。

サボる。怠ける。
ダメ人間になる。

クズになる。


それくらいの覚悟をしてやっと、
ソファに座れるようになった。

はじめはコーヒーを淹れて座っても、
そわそわした。

罪悪感が聞いてくる。
「洗濯物は?お風呂の排水溝はもう二週間やってないよ?早くやった方が良いんじゃない?」

無視して一口飲んだ。

無視してドラマを観た。
昼寝をした。



ほっとしたら、泣けるようになった。

心の芯にまで染みついた完璧主義を、
楽しさで少しずつ溶かした。


起きられる日が増え、
体が動くようになってきた。

くつろぐって、こういうことかー。

そういえばわたし、
映画やドラマや音楽、大好きだったっけ。

学生の頃は毎日、音楽を聴いていたのに。
そんなこと、ずっと忘れていたなぁ。


人と会うだけで疲れる。
真面目すぎて根を詰める。
体力がなくてすぐ疲れる。

そんなダメな自分を、
もう許してあげようと思った。

今のままでいいよ。
もう十分、がんばった。
すごかったよ。

安心する方が大切。
楽しい方が大切。

わたしのしあわせより
大切なことなんて
何もないよ。



心の底に眠っていたものが、あふれ出てきた。

編み物がしたい。
もっと映画やドラマを観たい。
文章を書きたい。走りたい。


ママ友づきあいも、義実家づきあいも、
ぜんぶ苦しいと気づいたから、
必要最低限にした。



怖かった。
嫌われたと思う。

だけど、もうがんばる道には戻れない。
戻りたくない。


人からクズと思われても、
私は私の味方でいる。


そう決めたとき、
しあわせだなぁって思った。
ホッとした。

こんな私を責めるどころか、理解して
大切にしてくれる夫や子どもたち。

はじめて、心から人に感謝できた。



ほんとうは義実家が嫌いだったんじゃない。

イヤなことにイヤだって言えない自分が、
嫌いだったんだ。

昔の私の心の中は、
怒りや不満でいっぱいだった。

こんなにやってあげてるのに⋯⋯
こんなに頑張っているのに⋯⋯
どうしてなの?


なんで生きてるのか
毎日考えても分からなくて、
人に感謝しなくちゃと思っても、できなかった。

心が満たされると、人間って
勝手に感謝できるようになってるみたい。


わたし、毎日すごくたのしいよ。

うれしくて、あったかくて、
しあわせって思うの。

諦めないでいてくれて、ありがとう。


こころって、ずーっと二歳みたい。
かわいくて、おもしろいね。



8千人に届いた

Threadsを始めたばかりの頃は、
全然フォロワーが増えなかった。

半年くらい経った頃から、いいねが増え、
コメントがつき、共感の言葉を
もらえるようになった。


はじめて共感のコメントをもらった時は、
画面の前で、何度もうなずいた。
私だけじゃなかったんだ。

みんな疲れている。
でも、「疲れた」って言えない。

つらいと思っちゃいけない気がしている。

すごくがんばっているのに、
まだ足りないと思っている。

昔の私のように。


つらいと思いながら
誰にも言えずにいる人が、一瞬でも
ホッとしてくれたらいいなと思って
書き続けた。


昔の自分を励ませるような言葉を
放てる自分になりたかった。




ある日、こんな投稿をした。
かなり尖った言葉。
炎上するかもしれないと思った。


でも、私のもとに届いたのは、
共感の声ばかりだった。

8千いいね。閲覧数15万。
たくさんの人が、頷いてくれた。

みんな、苦しい、面倒くさいって思いながら
がんばっている。

あの頃のわたし、聞いてる?

あなたはおかしくないよ。
同じことを感じてる人が、たくさんいる。

ひとりじゃなかったね。



疲れた人類の心を照らす

先日、これまで人気だった投稿のスクショを
まとめて投稿したら、
数日でフォロワーが5000人増えた。



少し前まで、人付き合いをやめて、
家事もろくにできず寝込んでいた私が。

ダメ人間でいいと決めた私の言葉が、
誰かの心を照らした。


隠していた言葉ほど、誰かに届くなんて。
おもしろいなぁ。



ダメ人間の次は、調子に乗ることにした。


信じられないほどの
うれしいコメントが届いた。


人生最大のモテ期が到来したかも……。
読みながら、泣いた。


さみしい子ども時代だったから、がんばれた。
がんばったから、見失った。
見失ったら、疲れて寝込んだ。
生きてる意味を、探した。

苦しくなって、怠けた。
クズでいいと思った。

やっと自分に寄り添えた。
寄り添ったら、自分を許せた。

自分を許せたら、情熱が湧いた。
人に頼ったら、感謝できた。

好きなことをしたら、

誰かを照らす
言葉が生まれた。



暗闇だと思っても、
角を曲がったら突然
道がひらけることだってある。


ぜんぶ、無駄じゃないよ。
あなたのそれも、きっと。


#創作大賞2026

#エッセイ部門



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