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ハッピー・ピンク・ベアー 〜頑固ジジイVSロマンス詐欺師〜(前編)

 インスタグラムを開くと、新たに誰かからフォローされている。通知欄を見に行くと、アイコン写真とアカウント名をひと目見て、

「あ、700%、ロマンス詐欺師だ」

と直感した。

 私はこの手のロマンス詐欺師だろうが、エロ系アカウントだろうが、その他わけのわからない外国人だろうが、フォローするなら勝手にフォローさせておくことにしている。

 なぜブロックしないかと言えば、私は反響があろうがなかろうが、私自身の発信内容にそれ相応の自負を持っているので、どんなアカウントでも私の投稿を楽しんでいる可能性を否定しないからだ。

 いや、そういったアカウントが私の投稿など見ているはずがないのはわかっている。だがともかく“来るものは拒まず”というスタンスなのだ。もちろんDM等でいかがわしい内容を送ってくれば、容赦無くブロックする。

 したがって冒頭のロマンス詐欺師もブロックしないことにした。700%ロマンス詐欺師だとは思うが、確証がない限り詐欺師というのはあくまで仮説に過ぎず、結論はしないのである。

 そしてさらに言うと、私はフォローを返した。詐欺師相手になぜ?と思われるだろう。その詐欺師は毒にも薬にもならない、成金趣味の投稿をしていたが、鬱陶しいほどではなかったため、「ふーーーーーん」とは思いつつ、ある意図を持ってフォローを返してみたのである。

 するとどうだろう、その相手から一通のDMが届いたではないか。貴様は大量のフォロー相手の中から、詐欺にかけられそうな男が釣れて来たと、揉み手で思ったに違いない。だが本当に釣れたと思ったのはこちら側なのであるから、実に愉快である。

 ずばり私の意図とは、面白系ニュースサイトである“ロケットニュース”の編集長・GO羽鳥氏が行っている、ロマンス詐欺師からチャーハンのレシピを聞き出し、実際にそのレシピで作ってみるというネタを、私も試そうと思ったことである。

 まず、DMでの相手の出方はこうだった。

「お会いできて嬉しいです。あなたの投稿には素敵な写真がたくさんあり、撮影の手法も素晴らしいです。返信を楽しみにしています(土下座女子の絵文字)」

 なにも土下座まですることはなかろうと思うも、悪くない。その裏に人から金を奪おうという腹黒さを隠しているのだろうが、現時点で悪い気分にはならない。あなたこそ素敵な投稿だ、フォローをありがとうと伝えた。

 すると今度はこう来た。

「どういたしまして。お返事いただけて嬉しいです。あなたの投稿には、美味しそうな料理や素敵な写真がたくさんありますね。よく旅行に行かれるのですか?」

 旅行どころか、年中家に引きこもっているのだが、料理は自分で作ったものだと返した。その後も日常的な会話が続き、まったく金儲けの話をして来ない。

 こやつ、長期戦に持ち込む気だ...!と悟った私は、おかしな点には気づかず、着実に誘惑されている男を演じ続け、いまだ!というところでジャーマンスープレックスをキメてやろうと決めた。

 相手は“千恵”と名乗って来た。かくしてロマンス詐欺師・千恵と、万年非モテ頑固ジジイの戦いのゴングが鳴った。そのなんとも哀愁に満ちた結末は後編で語る...! 

追伸、みなさんはこうした詐欺師のようなアカウントとやり合うのはマネされぬように。詐欺の被害は年々増えており、詐欺について知ること、疑う姿勢を持つことが大切だと、GO羽鳥氏も警鐘を鳴らされている。同氏の記事はそのやり取りの内容などが写真つきで載っており、すこぶる解像度が高いかつ非常に面白いので、『ロマンス詐欺 GO羽鳥』などと検索してぜひ読んでみて欲しい。

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