毎週ショートショートnote 【作家ワールドカップ】
来年度の「作家ワールドカップ」の開催中止が発表された。その理由が「人類は動画しか見ないし、AIに頼る似非作家の作品は陳腐である」と辛らつだった。その代わり、作家は作家でも「家を作る」建築デザイナーの世界的登竜門としての「作ㇾ家ワールドカップ」が行われる運びとなった。国内予選には多くのエントリーシートが送られてきた。皆がハウスメーカーに勤める若きデザイナーたちである。
「狭い土地に理想の住まい。一畳の家。何階建てでもOK!」
by 一畳工務店
なんだよ。全階、はしごで登るのか。却下!
「煌く生活。まぶしい未来が約束された館。内外装に人工ダイヤ!」
by ダイヤハウス
白内障の手術前なんだよ。余計まぶしいじゃないか。✕!
年老いた選考委員たちは、次々[選外]のハンコを押していった。
「大人気!誰もが訪れたくなるキャットハウス。癒しの家」
by たまホーム
なになに? ドラえもんとトトロ、どっちにしましょ?って?
選ぶのは「選考委員の方におまかせ」だってさ。
こうしてドラえもんの家が選ばれ、本大会に出場。来場者No.1で優勝した。「ドラ家門」の玄関は「どこでもドア」。人類はこの世界に飽き飽きしていて、過去や未来に行きたいらしい。
(了)
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