バトルに乾杯!|第一話「エクスプ――」
【閲覧上の注意】
本作には、剣戟・魔法・モンスターの討伐などの戦闘シーンが含まれます🌱
過激な表現が苦手な方は、ご注意ください⛱️
【はじめに】
この物語は、フィクションのファンタジー作品です。
まずは全八話の短編連載としてお届けする予定です✨では🐾

第一話「エクスプ――」

ギュゥイン。
ギュゥイン。
サイカの杖先に、白い光が巻きはじめた。
「エクスプ――」
「まっ、まて!」
ダベッドの声が、詠唱に重なる。
「サイカ、いきなり使うな!」
「なんでよ!」
「なんでって、おまえな……!」
その言葉を踏みつぶすみたいに、暗い茶色のミノタウロスが地面を蹴った。
白い角が、サイカへ向く。
石床が鳴る。
「ほら、来たじゃない!」
杖が再び前を向く。
「だから、いきなり大技を撃つなって言ってんだ!」
「ちがうわよ、ファイアーボール!!」
火の玉が、糸を引くように飛ぶ。
ドンッ。
ミノタウロスの胸元で、火がはじけた。
「おいっ、あちちちっ。ぎりぎりだぞ?」
ダベッドが顔をそむけながら叫ぶ。
「当たってないでしょ!」
「熱いんだよ!」
「おっさんでしょ。我慢しなさい」
「なっ、まだ若いと思うんだよな!」
「自分はね」
煙の向こうから、低いうなりがした。
焦げた毛のにおいが流れてくる。
「ダベッド、一度受け止めようか」
「なにをだよ」
「ミノちゃん」
「ちゃん付けすんな。あと、受け止める前提で言うな」
奥で、巨体が動いた。
ズシンッ。
石床が震える。
サイカは杖を肩に乗せたまま、にやりと笑った。
「一回止めてくれたら、今度こそちゃんと当てるから」
「今度こそって言うな。不安になるだろ」
奥で、白い角が低く沈んだ。
石床を削る音が、近づいてくる。
「じゃあ、どうするのよ」
「足を狙え。あとは俺がやる」
「え、地味」
ダベッドは左手で剣を顔の前に立てた。
柄のくぼみへ、炎を宿した宝珠を右手で差し込む。
カチリ。
赤い光が、刃の根元から走る。
ボゥっと、空気が揺れた。
「いいから!」
サイカは不満そうに杖を振った。
小さな火球が、迫る足元ではじける。
ドンッ。
巨体が、わずかに左へ沈んだ。
「今よ!」
ダベッドは、白い角の下へ踏み込む。
ブウォーーオ。
その角が、頭上をかすめる。
熱を帯びた刃が、下から斜めに走る。
ズシャッ。
重い手応えが、両腕に返ってきた。
「う、おおおおっ!」
ダベッドは声を押し出しながら、刃を振り抜いた。
太い腕が、黒い影になって宙を舞う。
巨体が、ぐらりと横へ傾いた。
地面に落ちた手だけが、まだ何かをつかもうとしている。
「やったわね。任せなさい」
背後で、サイカの杖が高々と上がった。
「頼む。おいっ、わかっ――」
「わかってるわよ」
サイカの杖先には、もう赤い粒が集まりはじめていた。
かすかな響きが、音に変わっていく。
口元が少し上がり、目も輝きはじめる。
ギュゥイン。
杖先で、炎の帯がぐるりと重なり、巻きはじめた。
今度は、ダベッドも止めなかった。
「ファイアーストーム!」
炎の渦が足元から巻き上がり、ぐらつく巨体を包み込んだ。
ブウォ――。
ミノタウロスの声が、炎の中で途切れた。
炎がほどけると、石床には黒い焦げ跡だけが残っていた。
ついさっきまで巨体があった場所に、腕も、角も、影もない。
ただ、焦げたにおいだけがしばらく鼻をついた。
ダベッドは剣を下ろし、宝珠の奥で炎が小さく薄れていくのを見た。
「……火の宝珠、ここで出すには早かったか」
「まだあるんでしょ。勝ったんだからいいじゃない」
サイカは軽く言った。
「ふぅ、少しこたえたわ」
杖を下ろしながら、小さく肩を回した。
「サイカ、当分休んでろ。わかったな」
「はいはい」
ダベッドは近くの石に腰を下ろし、ゆっくり目を閉じた。
遠くのほうで、鐘がひとつ鳴った。
ストーリーソングつくりました🎈
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↓聞く🎯
どうでしょうか?
よかったら、感想をコメントでいただけるとうれしいです✨🐾
第二話 作成中(仮)「盾の男」


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