甲子園に出るのに、お金が足りない?──高校球児の夢を支える「寄付」という仕組みA High School’s Other Battle: The Hidden Costs of Making It to Koshien
こんにちは。Ayaです。
前回は、高校野球を「経済」
という視点から考えてみました。
甲子園には全国から人が集まり、
交通費、宿泊費、飲食費、
入場券、グッズなど、
さまざまなお金が動きます。
ただ、そこで一つ気になることがあります。
そのお金は、誰が負担しているのでしょうか?
実は、甲子園に出場する学校にとって、
大会出場は
「お金が入ってくるイベント」
ではありません。
むしろ、
出場するために、
まとまったお金が必要になる。
そんな現実があります。
✳️甲子園出場には「応援」にもお金がかかる
もちろん、選手たちが甲子園に行くためには、
交通費や宿泊費が必要です。
でも、それだけではありません。
学校によっては、
・吹奏楽部
・応援団
・チアリーダー
・教職員
・生徒
なども甲子園へ向かいます。
さらに、
・応援バス
・入場券
・応援グッズ
・ユニフォーム
・記念品
・宿泊費
・食事代
など、さまざまな費用が発生します。
実際、過去の甲子園出場校の
収支報告を見ると、
応援団の交通費だけで数百万円、
入場券や応援グッズなどにも
大きな費用がかかっています。
(日本大三島高等学校・中学校)
✳️そこで登場するのが「寄付」
だから、甲子園出場が決まると、
「皆さん、応援してください」
という寄付のお願いが始まります。
卒業生。
保護者。
学校関係者。
地元企業。
地域の人たち。
そして一般のファン。
さまざまな人から寄付を集めます。
2026年にも、
東海大学付属甲府高校は
甲子園出場にあたり、
募金目標額1,500万円を設定しました。
一口5,000円から寄付を募っています。
(甲府市立東海大学附属高等学校)
甲子園という
「夢の舞台」の裏側で、
1,500万円を集める仕事
が始まっているわけです。
✳️出場できておめでとう、だけでは終わらない
ここが、高校野球の
少し意外なところだと思います。
県大会を勝ち抜いて、
「甲子園出場、おめでとう!」
となった瞬間。
普通なら、これで喜びは最高潮です。
でも学校側からすると、
「さて、どうやって費用を工面しよう?」
という問題が始まります。
もちろん、
日本高等学校野球連盟からは、
全国大会出場校に対して
一定の旅費・滞在費の補助があります。
(公益財団法人日本高等学校野球連盟)
それでも、選手だけでなく
応援団まで含めた費用を
すべて賄えるわけではありません。
だからこそ、
学校や後援会が募金活動を行うのです。
✳️「寄付する側」にも事情がある
ここも面白いところです。
甲子園出場校への寄付は、
単なる「善意」だけではありません。
卒業生にとっては、
「母校への恩返し」
かもしれません。
地元企業にとっては、
「地域への貢献」
かもしれません。
そして地元住民にとっては、
「自分たちの町の代表を応援したい」
という気持ちがあります。
つまり甲子園は、
野球というスポーツを通して、
人から人へお金が移動する仕組み
にもなっています。
✳️「夢」にもお金がかかる
私はここが、今回一番考えたいところです。
高校野球は、
「努力すれば夢がかなう」
という物語として語られることが多いです。
もちろん、それは大切なこと。
でも現実には、
夢をかなえるためにも、お金が必要です。
甲子園までの交通費。
宿泊費。
応援団の費用。
入場券。
用具。
記念品。
さまざまな費用が積み重なります。
だからこそ、
出場校は地域や卒業生などに支援を求めます。
✳️「強い学校」と「お金を集めやすい学校」
は同じなのか?
ここから、
もう一つ考えてみたいことがあります。
もし甲子園出場に必要なお金を集める力に、
学校や地域によって差があるとしたら?
卒業生が多い学校。
地元企業が多い地域。
歴史の長い伝統校。
甲子園出場経験が豊富な学校。
こうした学校は、
寄付を集めるうえで有利かもしれません。
一方で、初出場の学校や、
卒業生が少ない学校、
地域の人口が少ない学校はどうでしょうか。
もちろん、だからといって
甲子園出場の機会が
決まるわけではありません。
しかし、
「出場できること」と
「出場後の活動を支える資金を
集められること」は、別の問題です。
ここには、スポーツとお金を考えるうえで、
とても興味深いテーマがあります。
✳️甲子園は「夢」だけでは維持できない
甲子園には、
「一球に懸ける高校生」
がいます。
その裏側には、
「その一球を支えるために、
お金を集める大人たち」
もいます。
寄付をお願いする学校。
寄付をする卒業生。
応援バスを手配する人。
ホテルや交通機関。
そして、甲子園まで応援に行く家族。
たくさんの人が動いて、
初めて「甲子園」という舞台が成立します。
だから私は、
「甲子園は高校生だけの舞台ではない」
と思います。
高校生の夢を、
地域が支え、
卒業生が支え、
企業が支え、
そしてお金も支えている。
今日、高校野球記念日に甲子園を見るとき、
そんな「もう一つの甲子園」
にも少し目を向けてみたいと思います。
夢を見ることは無料でも、
夢を実現するにはお金がかかる。
高校野球は、その現実を
とても分かりやすく
見せてくれるのかもしれません。
【English Summary】
Making it to Koshien is a dream for high school baseball players—but for their schools, it also comes with a significant financial burden.
Travel, accommodation, meals, transportation for supporters, tickets, and other expenses can quickly add up. That is why schools and alumni associations often turn to donations and fundraising to help cover the costs.
Behind every team stepping onto the Koshien field, there are families, alumni, local businesses, and communities supporting them—not only with cheers, but also with money.
For the players, Koshien is a battle to win. For the people supporting them, it can be another battle: finding the money to make that dream possible.
